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NICT、4コア光ファイバで毎秒1ペタbit超の伝送に成功。世界初

今回利用したシステム

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は19日、同機構ネットワーク研究所のベンジャミン パットナム主任研究員らのグループが、研究開発用の標準外径(0.125 mm)4コア光ファイバにおいて広帯域波長多重技術を駆使し、世界で初めて同ファイバでの毎秒1ペタbit(1Pbps)を超える大容量伝送実験に成功したと発表した。

 今回の実験では、一般的に商用化されていない波長帯域(S帯)をほぼ完全に活用し、既存の商用帯域(C帯、L帯)と合わせて20テラHzの周波数帯域で計801波長を使用し、大容量を実現した。

今回の成果と過去成果の比較

 今回の伝達システムに利用した標準外径のファイバーは、実際に敷設するケーブル化の際に、既存製造設備を使用できるメリットがある。また、マルチコア方式の光ファイバ通信では、従来の光通信システム用の光送受信技術を利用でき、モード分離用の大規模専用集積回路の完成を待たずに、大容量基幹系通信システムの早期実用化が期待できる。

 実験はBeyond 5G以降の情報通信を見据えたもので、通信量の爆発的増加に耐えうる光通信システムの構築に貢献するとしている。また、同機構は、今後も引き続き継続的な光通信システムの向上を実現すべく、早期、長期両面で実用可能な標準外径光ファイバの研究開発を推進するとしている。