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普通のノートをゲーミングノートに変身!Radeon RX 7600M XT搭載ドック「GPD G1」
2023年8月4日 14:55
株式会社天空は、Radeon RX 7600M XT(8GB)を搭載し、持ち運びも可能なGPD製ドッキングステーション「G1」の予約販売を開始した。先行予約価格は10万4,300円となっている。
Thunderbolt 3/4およびUSB4を搭載した近年のノートPCなどに対応し、GPD製品以外の製品でも利用できるGPU内蔵ドッキングステーション。本体サイズは約225×111×30mm、重量は920gで、UMPCや薄型軽量のモバイルノートPCとともに容易に持ち運んで使える。UMPCやゲーミングUMPCを多数手掛けるGPDとしては、初のPC周辺機器。
ユニークなのは240WのGaN採用の電源を内蔵している点で、コンセントから本体まではケーブル1本のみで済む。また、PCに対して60Wの給電が可能。接続はThunderbolt 3/4とUSB4のほか、PCI Expressバスをそのまま外付けにしたOCuLinkもサポートしており、同社の「GPD WIN Max 2 2023」、「GPD WIN 4 2023」、「GPD WIN Mini」ではそちらを利用することでバス転送のボトルネックを解消できる。
ただしGPDとしてはあくまでも「Thunderbolt 3/4/USB4を備えたPCで使えるeGPU付きドック」という位置づけで、(他社のノートなどでも使える意味で)汎用性の高さをウリにしている。CEOのWade氏は、「購入ユーザーの9割以上はそちらで接続して使うだろう」としている。
OCuLinkは今のところGPD以外では採用事例が皆無に近い状態のほか、ホットプラグで非対応、エコシステムが未完成といった懸念点を挙げている。そのため、G1自体にはOCuLinkケーブルは付属せず、別売りという扱い。天空における先行予約価格がG1ドックとセットで11万1,100円、単体で8,800円となっている。
なおOCuLinkを使うことで、大型3Dゲームタイトルにおいて15~20%の性能向上(Thunderbolt/USB4接続時比)が見込めるとしている。
内蔵されるRadeon RX 7600M XTの性能としては、デスクトップ版のGeForce RTX 3060を概ね上回る性能。実際に天空が「ファイナルファンタジーXIVベンチマーク」を、第11世代Core i7-1165G7搭載した3年前のモバイルノートで実行したところ、ベンチマークスコアが約3倍の14,995を記録したとしており、「Thunderbolt 3/4、USB4を搭載した普通のビジネス向け薄型ノートでもゲームプレイが可能になる」(株式会社天空 代表取締役 山田拓郎氏)という。
そのほかのインターフェイスは、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4a×2、USB 3.1×3、SDカードスロットなどを搭載する。
【8月8日訂正】記事初出時、発表会の資料に基づいてインターフェイスを記載しましたが、資料に誤りがあったことを確認したため、記事を訂正いたします。
ちなみに、コンシューマ向けGPUを搭載し、ハブやカードリーダとして利用できる汎用で持ち運びできるドッキングステーションは例があまりない。
直近ではADLINKがRTX A500を搭載した「Pocket AI」なる製品を投入しているが、ドック機能は非搭載な上にプロ向けGPUだ。レノボはGeForce GTX 1050搭載の「Lenovo Thunderbolt 3 Graphics Dock」を過去に発売しているほか、他社でもRadeon RX 570M搭載例は多いのだが、やや大型だったり、ACアダプタは外付けとなっているなど、“真の持ち運べるオールインワンeGPUドック”と呼べるものは意外にも珍しかったりする。
なお天空ではG1のほかに「GPD WIN 4 2023」も同時に予約開始し、10月中旬に発売する。GPD WIN 4と比較するとCPUがRyzen 7 7640U/7840Uに強化されたほか、メモリが7840Uモデルで標準32GBになるなど、大容量化が進んでいる。価格は11万500円から。