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2019年の国内PC出荷台数は全体で45.7%増と好調
~Windows 7サポート終了や消費税増税により需要が増大
2020年3月5日 15:08
IDC Japan株式会社は4日、2019年第4四半期(10~12月)および2019年通年の国内トラディショナルPC市場出荷実績値を発表した。
2019年第4四半期の出荷台数は、法人市場が前年同期比52%増の322万台、コンシューマ市場が同19.6%増の130万台、市場全体で同41%増の452万台となった。
2019年通年では、法人市場が前年比59.7%増の1,259万台、コンシューマ市場が同18.1%増の475万台、市場全体で同45.7%増の1,735万台となった。
法人市場では、2020年1月のWindows 7延長サポート終了に向けて、Windows 10搭載PCへの移行が進み、通年で見ると記録的な成長となった。Intel製CPUの供給不足問題により、国内PCメーカーを中心に出荷台数が減少した一方で、国外PCメーカーでは影響が少なく、急速なシェア拡大につながったとしている。
コンシューマ市場においても、2019年中頃からWindows 7延長サポート終了による需要拡大がみられ、10月1日の消費税増税もあいまって、通年では近年まれに見る大幅成長を記録した。
2019年第4四半期における出荷台数上位5社とシェアは、首位がレノボ/NEC/富士通グループで41.4%、2位が日本HPで18.4%、3位がデル16.5%、4位がシャープ(Dynabook)で7.6%、5位がAppleで4.1%。
レノボ/NEC/富士通グループは、グループ全体で前年同期比33.4%増を記録。法人市場では同36.2%増と市場平均を下回ったが、コンシューマ市場では同27%増と好調だった。ブランド別では、NECが比較的好調だったものの、富士通とレノボは市場の平均成長率をかなり下回った。とくに富士通ではIntel製CPUの調達の問題が解消できず、年内の出荷台数が大幅に減ったものとみられる。
日本HPは、法人市場で前年同期比77.7%増、コンシューマ市場で同86.9%増と非常に好調。全体市場では同78.7%増で、上位5社のなかでもっとも成長率が高かった。
デルは、全体市場で前年同期比55.3%増と市場の平均成長率を上回った。とくに法人市場が好調で、同72.7%増を記録した。
シャープ(Dynabook)は、法人およびコンシューマ市場ともに堅調で、それぞれ前年同期比64.2%増、同46.6%増を記録。法人市場では大企業やパブリックセクターでの強みを活かしたかたちとなった。
Appleは、コンシューマ市場における存在感によって5位につけたものの、全体市場では前年同期比7.9%減となっており、Windows陣営が買い替え需要で盛り上がる一方で、出荷台数が伸び悩んだ。
2019年通年で見ても上位5社の順位は変わらず、シェアは首位から順に40.3%、18.2%、15.5%、8.4%、4.7%となっている。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏によれば、米国が前年比3.4%増、西ヨーロッパが同4.2%増を記録するなか、国内市場は異常とも言える好調となっており、2020年は確実に下降フェーズに突入することが予測されるため、GIGAスクール構想による文教向けの需要はあるものの、慎重な戦略が求められるとしている。