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Wi-Fiの電波で壁越しに静止物の形状を推測する手法

壁越しに物体の形状を読み取る様子

 カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UC Santa Barbara)の研究チームは11日(米国時間)、Wi-Fiの信号を使って物体の形を推測する技術を考案した。壁越しでの読み取りも可能だという。

 波が物体の端に当たると、ケラーの幾何光学回折理論に基づいて円錐状(ケラーコーン)に反射する。これは鋭い形状だけでなく、曲率が十分に小さい面であれば同様の現象が起きる。研究チームでは、この反射波をある面(受信グリッド)を捉えたとき、物体の端の向きによって得られる円錐断面の形状が変化することに着目し、静止している物体の形を推測する手法として利用したという。

円錐状の反射を捉えて物体の形状を推測する

 研究チームの開発したシステムでは、市販のWi-Fi送信機3台を使って、測定したいエリアに電波を発信。一方Wi-Fi受信機は無人で動作する車両に設置して、受信グリッドを形成するよう移動しながら受信信号強度を計測。得られた測定結果から画像処理を行ない、物体の形状を推測する。

 アルファベットの形状をした物体を使用し、壁越しの場合を含む3つのケースで実験を行なったところ、実際に形状を得ることができ、文字の分類も可能だったという。

実験の様子
得られた結果。大体の形状が捉えられている
WiFi Can Read Through Walls