DRAM価格、米中貿易障壁で下落拡大の予測

DRAM平均価格の推移予測 出典:DRAMeXchange

　台湾の市場調査会社TrendForce傘下のDRAMeXchangeは、2019年第3四半期のDRAM価格予測について、当初の10%減から、10～15%減へと下落幅の修正を発表した。

　これは米中間の貿易問題に起因したもので、米国の禁止令による波紋が拡大し続けていることから、Huaweiのスマートフォンやサーバー製品の出荷は、今後2～3四半期に渡って大きな障害に直面することが懸念されるとして、市場のピークシーズンに影響を与え、2019年下半期のDRAM製品価格が当初予測よりもさらに下落する見込みとしている。

　TrendForceの当初予測は、貿易競争が巨大企業3社のみで構成されていること、およびDRAMの製造プロセスが物理的限界に近づいていることを前提として、DRAM価格がサプライヤーのフルロードコストを下回る可能性が非常に低いとの予測のもと算出されていたが、不確実性が高まるなか、データセンター市場が設備投資の削減を余儀なくされていることから、当初見込まれていた2019年後半の需要が、急速に凍結してしまう可能性があるという。

　このため、DRAMサプライヤーは2019年末までに、帳簿上で抱えている在庫を不良在庫として認め、財務諸表を修正し損失報告を行なう必要性も浮上してきたと指摘している。

　TrendForceの予測では、DRAM価格は価格の底打ちや供給ビットの伸びの停滞といった要因により、2020年には回復する見込みだが、2019年内は、長期的な価格の下方修正の圧力を受けることが懸念されるとしている。