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片手サイズにこだわった5.9型フラグシップスマホ「Zenfone 9」国内発売

Zenfone 9

 ASUS JAPAN株式会社は、5.9型で片手に収まるコンパクトサイズなフラグシップスマートフォン「Zenfone 9」の国内版を4日に発売すると発表した。メモリ/ストレージ構成は8GB/128GB、8GB/256GB、16GB/256GBの3種類を用意し、価格は順に9万9,800円、11万2,800円、12万9,800円。

 Zenfone 9は、フラグシップモデルのもつ高い性能や機能をコンパクトな筐体に収めた5.9型スマートフォン。70mmを切る横幅など、片手に収まるサイズ感にこだわっており、本体サイズは約68.1×9.1mm×146.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約169gに抑えている。従来のZenfone 8も同様にコンパクトな設計だったが、画面サイズはそのままに筐体サイズをさらに小型化した。

 SoCにはSnapdragon 8+ Gen 1を採用。従来機(Snapdragon 888搭載)と比べ、CPU性能が15%、GPU性能が50%、電力効率が30%向上した。加えて、シリーズ初のベイパーチャンバーを搭載するなど、冷却機構にも注力しており、長時間連続して高い性能を維持できるとしている。

片手で持てるコンパクト設計
小さい筐体でもSnapdragon 8+ Gen 1を搭載
シリーズ初のベイパーチャンバーなどで冷却性能を強化

 背面カメラは、5,000万画素広角/F1.9(ソニー製IMX 766)、1,200万画素超広角/F2.2(同IMX 363)の2眼構成で、前面カメラは1,200万画素広角/F2.45(同IMX 663)を装備。3つのカメラすべてがオートフォーカス機能に対応するほか、背面広角カメラには強力な手ぶれ補正を実現する6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーを内蔵する。

 ジャイロセンサーで検出した本体の動きにあわせ、カメラモジュール全体が動くことで手ぶれ補正を実現するもので、写真や動画撮影時の手ぶれを抑える。一般的な光学手ぶれ補正より強力だとしており、電子手ぶれ補正機能のHyperSteadyと組み合わせてさらに効果を高められる。

 パノラマやプロなどの各種撮影モードには、新たにライトトレイルモードに加わった。長時間露光で光の軌跡を捉える写真を撮れるもので、被写体にあわせたプリセットを選ぶだけで簡単に撮影できる。

背面は2眼構成
5,000万画素広角カメラには6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーを内蔵
光に軌跡を撮れるライトトレイルモード

 ディスプレイには5.9型1,080×2,400ドットAMOLEDパネルを採用。DCI-P3カバー比112%の広色域、Delta E 1未満の高い再現性に加え、最大輝度は1,100cd/平方mを発揮し、HDR10+にも対応する。リフレッシュレートは120Hzをサポートしており、強化ガラスとしてCorning製のGorilla Glass Victusを使用している。

 音響面では、上部に10×12mm、下部に12×16mmのスピーカーをそれぞれ内蔵。デュアルスピーカーにより、臨場感のある音響を実現したとする。独自のASUS Audio Wizardにより、4種類のサウンドモードやイコライザー、サウンドプロファイルなどを適用できるほか、近年非搭載の機種も多い3.5mmコンボジャックも装備している。

5.9型AMOLEDは120Hz表示や最大1,100cd/平方mの輝度に対応
デュアルスピーカーや3.5mmコンボジャックも備える

 生体認証機能は指紋認証(電源ボタン一体型)および顔認証(マスク着用可)をサポート。電源ボタン部には新たにZenTouch機能が加わった。2回押し/長押しやボタンのスワイプによって、Googleアシスタントの呼び出しやページ先頭/最後への移動などが行なえるもので、エッジツールや背面ダブルタップの機能などとあわせて片手での操作を支援する。

 そのほか、IP65/68の防水防塵や30Wの急速充電にも対応。バッテリサイズは従来の4,000mAhから4,300mAhへと大容量化を果たしており、低速充電や予約充電といった劣化を抑える機能も備える。さらに、FeliCa/おサイフケータイもサポートしている。

 筐体はミッドフレームにアルミ、背面にはポリカーボネートとポリウレタンを組み合わせた新素材を使用した。手触りのよい独特の質感で、指紋が付きにくく、高いグリップ性を発揮する。

 本体色は、ミッドナイトブラック、ムーンライトホワイト、サンセットレッド、スターリーブルーの4種類を用意するが、16GBメモリ/256GBストレージモデルはミッドナイトブラックのみ、8GBメモリ/256GBストレージモデルはミッドナイトブラックおよびムーンライトホワイトの2色展開となる。

