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理研、人間のように自然な表情を作れるアンドロイド

Nikolaによる6つの基本表情の表現

 理化学研究所(理研) 情報統合本部ガーディアンロボットプロジェクト心理プロセス研究チーム、同インタラクティブロボット研究チームらによる共同研究チームは、ヒトのように表情を作れるアンドロイド「Nikola」を開発した。ヒトの表情筋の動きを緻密に再現し、その妥当性を実証した初の例だとしている。

 Nikolaは、アンドロイドの頭部パーツで、解剖学と心理学の知見に基づいて開発したもの。研究チームではまず、17個の表情筋の動きを作り出し、心理学研究で用いられる顔面動作符号法と呼ばれる評価法によって、すべての表情筋がヒトと同様のパターンであることを照明した。

 続いて、怒り/嫌悪/恐怖/幸福/悲しみ/驚きの6つの基本感情をNikolaで表現し、人間がその感情が認識できるか確かめた。一般の30人を対象とした実験の結果、統計的に有意なレベルで、全ての感情が適切に認識されていることが分かった。

 最後に、6つの基本感情の表情を、0.3/0.5/1/2秒の4パターンで表出する動画を用意し、表情の自然さを30人が評価した。その結果、ヒトと同様に、表情の変化速度によって自然さの評価が変わり、表情の種類によってその速度も異なることが示された。

 今回の結果から、アンドロイドがヒトと同様の空間的/時間的パターンで感情を表現できることを実証できたとしており、感情コミュニケーションを調べる社会心理学的実験での利用のほか、介護現場などにおけるアンドロイドの活用にもつながるとしている。

Nikolaの17個の個別表情筋の動き
6つの基本表情と、30人の人間による認識結果
各表情変化の速度と自然さの評価