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ダイヤ凌ぐ世界一硬い材料「AM-III」。中国で開発
2021年8月16日 11:07
中国・燕山大学のMetastable Material Science & Technology SKLは13日(現地時間)、世界で最も硬いとされるアモルファス材料「AM-III」を開発した。研究成果は8月5日に発行された「National Science Review」で発表した。
AM-IIIはフラーレンC60を高温/高圧環境で加工することで得られる混成軌道SP2-SP3の混合物で、SP3成分が94%に達する。回折分析したところ、その構造はダイヤモンドに似ており、これまでのアモルファス材料とは異なる構造をしていることがわかった。
密度は3.3g/立方cmでダイヤモンド相当だが、ビッカース硬さ(HV)は113GPaに達する。これはダイヤモンドのHV=103GPaを凌ぎ、ダイヤモンドを容易に傷つけることができる。また、これまで最も硬いとされたアモルファス構造のダイヤモンドライクカーボン(ta-C)よりも硬く、これまで発見された材料の中でもっとも硬いという。
加えて、AM-IIIは透明な半導体材料でもあり、シリコン薄膜に似た特性も持っているため、光起電性(太陽光発電など)にも応用できることが期待される。研究成果はすでに中国(ZL201910085279.0)および日本(JP2020-009244)で特許を取得済みだとしている。
炭素はグラファイト、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェンなど多くの同素体を持つ原子と知られており、これまで科学の発展に大きく寄与してきた。炭素を使った新しい材料の模索も続いている。