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NTT、AIの学習/推論処理を秘密計算で行なうソフトウェア

 日本電信電話株式会社(NTT)は、データを暗号化したまま、AIの4大カテゴリの学習/推論手法の主要なアルゴリズムによる学習/推論ができる秘密計算AIソフトウェアを開発したと発表した。

 データ駆動型科学の普及に伴い、研究データを原則公開して多分野での利活用を図るオープンサイエンスの機運が高まっている一方で、個人のプライバシーデータや営業秘密データなどは情報漏洩や不正利用の懸念がある。そのため、データを暗号化したまま一度も元に戻さず処理できる秘密計算技術が注目されている。

 NTTはこれまで秘密計算による統計処理や深層学習を行なう技術を開発してきており、2019年9月2日に発表していたが、さらに研究開発を進めたところ、機械学習の基本である回帰、分類、クラスタリング、データ次元圧縮という4つの代表的なアルゴリズムを秘密計算で実現。今回、世界初となる秘密計算AIソフトウェアを開発した。

 今回開発された秘密計算AIソフトウェアは、AI処理をする際に一般的に用いられているPythonを利用してプログラミングできるという。

 今回の秘密計算IAソフトウェアは、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)が提供するトライアルとして、2023年1月末から2024年3月度まで、国内の大学・研究機関に所属する教職員および研究者を対象に無料で提供する。

NIIが提供するトライアル