長押しやスワイプでさまざまな操作を行なえるZenTouch機能を新たに搭載
本体背面のダブルタップで機能を呼び出すこともできる
IP65/68の防水防塵設計
バッテリ容量は4,300mAh。30Wの急速充電にも対応する
バッテリを保護する
FeliCaやおサイフケータイにも対応する
本体色はモデルによって最大4種類

 主な仕様は、Snapdragon 8+ Gen 1、8GB/16GB LPDDR5メモリ、128GB/256GBストレージ(UFS 3.1)、5.9型1,080×2,400ドット/120Hz対応AMOLED、Android 12(Zen UI)を搭載。

 対応バンドは、5G NRがn1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n77/n78、LTEがB1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28/B34/B38/B39/B40/B41/B42、W-CDMAがB1/B2/B4/B5/B6/B8/B19、GSMが850/900/1,800/1,900MHz。SIMカードはNano SIM×2。

 無線機能はWi-Fi 6、Bluetooth 5.2、NFC(FeliCa/おサイフケータイ対応)。センサー類は、GPS(GLONASS/BeiDou/Galileo/QZSS/NavIC)、加速度、電子コンパス、光、近接、ジャイロスコープ、磁気、指紋(電源ボタン一体型)を備える。

 インターフェイスは、USB 2.0 Type-C、3.5mmコンボジャック、デュアルスピーカー、デュアルマイクを搭載。バッテリ容量は4,300mAhで、最大30Wの急速充電(USB PD 3.0およびQC 4.0)にも対応する。

 本体サイズは約68.1×9.1mm×146.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約169g。

Zenfone 9 Connex Accessories Set。独自のConnexでスタンドなどをケース下部に取り付けられる
アウトドア用途に向けたZenfone 9 Smart Backpack Mountも

 また別売アクセサリとして、ケース/スタンド/カード入れがセットになった「Zenfone 9 Connex Accessories Set」と、バックパックなどに装着できる「Zenfone 9 Smart Backpack Mount」も用意。価格はそれぞれ5,280円、9,980円。

Zenfone 9
ミッドナイトブラック
ムーンライトホワイト
スターリーブルー
左側面
右側面。本体上側に音量ボタン、中央にZenTouch対応の指紋認証センサー一体型電源ボタン。
上部。3.5mmコンボジャックを装備
下部。左にNano SIMカードスロット、中央にUSB 2.0 Type-Cポート
カメラは広角の方が大きく出っ張っており、6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーもこちらのみに内蔵
本体の応じてカメラ内部のユニットが動き、手ぶれを補正する
カメラアプリ上では、中央に手ぶれ度合いの分かるUIを用意。中央の点が円から飛び出ないように撮影すればよい
本体カラーに応じた純正ケースが標準で付属

おサイフケータイなど国内向けのローカライズにも注力

 新製品発表会では、同社システムビジネス事業部 シニアプロダクトマネージャーのRaylen Lee氏、システムマーケティング部 モバイルプロダクトマーケティング マネージャーの新島瑠美子氏、システムビジネス事業部 テクニカルプロダクト シニアマネージャーの阿部直人氏が登壇。Zenfoneシリーズのこれまでの歴史や、Zenfone 9シリーズについて説明を行なった。

システムビジネス事業部 シニアプロダクトマネージャーのRaylen Lee氏
システムマーケティング部 モバイルプロダクトマーケティング マネージャーの新島瑠美子氏
ステムビジネス事業部 テクニカルプロダクト シニアマネージャーの阿部直人氏

 同社では、「すべては人から始まる」の企業理念のもと、ユーザーが何を考え、何を感じて、何を求めているかを深く理解しながら製品開発を進めてきた。Zenfoneシリーズでも、日本のユーザーの声に耳を傾けながらニーズに応えられる製品を開発してきたという。

 日本市場では、2014年に投入したZenfone 5シリーズなどが大きなきっかけとなり、国内におけるSIMフリースマートフォン市場をけん引。同年にはSIMフリースマートフォン市場のシェア1位も獲得した。その後も日本向けのローカライズなどを進め、前世代のZenfone 8ではおサイフケータイや防水防塵への対応も果たした。

 Zenfone 9については、片手でスマートフォンを使うのが当たり前となった今、前世代の持つコンパクトかつ高性能な点はそのままに、バッテリの大型化やカメラの強化などを実施。要望の多かったカラーバリエーションの拡充も図っており、ユーザーに寄り添い、安心して長く愛用してもらえる端末になったとしている。

シリーズを重ねながら機能改善やローカライズなどを図ってきた
Zenfone 5シリーズは、国内における同社のSIMフリースマートフォン市場拡大の大きなきっかけに
前世代のコンパクトさはそのままに、さらに強化を図ったZenfone 9