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「Surface Pro X」が刷新。新プロセッサ「SQ2」搭載
~4K無線ディスプレイアダプタなど新周辺機器も
2020年10月1日 22:00
Microsoftは10月1日(現地時間)に「Surface Pro X」のリフレッシュ版を発表した。今回のリフレッシュでは、現行製品はそのまま据え置かれるが、最上位として新型SoC(System On a Chip)となる「Microsoft SQ2」を搭載した製品が追加された。また、新しいカラーバリエーションとしてプラチナカラーが追加される。
リフレッシュ版Surface Pro Xの予約は米国で本日より開始しており、10月13日(米国時間)より小売店などで販売する計画で、価格は999ドルから。日本法人の日本マイクロソフトによれば、日本での販売予定もある。
Snapdragon 8cxベースのSQ1をさらに強化したSQ2を最上位SKUに追加したSurface Pro X
新Surface Pro Xのラインナップは、昨年(2019年)の10月に発表された「Surface Pro X」の下位のモデルを据え置きつつ、最上位モデルとして「Microsoft SQ2」(以下SQ2)という新しいカスタムSoCを搭載した製品が追加される。
製品名 | Surface Pro X リフレッシュ版 |
---|---|
CPU | Microsoft SQ1/SQ2 |
GPU | Adreno 685(SQ1)/Adreno 690(SQ2) |
メモリ | 8/16GB(LPDDR4X) |
ストレージ | 128/256/512GB(M.2 Type 2230) |
ディスプレイ | 13型2880x1920(227ppi、3:2) |
タッチ/ペン | 10点マルチタッチ/ペン(4,096段階)-Surface Slim Pen |
カメラ(Windows Hello対応有無) | フロント:500万画素/1080p(顔認証対応)、リア:1000万画素/1080p、4K動画 |
USB Type-C(USB 3.1 Gen1 or Gen2) | 2(3.2 Gen2) |
マイク | デュアル(ファーフィールド対応) |
その他ポート | Surface Connect/Nano SIMカードスロット/キーボード端子 |
Wi-Fi | IEEE802.11ac |
Bluetooth | Bluetooth 5 |
WAN | 対応(Snapdragon X24 LTE modem) |
対応LTEバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/19/20/25/26/28/29/30/38/39/40/41/46/66 |
キーボード | 別売フルサイズバックライトキーボード |
ポインティングデバイス | Precision TouchPad |
ACアダプタ | 65W(Surface Connect)60W(PC)+5W(A端子) |
バッテリ | 公称15時間 |
本体色 | マットブラック/プラチナ |
サイズ(横x縦x高さ) | 287×208×7.3mm |
重量 | 774g(本体のみ) |
OS | Windows 10 Home |
【お詫びと訂正】初出時に、本体重量の単位が誤っておりました。お詫びして訂正させていただきます
従来のSurface Pro Xでは「Microsoft SQ1」(SQ1)を搭載していた。SQ1は、QualcommのWindows on Arm(WoA)向けのSoCとなる「Snapdragon 8cx」がベースになっており、CPUであるKryo 495、GPUであるAdreno 680をもとに、動作クロックなどを引き上げることで性能を向上させたSoCとなっていた(CPUにはブランド名はついていないが、GPUはAdreno 685と呼ばれる)。
今回発表されたSQ2はその上位版と考えられるが、Microsoftの資料には「より高いマルチタスク性能をもたらす」と書かれているだけで、具体的に何がどう変わったのかは不明。
SQ1のもととなったSnapdragon 8cx自体も、9月に「Snapdragon 8cx Gen 2 5G Compute Platform」という第2世代の製品が追加されているが、こちらもQualcommが公開している資料にはどこがどう変わったのか明らかにされていないが、基本的には8cxに単体の5Gをセットにした製品と考えられる。よって、4G LTE対応のままとなるSQ2が、それがベースになっているとは考えにくい。
