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SnapdragonのDNAを引き継いだ「SQ1」を搭載した「Surface Pro X」
2019年10月3日 13:34
Microsoftは、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市の会場において記者会見を行ない、同社のSurfaceシリーズの最新製品を発表した。そのなかでMicrosoftは、同社としては初めてのPC向けプロセッサとなる「Microsoft SQ1」を搭載したWoA(Windows on Arm)デバイス「Surface Pro X」(サーフェスプロエックス)を発表した。
Surface Pro Xは、これまでQualcommのSnapdragonシリーズを搭載したWoAデバイスとは異なり、メモリ、SSDがそれぞれ最大16GB、512GBとなっており、従来はミッドレンジ向けとされてきたSnapdragon 850などを搭載する製品とは一線を画すハイエンド仕様となっている。
Microsoftによれば、バッテリで13時間の駆動が可能になっているほか、LTEモデム(Snapdragon X24 LTE modem)を搭載しており、幅広いLTEバンドに対応するなどグローバルにビジネスに使える仕様になっている。
MicrosoftとQualcommが共同で開発したMicrosoft SQ1を搭載しているSurface Pro X
Surface Pro Xは、MicrosoftがPC向け製品向けとしては初めて投入するSQ1というSoCが採用されている。SQ1はQualcommとMicrosoftが共同開発された製品とされているが、GPUはAdreno 685になっており、Snapdragon 8cxをベースにしているものだと考えられる。
Snapdragon 8cxに搭載されているGPUはAdreno 680となっているので、SQ1に搭載されているAdreno 685はその強化版と考えられる。
一方、CPUに関してはどのArm IPが採用されているかは明らかにされていないが、実機で確認したところ8コアとなっていた。Microsoftによれば、GPUの性能は2TFLOPSの性能だという。
SoCだけでなく、メモリやストレージも従来のWoAデバイスに比べて強化されている。たとえば、日本で販売されているLenovoのWoAデバイス(Yoga C630、Snapdragon 850搭載)は、メモリ4GB、ストレージも128GBとなっており、ハイエンドユーザーのニーズを満たす仕様になっていないが、このSurface Pro Xはメモリは8GBないしは16GB、ストレージは128GB/256GB/512GBとなっている。
ストレージはNano SIMカードと同じく、ユーザーがアクセスできる場所にあり、とりはずし可能になっている(ただし、実際は取り外すと補償外となる、あくまでエンタープライズなどの企業ユーザーが管理するときなどに活用する)。
Surface Proシリーズとしては初めての狭額縁ディスプレイを採用
ディスプレイは13型2,880x1,920ドットの解像度で、最大の特徴は狭額縁ディスプレイ。このため、狭額縁ではないSurface Proシリーズに比べてディスプレイは大きいのに、本体のサイズは横方向でSurface Pro 7よりも小さくなっている。
キーボードは、従来のSurface Proシリーズと同じく別売りでワンタッチで取り外しが可能な、いわゆるタイプカバーキーボードになっている。ただし、従来のSurface Proシリーズ(具体的にはSurface Pro 3以降)とは端子の形状が異なっており互換性がない。
また、タイプカバーキーボードと本体の間にペンを収納できるようになったため、ペンが鞄の中で行方不明になることを防ぐげる。ペンに関しては従来のMPPペンに比較して、レイテンシなどが改善されており、書き味が向上している。
I/Oに関しては、USB 3.1 Gen1に対応したUSB Type-C(USB PD対応)とSurface Connect端子が用意されている。充電はSurface Connect端子からでも、USB Type-Cからでも充電出来るが、Surface Connect端子経由で充電した場合には80%を1時間で充電出来る。
無線関連はWi-Fi(Wi-Fi 5)、Bluetooth 5.0のほか、LTEに対応している。SoCにSnapdragon X24 LTE modemが内蔵されており、1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/19/20/25/26/28/29/30/38/39/40/41/46/66という非常に幅広いバンドのLTEに対応している。
バッテリ駆動時間は公称13時間となる。実機で確認したところ、バッテリの容量はデザイン容量は38Wh、実際には40Wh近くあることが確認できた。Surface Pro 7では43Whのデザイン容量となっているのに公称10時間であるのに比べると、省電力性が高いといえる。
Microsoftによれば、Surface Pro Xは、米国では11月5日から販売開始予定で、すでに予約が開始されており、価格は999ドル~となる。なお、Microsoftの日本法人となる日本マイクロソフト株式会社によれば、日本での販売も予定されているが、現時点では価格や発売時期は未定とのことだ。
製品名 | Surface Pro X |
---|---|
CPU | Microsoft SQ1 |
GPU | Adreno 685 |
メモリ | 8/16GB(LPDDR4X) |
ストレージ | 128/256/512GB |
ディスプレイ | 13型2,880×1,920ドット(227ppi、3:2) |
タッチ/ペン | 10点マルチタッチ/ペン(4,096段階) |
カメラ(Windows Hello対応有無) | FHD(顔認証対応) |
USB Type-C(USB 3.1 Gen1 or Gen2) | 2(3.1 Gen1) |
Wi-Fi | IEEE 802.11ac |
Bluetooth | Bluetooth 5 |
WAN | 対応(Snapdragon X24 LTE modem) |
対応LTEバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/19/20/25/26/28/29/30/38/39/40/41/46/66 |
キーボード | フルサイズバックライトキーボード(1.3mmストローク) |
ポインティングデバイス | Precision TouchPad |
ACアダプタ | 65W(Surface Connect) |
バッテリ | 公称13時間(38Wh) |
カラー | マットブラック |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 287×208×7.3mm |
重量 | 774g |
OS | Windows 10 Home/Pro |