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Apple、M1 Maxのダイを2基連結したモンスターCPU「M1 Ultra」

Apple「M1 Ultra」

 米Appleは8日(現地時間)、既存のM1 Maxのダイを2基連結させたデスクトップ向けハイパワーSoC「M1 Ultra」を発表した。同日発表の小型ワークステーション「Mac Studio」に搭載される。

 2021年の発表当時には明かされていなかったが、MacBook Pro向けに開発されたM1 Maxには、2つのダイを連結させるための独自封止技術である「UltraFusion」が搭載されていた。

 単純にマザーボードに2基のCPUを乗せただけでは、レイテンシーや帯域制限、そして消費電力の増加などのトレードオフから、性能がリニアに向上しない。

 それに対してUltraFusionは、1万を超えるシリコンインターポーザでダイ同士を直接接続することで、従来の先進的なマルチチップインターコネクトの4倍以上である2.5TB/sのダイ間帯域を実現。また、ソフトからは1チップと認識されるので、ソフトの互換性を気にする必要がない。

2つのM1 MaxをUltraFusionで連結
M1 Ultraのチップ写真

 2基のM1 Maxを内蔵させることで、M1 Ultraは20基(高性能コア×16+高効率コア×4)のCPUコアと64基のGPUコア、32基のニューラルエンジンコアを実装し、帯域幅800GB/sで最大128GBの低遅延統合メモリを搭載可能。

 CPU性能は、16コアのCore i9-12900K搭載Windows PCと比べ、同じ消費電力で9割高く、ピーク時の性能を100W少ない電力で達成。

 GPU性能は、GeForce RTX 3090と同程度でありながら、消費電力は200W少ない。

 ProRes映像のトランスコード速度は、28コアのMac Proより最大5.6倍高速化されるという。

M1 Ultraは16コアのCore i9-12900Kのピーク性能を100W少ない消費電力で達成
同じ消費電力では9割高い性能を達成
GPUはGeForce RTX 3090と同程度を200W少ない消費電力で達成
M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultraのダイの比較