このためSQ2は、SQ1自体がそうだったように、CPU/GPUなどの動作クロックをさらに引き上げた製品である可能性は高いと言える。Snapdragon 8cxのシリコンは製造が開始されてずいぶん経つので、歩留まりの改善があることは十分想定できる。そうしたメリットを活かし、より高いクロック周波数などで動くようになり性能が高くなったのがSQ2という可能性はある。
なお、GPUは今回のSQ2ではAdreno 690というブランドに変更されているので、GPUに関しても同様である可能性が高い。
それ以外のスペックは、昨年10月に発表されたSurface Pro Xと同様で、8GB/16GBのメモリ、128/256/512GBのSSD(M.2 Type.2230)、13型2,880×1,920ドットのディスプレイなどのスペックはまったく同様だが、従来は13時間だった公称のバッテリ駆動時間は、最適化などが進んだためか15時間に変更されている(SQ1/SQ2両モデル)。
また、従来のSurface Pro Xではマットブラック1色展開だったが、今回は新しいカラーバリエーションとしてプラチナが追加される。プラチナはSurface Go 2などのほかのSurface製品ではお馴染みのシルバーベースのカラーとなる。また、タイプカバーキーボードに関しても従来はブラックのみの提供だったが、今回からアイスブルー、ポピーレッド(黄赤色)、プラチナの3色が追加される。
なお、Microsoftは米国時間9月30日にArm版のWindows 10で、x64アプリのエミュレーションのサポートを、11月のInsider Programなどから順次追加していくと発表している。これによりAdobeのPremiere Pro、Lightroom Classicなどのx64アプリケーションが動くようになる。性能面は別にして、WoAで動かないアプリケーションはIMEやサードパーティのアンチウイルスなどだけになってくるので、よりWoAが現実的な選択肢になってくる。
幅狭で小型のワイヤレスキーボードや、4K対応「Microsoft 4K Display Adapter」などが同事に発表
今回のSurface製品の発表に合わせて、Surface向けおよびMicrosoftブランドの周辺機器も新しく発表された。
発表されたのはBluetoothのコンパクトキーボードとなる「Microsoft Designer Compact Keyboard」、4Kディスプレイにワイヤレス接続して画面出力を可能にする「Microsoft 4K Display Adapter」や各種マウスなど。
「Microsoft Designer Compact Keyboard」は幅狭で小型のキーボードで持ち運びに適した製品となる。PCとはBluetoothで接続し、3つのデバイスと切り替えて利用することができ、通常の使い方で2年間使用できるだけのバッテリ駆動時間が実現されている。ブラックとホワイトという2色展開で、米国での想定価格は69.99ドル。
「Microsoft Number Pad」はMicrosoft Designer Compact Keyboardと共通のデザインを採用したテンキーパッド。BluetoothでPC本体と接続でき、SurfaceシリーズやモダンPCと組み合わせて利用することが想定されている。ブラックとホワイトの2色展開で米国での想定価格は24.99ドル。
「Microsoft 4K Display Adapter」は、WindowsデバイスからMiracastを利用して4Kで接続するさいに利用できるワイヤレスアダプタ。従来販売されていた製品の4K対応版となり、HDMIポートと給電用のUSB Standard A(いわゆるType-A)端子を備えている。米国での想定価格は69.99ドル。
「Microsoft Bluetooth Ergonomic Mouse」はエルゴノミックデザインを採用したBluetoothワイヤレスマウス。ソフトウェアで定義が可能な2つのハードウェアボタンなどを備えている。米国での想定価格は49.99ドルから。
Microsoft Modern Mobile Mouseはすでに日本でも販売されているBluetooth接続のスリムデザインのマウスだが、今回新しくサンズストーンカラーが追加される。これによりSurface Laptop Goの色がより合わせやすくなる。価格はすでに販売されている製品と同様。
Microsoftによれば、これらの周辺機器は年末商戦に向けて順次発売されていく計画だ。