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鼻の下に貼ったりマスクとして着けられる匂い発生デバイス

研究チームが開発したデバイス

 香港城市大学北京航空航天大學らによる研究チームは、無線制御で匂いを発するデバイスを開発した。鼻の下に貼り付けるタイプと、フェイスマスクタイプの2種類があり、VRなどのエンターテインメントのほか、教育や医療用途などへの応用を見込んでいる。

 これまでにも匂いを発生する技術やデバイスは存在していたが、装置が大型だったり、応答が遅かったりといった点が課題だった。また、ウェアラブルタイプのものも液体を噴霧する仕組みが一般的で、ボトルがかさばるほか特殊なメンテナンスが必要となるなど、改善が求められていた。

 今回研究チームは、柔軟性のある電気シート上に小型なOG(Odor Generator、匂い発生器)を配置した匂い発生デバイスを設計。OGには、食用パラフィンに香水を混ぜたものやサーマルアクチュエータなどが積層されており、無線で制御が可能となっている。

 このOGを用いて、鼻の下に貼り付けるタイプと、フェイスマスクタイプの2種類のデバイスを開発。前者は最大2つ、後者は最大9つのOGを搭載し、複数の匂いを発せられる。鼻に近い位置に配置できるため、最短1.44秒でパラフィンを加熱し、匂いを発生できるという。また、パラフィンワックスと香水の質量バランスなどを調整することで、長時間の連続動作も可能だという。

 研究チームでは、VRやAR技術との連携、オンライン授業での利用のほか、4D映画、視覚/聴覚障害がある人に匂いでメッセージを伝達する仕組み、感情のコントロールなどといった用途にも活用できるとしている。

開発したデバイスの活用例