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ファーウェイ、Kirin 990搭載/5G対応の「Mate 30 Pro 5G」を国内投入

~独自のアプリストア「AppGallery」移行へ

Mate 30 Pro 5G

 華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)は、独自プロセッサのKirin 990を搭載した5G対応スマートフォン「Mate 30 Pro 5G」を4月中旬より発売する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は128,800円前後の見込み。

 すでに中国などでは発売済みの製品だが、日本投入は初。米国企業のファーウェイへの輸出規制の問題により、Google Mobile Serviceを搭載できないが、代わりに独自のHuawei Mobile Service(HMS)を搭載。独自の「AppGallery」でアプリの配信やプラットフォーム展開を行なう。HMS製品の日本展開は初。

 HMSでは、アプリの開発者がGMSベースのコアをHMSに置き換え、AppGalleryで配信を行なう必要が生じるが、同社ではすでに170カ国で同サービスを展開しており、グローバルではすでに130万人の登録開発者がいるとした。

 また、AppGalleryではプライバシーにも重視しており、生体/決済/暗号化キー/ロック画面パスワードなどを、CC EAL 5+という業界最高セキュリティレベルのマイクロカーネル認証のうえで保護されているほか、グローバルなセキュリティ&プライバシーとコンプライアンスに準じた展開を行なっているとした。

コア部分を置き換えることでHMSに対応可能
HMSの構成
業界最高セキュリティレベルを謳うマイクロカーネルによる機密データの保護
HMSのパートナー

 製品のデザイン面では、88度のウルトラカーブディスプレイを採用することにより、左右0mmという「真のボーダレスデザイン」を実現。側面の物理音量ボタンを廃し、左右両方でコントロールできる「バーチャル音量ボタン」を搭載。シャッターボタンも自由な位置に配置できる。また、「Acoustic Display Technology」を搭載し、スピーカーレス仕様となった。

 性能面では、世界初となる7nmプロセスで製造される5G対応SoC「Kirin 990」を搭載。同プロセッサでは16コアのMali-G76 GPUを内包するほか、NSA&SAの5Gへの対応も果たした。このほか、Big-Tiny Core構造のNPU、BM3D DSLRレベルの画像ノイズ低減およびデュアルドメインビデオノイズ低減ISPなどを内包している。

 内部に合計21本ものアンテナを内蔵し、日本と中国の5Gネットワークに対応。ハードウェアとしてはグローバル対応しており、n1/n3/n28/n38/n41/n77/n78/n79をサポート。競合となる「Galaxy Note 10+ 5G」と比較して、速度が50%高速。さらに、デュアルSIM 5Gもサポートする(SIMスロットのうち1基はNM Card兼用)。

 従来のKirin 980と比較し、CPU性能は23%、GPU性能は39%、NPU性能は460%向上し、電力効率もそれぞれ23%、32%、290%向上した。また、OSを最適化し、GPU Turboのグラフィックス処理効率を60%向上させ、EROFSファイルシステムによりランダムリード速度を20%向上。Deterministic Latency Engineにより、応答遅延を25%低下させたという。

 カメラは4,000万画素のシネマカメラ(RGGB CFA、アスペクト比3:2、1/1.54型)と4,000万画素のSuperSensingカメラ(RYYB CFA、アスペクト比4:3、1/1.7型)の「デュアルメインカメラシステム」を採用し、超広角カメラでも夜景の撮影や、ディテールに富んだズーム撮影が可能になった。シネマカメラは4K/60fpsの撮影、ISO 51200の高感度、7,680fpsのウルトラスローモーション、4K HDR+のタイムラプス、リアルタイムボケ撮影、デュアルOIS+AISによる手ブレ補正に対応する。

 一方、前面カメラも3,200万画素のRGBカメラに加え、3D被写界深度カメラを備え、背景のボケを活かした高品質なセルフィー撮影を実現した。

真のボーダレスデザインを謳うディスプレイ
物理サイドボタンを廃したデザイン
Kirin 990の搭載による性能向上
日本と中国の5Gバンド帯に特化
デュアルメインカメラシステム
シネマカメラで可能になる撮影

 OSは独自の「EMUI 10」を採用。ロック画面で時計の常時表示機能や、暗所での読みやすさを向上させるダークモード、レスポンスを高めた「Fluid Motion」、画面から手が離れてもスワイプでスクロール、つかんで画面キャプチャを行なう「スマートジェスチャーコントロール」に対応。また、目の方向をつねにセンサーで感知して回転を行なう「AI自動回転」などを搭載する。

画面から手を離してもジェスチャーコントロール可能
本体色はオレンジ

 バッテリは4,500mAhで、ヘビーユースでも9.2時間の駆動を実現。充電は有線で40W、無接点で27W。無接点は逆給電も可能で、給電速度はMate 20 Proの3倍となった。また、冷却システムも競合より優れるとしている。

 ディスプレイは2,400×1,176ドット表示対応の6.53型フレックスOLEDで、18.4:9のアスペクト比を持ち、DCI-P3/HDR対応を謳う。IP68防水に対応し、NFCを搭載。本体サイズは73.1×158.1×9.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は198g。

 Mate 30 Pro 5Gユーザーは、スペシャルサービスとして保証が2年間となるほか、6カ月間の画面破損サポート、および初年度2回の無料フィルム添付サービス、初期設定無料サービスが付属。また、独自のクラウドサービスでは3カ月間に50GBの空間を無料で提供し(通常は5GB無料)、AppGalleryなどで使える500 HUAWEIポイントを付与する。

 なお、公式サイトでは本日から25日まで、東京銀座および大阪梅田のファーウェイカスタマーサービスセンターでの受け取りが可能なユーザーに対し、100名限定の先行販売を行なう。受け取りは東京銀座が3月28日~30日、大阪梅田が4月4日~6日。先行販売特典として、本体が1万円割引となるほか、「FreeBuds 3」と「SuperCharge Wireless Charger(最大27W)」をプレゼントする。