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AMD、企業のAI導入を加速するAIエンジン搭載CPU「Ryzen Pro 7040」
2023年9月12日 18:59
AMDは12日、Ryzen PROの最新状況に関する報道者向け説明会を実施。法人PC向けプロセッサ「Ryzen Pro 7040」シリーズおよびAIエンジン「Ryzen AI」について紹介した。
冒頭では、今年8月に日本AMDの代表取締役社長に就任したジョン・ロボトム氏が登壇。同社の紹介として、AMDの技術がAIや5Gインフラ、ゲーミング、電気自動車などさまざまな分野に採用されていることや、同社の2022年の売上高が236億ドルで過去最高だったことを触れた。
また、2020年から2022年における同社の成長についても紹介しており、スーパーコンピュータ演算能力ランキング「TOP500」にランクインしたAMDベースのPCが4台から94台に増加したほか、同社の時価総額は536.5億ドルから1760.6億ドルに、社員数や法人向け製品数は約2倍になったという。
同氏は自身のミッションとして、日本のユーザーに対してAMDの認知度を上げていくともに、日本市場に対して、良い技術、良い製品を提供できるよう努力していきたいと述べた。
Ryzen Pro 7040シリーズやRyzen AIなどについては、同社のコマーシャルクライアント ビジネスワールドワイドMNCセグメントリーダーであるジャスティン・ガルトン氏が説明した。
「Phoniex」とも呼ばれるRyzen Pro 7040シリーズは、AIエンジンであるRyzen AIを搭載した初の法人PC向けCPU。Ryzen Pro 6000シリーズと比較すると、4nmプロセスを採用することで高い電力効率を実現しているほか、CPUはZen 4アーキテクチャ、GPUはRDNA 3アーキテクチャに強化されている。
同社はRyzen Pro 7040に関して、第13世代Core i7とのベンチマーク比較や、Microsoft Teams使用下における他社製品とのバッテリ駆動時間の比較、ノートPC間での比較などをテストしており、いずれの比較においてもRyzen Pro 7040が優れたパフォーマンスを発揮しているとした。
Ryzen AIは、世界初のx86プロセッサに統合されたAIエンジン。開発などの際のCPUやGPUへの負荷を本AIエンジンにオフロードできるのが特長で、これによりパフォーマンスを維持しながらAIやアプリ開発などができる。
同社はRyzen AIを活用し、Web会議をより対面でやっているように行なえる機能など、Microsoft Teamsの改良を施している。Ryzen AIでは今後、セキュリティの向上やコンピューティング機能の高速化、アプリ開発のエコシステムの促進などを、今後6カ月から18カ月の期間でMicrosoftやその他のパートナーとともに実現していくとしている。
同社が行なったAIに関する調査では、企業はAIの導入に意欲がある一方で、セキュリティやITインフラが未整備であること、企業内でのトレーニング足りないことなど、AIに対する不透明感も持っているという結果が出たという。
同社は今回取り上げたRyzen Pro 7040などのAIソリューションとともに、企業のAI導入を促進させていくとした。
説明会では、Ryzen AIの搭載PCとして、HPのEliteBook 865 G10や、LenovoのThinkPad T14 Gen 4が展示された。