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GF、組み込み向けフラッシュメモリを置き換えるSTT-MRAMの生産を開始

22FDX MRAMと28nm eFLASHの比較

 GLOBALFOUNDRIESは29日(現地時間)、22nm FD-SOI (22FDX)の組み込みMRAM不揮発性メモリを発表、すでに複数のIoTクライアントのパイロット生産に入っていると公表した。

 Everspin Technologiesとのパートナーシップで開発されたSTT-MRAM(スピン注入型磁気抵抗メモリ)で、IoTや汎用マイクロコントローラ、自動車、エッジAIなど、低電力動作と高速かつ堅牢な不揮発性データストレージが必要とされるアプリケーション向けとしている。

 組み込みむけフラッシュメモリ(eFLASH)の代替として設計されており、長期間のデータ保持と耐久性を謳っており、PCBアセンブリ中に260℃ではんだのリフローを行なうといった、高温環境でデータを保持する必要があるマイクロコントローラやワイヤレス接続IoTへの実用性をアピールしている。

 読み取り速度はeFLASHと同等、消去および(再)書き込み速度はについてはeFLASH(10マイクロ秒)より大幅に高速(200ナノ秒)で、多くのアプリケーションでより優れた電力消費を提供するとしている。

 eMRAMを2つのバリエーションで提供する予定で、2​​2FDXで製造されるコード/データストレージ用の「eMRAM-F」と、将来的に1xノードでSRAMを置き換える作業用メモリの「eMRAM-S」で展開する。

 すでに2018年末に14LPP-FFプロセスによる製造で記録密度を向上させるプランについても発表している(Samsung/GF/Intel/東北大学が明らかにしたMRAMの最新技術)。

 同社は複数の顧客向けに、22FDXベースのeMRAM-F設計でマルチプロジェクトウェハ(MPW)を実行しており、今後3四半期中に複数の生産テープアウトを予定する。22FDX eMRAMのデザインキットは、マクロごとに4Mbから32Mbの密度で提供され、48Mbマクロも第4四半期でのリリースが予定されている。

プロセスノードとメモリ技術

 同社では、28nmノードが費用対効果の高い最後のノードとなる見込みのeFLASHにおいて、代替となるeNVM技術のなかで、競合するRRAMやPCMと比較して高い性能と汎用性を提供できるとアピールしている。