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AMDのトップが語る、AIの普及を推進する3つの戦略

 AMDは4日、AIに関する同社の最新状況を紹介する報道者向け説明会を実施した。冒頭では、日本AMDの代表取締役社長であるジョン・ロボトム氏が登壇し、日本AMDのAIに関する戦略を語った。同氏は、少子高齢化社会である日本の経済を推進するためには、DXを進めることが不可欠であり、特にAIの活用が重要であると述べた。

 また、DXを推進する過程で消費電力の増加が見込まれるが、日本AMDではGXも意識しつつ、パフォーマンスを最大化しながら消費電力を抑え、世界一の電力効率を目指す方針だと同氏は語った。

日本AMD株式会社 代表取締役社長 ジョン・ロボトム氏
日本AMDの注力領域

 AMDプレジデントのビクター・ペン氏は、AIに関するAMDの戦略や最新状況について説明した。同氏は、AIを過去50年間で最も革新的な技術と位置づけており、AIにおける戦略として、幅広い製品ポートフォリオを展開すること、ソフトウェアにも注力すること、オープンソースのソフトウェアや技術を活用してさまざまな企業と連携してイノベーションを生み出すことの3つを挙げた。

AMDプレジデント ビクター・ペン氏
AIに関する3つの戦略

 1つ目の幅広い製品ポートフォリオの展開については、Intel H100より性能面で優れていると謳うデータセンター向けのInstinct MI300XおよびMI300Aや、AIエンジンのRyzen AIなど、クラウドからエッジ、エンドポイントにいたるまで、多岐にわたるAIポートフォリオを市場に投入している。

AIポートフォリオ
MI300XとMI300Aの性能について
Ryzen AI

 2つ目のソフトウェアへの注力については、オープンソースソフトウェアの活用を進めており、AMDのプラットフォームを通じてオープンソースのAIモデルやアルゴリズムを自由に利用できるようにし、独自のAIソリューションを開発しやすい環境を構築している。

 AMDは、オープンソースのLLMコンパイラも開発しており、異なるプラットフォーム上でのAIモデルの効率的な実行を可能にしているほか、AIソフトウェアの強化を目的にMipsologyとnodの2社を買収している。

ソフトウェアについて
Mipsologyとnodの2社を買収

 3つ目の企業との連携については、AMDは豊富なハードウェアおよびソフトウェアをもとに、自動車や医療、ロボットなど、さまざまな分野でAIを導入している。日本の導入例としては、新幹線での線路点検システムや、自動車の駐車アシスト、高解像度カメラなどが挙げられた。

 同氏は3つの戦略を通じて、クラウドからエッジ、エンドポイントにいたるまでのAIの普及をAMDのプラットフォームで実現したいと語った。