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ほとんどのゲームを超解像化で性能向上させる「Radeon Super Resolution」正式リリース

Radeon Super Resolutionにより、ゲームを低解像度でレンダリングして超解像化、それによって高解像度で出力し、性能向上を図る

 米AMDは17日(現地時間)、Radeon用ドライバ「Radeon Software Adrenalin Edition 22.3.1」の配布を開始した。このバージョンでは、ドライバでほとんどのゲームの低解像度レンダリング画像を超解像化してから実解像度で出力することで性能と画質の両立を図る「Radeon Super Resolution」(RSR)機能が利用できる。

 RSRは、いわばゲーム側で実装できる「FidelityFX Super Resolution」(FSR)をドライバで行なう汎用の超解像技術。ゲーム内ではモニターの解像度よりも低い解像度でレンダリングし、それをRadeonのドライバとGPUで超解像化、モニターの実解像度に合わせて出力することで、性能と画質の両立を図る。

 FSRはSDK形式となっており、ゲーム側がそれを実装すればIntelやGeForceといった競合製品でも享受できる機能になっているのに対し、RSRはRadeon向けドライバで実装しているため、当然Radeonでしか利用できないものの、数千にのぼるゲームで利用可能な点が異なる。

RSRの概要
RSRとFSRの違い

 AMDの測定によれば、4Kネイティブ解像度でレンダリングした場合と比較して、1080p解像度でレンダリングしてRSRを使って超解像化した場合、2倍から3倍程度の性能向上が見込めるとしている。

多くのゲームで2倍から3倍の性能向上を実現

 利用方法は簡単で、ドライバの設定でRSRを有効化した後、ゲーム内の表示オプションで解像度を実解像度以下にするだけでRSRが有効になる。ただし、GCN世代のGPUでは利用できず、RDNA/RDNA 2アーキテクチャ以降のGPU(Radeon RX 5000番台以降)でのみ使えるとしている。

RSRの利用方法

 その一方でFSRの方については「2.0」へと進化させることで、RSRより高いクオリティのグラフィックスが達成できるとした。こちらは最適化されたアンチエイリアス技術など駆使し、ネイティブ解像度と同等ないしはそれ以上の品質を達成できるとしている。マシンラーニング用ハードウェアを必要とせず動作し、競合のハードウェアでも実行できることから、より多くのゲームでの採用を促している。

 FSR 2.0は2022年第2四半期より各ゲームで実装されていく予定。さらなる詳細については、3月21日から25日に開かれるGame Developers Conference 2022(GDC 2022)で明らかにするとしている。

現時点でのFSRのサポートゲーム
FSR 2.0の進化。性能向上という特徴はそのままに、より高い品質を実現
FSR 2.0と1.0の比較。パフォーマンスモードでも1.0と比較してかなりの画質向上が見込める

 そのほかの新機能としては、「AMD Link」がクラウド経由で友人と協力プレイができるようになったほか、あらゆるビデオやWebアプリで画像を先鋭化する「Radeon Image Sharpening」機能を搭載。ゲーム起動時にRadeon Settingsで有効と無効になっている最適化機能を通知するポップアップや、ドライバアップデートの際のダウンロード速度向上などが図られている。

AMD Linkの改善
Radeon Image Sharpeningの機能
ダウンロード速度も向上