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ソニーの超ハイエンドスマホ「Xperia PRO-I」実機写真レビュー
2021年10月27日 06:50
ソニーは、1.0型イメージセンサー採用カメラを搭載したスマートフォン「Xperia PRO-I」を発表した。今回、いち早くXperia PRO-Iの実機に触れる機会を得たので、簡単に紹介する。
Xperia PRO-Iの詳細については、すでに記事を掲載しているので、本稿では実機写真や、その後の取材で判明した情報などを紹介する。
まず外観だが、フラッグシップモデルのXperia 1 IIIと比べると、かなり雰囲気が異なっていると感じる。平面的かつ直線的な筐体となっている点に大きな違いはないが、側面はXperia 1 IIIではほぼフラットとなっているのに対し、Xperia PRO-Iでは波形に溝が付けられたデザインを採用。これによって、重厚なイメージが伝わってくる。
この側面デザインについては、しっかりグリップできることや、この溝によって本体がそれほど厚く見えない効果もあるという。
Xperia PRO-Iのサイズは、72×166×8.9mm(幅×奥行き×高さ)となり、Xperia 1 IIIと比べると、幅と奥行きが1mm、高さが0.7mmそれぞれ大きくなっている。実際に双方を横に並べてみると、確かにXperia PRO-Iの方がやや大きい。とはいえ、その差は横に並べて初めて分かる程度で、通常はほとんど気にならないだろう。
重量は211gと、200gを超えている。こちらもXperia 1 IIIと持ち比べると、重くなっていることがしっかりと伝わってくる。ただ、筆者の感想では、こちらも数字ほど重く感じなかった。これは、重量バランスなどもあるのかもしれないが、見た目が重厚な印象のため、それほど重く感じなかったのかもしれない。このあたりは、実際に家電量販店などで展示機を手にするなどして確認してもらいたい。
Xperia PRO-I最大の特徴であるリアカメラは、Xperia 1 IIIとは異なり、背面上部の中央に搭載している。これは、1.0型イメージセンサーの採用によるものだ。
ところで、この1.0型イメージセンサーは、ソニーのデジタルカメラ「サイバーショット RX100 VII」のイメージセンサーと同等のものをXperia PRO-Iに最適化したとされている。ただ、RX100 VIIのイメージセンサーは総画素数2,100万画素なのに対し、Xperia PRO-Iの有効画素数は1,200万画素。
この点について聞いてみたところ、Xperia PRO-Iに搭載されている1.0型イメージセンサーは、総画素数は2,100万画素だが、そのうち1,200万画素分の領域をクロップして利用しているそうだ。具体的には、センサー全面積のうち約60%にあたる部分を利用していることになり、その領域だけを切り取ると1/1.3型の1,200万画素センサーとほぼ同等になるとのことだ。
なお、「1.0型イメージセンサー全領域のうち1,200万画素分の領域をクロップして利用している」というのは、アスペクト比4:3、1,200万画素の静止画を撮影する際にデータ出力用として利用される領域のこと。動画撮影時や電子手ブレ補正利用時などは、それよりもさらに広い領域を利用しているという。つまり、センサーとしては1,200万画素分の領域だけではなく、さらに広く使っていることになる。
ただ、1.0型イメージセンサーの全領域を利用してはいないことによる利点も多くあるという。例えば、センサーの全領域を利用しないためデータサイズが小さくなり、リアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキング、秒60回の演算でAF/AE追従の秒間20コマ連写といった非常に高速な処理を可能にしている。
また、もともとのAFエリアはセンサーの中央付近に限られるが、Xperia PRO-Iではセンサーの一部をクロップして利用するため、撮影エリアの90%をAFエリアとすることが可能になったそうだ。合わせて、超広角、広角、標準(望遠)と3眼のレンズ全てが1,200万画素で統一されている点でも使いやすいという。
1.0型イメージセンサーの全領域を利用すると、レンズが大きくなり、カメラユニットひいては本体が大型化してしまう。そのためXperia PRO-Iでは、画質や性能、スマートフォンとしてのサイズのバランスを考慮して、このような仕様にしたのだという。合わせて、そもそも同等のイメージセンサーとなる1/1.3型の1,200万画素センサーというものは存在せず、その意味でも1.0型イメージセンサーを利用する意味は非常に大きいとの説明だった。
最後に、わずかではあるが1.0型イメージセンサーを採用する24mm広角レンズで実際に撮影した写真を掲載する。今回は試用時間が短く、細かなところまでチェックできなかったので、今後試用機を借りられた段階で改めて詳細に評価したい。