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NEC、PCIeカード型ベクトルエンジンを単体販売。2.45TFLOPSでメモリ帯域1.53TB/s
2020年11月20日 11:02
NECは、HPC向けのPCI Expressカード型の「ベクトルエンジン(VE)」の単体販売を開始した。最小構成価格は税別114万4,000円で、出荷開始は2021年1月。システムインテグレータやサーバーベンダーなどに対して出荷し、これらのパートナーを通して中堅/中小の製造業における研究開発用途など、ベクトル型スパコン市場を開拓する。
VEは同社のスーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」の中核となっているもので、今回単体で提供開始するものは、PCI Express規格サイズのカードに、世界トップクラスを謳う単一コア性能/単一コアメモリ帯域を持つコアを8個内蔵し、1枚で2.45TFLOPSの演算性能と、1.53TB/sのメモリ帯域を実現する。
NECは、C/C++/Fortranなどの汎用プログラミング言語で書かれたプログラムを、ベクトル演算用に自働化的に最適化する独自ライブラリを提供しており、システムインテグレータはこのコンパイラを利用することで容易にVEをの性能を引き出せるアプリケーションの開発が可能だとする。
同社が2020年11月時点で搭載/動作確認済みとなっている機種は、NEC Expres5800シリーズの「R120h-2M」、NEC LXシリーズの「124Ri-4G」、およびSupermicroの「SYS1029GQ-TRT」、「SYS-4029GP-TRT2」。
同社はこれまでVEを自社専用サーバーに搭載し、SX-Aurora TSUBASAとして大学や研究機関、自動車メーカーなどの大手製造業を中心に提供し、2018年2月の発売以来、100を超える団体や企業に採用されてきた。
その一方で、とくに製造業の研究開発分野において、マテリアルズ・インフォマティクスといったベクトル演算が得意とする科学技術演算や大規模データの高速処理が求められるシミュレーション業務がこのところ拡大し、幅広い企業でベクトル型スパコンの需要拡大が見込まれる。NECはこのようなニーズに応えるために、システムインテグレータが自社で扱っている汎用サーバーとVEの組み合わせを顧客に提供できるようにした。