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Nubia、前面に液晶、背面にOLEDを搭載した2画面スマホ
2018年10月31日 19:40
中国Nubiaは10月31日(現地時間)、前面に液晶、背面に低電力OLEDを搭載したデュアルディスプレイスマートフォン「nubia X」を発表した。中国での価格は、メモリ6GB+ストレージ64GBモデルが3,299人民元(約54,000円)、8GB+128GBモデルが3,699人民元(約6万円)、8GB+256GBモデルが4,199人民元(約69,000円)。筐体が藍色のモデルは差額+100人民元(約1,700円)。
Nubiaはブランド設立から6年を迎える。この間、初のワールドワイドバンド対応スマートフォン「Z5」、初の側面フレームレススマートフォン「Z9」、初のディスプレイ占有率90%を超える「Z17S」など、数々の業界をリードする製品を投入してきた。
そして2018年、スマートフォンは全画面化(画面占有率の拡大)というトレンドが進んでいるが、このなかで製品としての美しさ、バッテリ駆動時間、セルフィーの画質、信号強度、そして耐久性といった課題が上がってきているとする。Nubiaの倪飛CEOは「Xはデュアルディスプレイによってこれらすべての課題を解決できる」とした。
前面の液晶は、世界で初めてCOBパッケージング技術を採用した2,280×1,080ドット表示対応19:9の6.26型で、画面占有率93.6%を達成。一方背面のOLEDは中国BOE製のフレキシブル5.1型で、こちらは解像度が1,520×720ドット、19:9のアスペクト比に加えて、NTSC色域比100%、コントラスト比10万:1を実現したものとなっている。
倪氏は「Xはデュアルディスプレイの搭載により、画面占有率は100%を超えた。これで、100%未満の小数点以下の画面占有率の議論に終止符が打たれた」とジョークを飛ばした。
課題となっている美しさについては、背面のOLEDディスプレイの搭載によってスマートフォンの一体感が失われないよう、中国のガラス企業Lens Technologyと協業。ガラスの材質から製造技術、塗装技術、貼付け技術など、7万枚以上におよぶサンプルを試験し、ディスプレイオフ時に目立たない反射率と、ディスプレイに必要な透過性を両立させたとしている。
また、背面のOLDは超低消費電力駆動によりAlways On Display(AOD)を実現。動的なものを含む好きな壁紙を設定したり、時計を表示させておけるようにしている。背面ディスプレイを使わないときでもタッチパネルとして使え、ゲーム内で背面側の指でも操作でき、PUBG MOBILEといったゲームに有効としている。
背面ディスプレイで使っているときでも手にしたときの違和感がないよう、表面には2.5Dガラス、背面には4曲面の3Dガラスを採用。メインディスプレイとフレーム間のはめ込み部の段差を0.08mmに抑えた。加えて、重量は181g、厚さは8.4mmと、全画面スマホとしては業界最軽量/最薄レベルに収めている。
本体の幅は73.3mmに抑え、左右のフレームは1.2mmとしている。初代のZ5発表会時に公開した、本体の幅は60~75mmのあいだが、手にしたときにもっともしっくりくるというユーザーの調査データを、今回の発表会でも示し、最新のXでもそのスイートスポットに収まっていることをアピールした。
耐久性については、「背面にガラスを採用したハイエンドスマートフォンが多い今、本製品も同じガラスを採用している関係上、劣るわけではない」と説明。これに加えて独自の「aRC技術」を採用することで、高さ120cmからのさまざまな落下テスト試験に合格したとしている。ちなみに背面ディスプレイは先述のとおりフレキシブルなOLEDであるため、耐衝撃性は高い。
本機のもう1つの特徴は、世界で初めて両サイドに指紋センサーを搭載した点。これにより表面利用時でも裏面利用時でもスムーズにロック解除できる。指紋センサーも世界最細で、99.98%の識別率と0.1秒の高速ロック解除を実現する。
指紋センサーは製品の中央に両側に設けられているが、ホームボタンや戻るボタンといった操作を割り当てできる。スマホのディスプレイは縦長化の一途をたどっており、Xも例外ではないのだが、このとき問題になるのが本体下部で行なわれるジェスチャの片手操作で、重量バランスが崩れ落とす原因となる。これをサイド指紋センサーで解決できるとした。
また、いまユーザーが前面を使いたいのか、背面を使いたいのかは、人工知能エンジンを利用した「ET Switch」によって自動で判断するとしているが、手動で切り替える場合は、両サイドの指紋センサーを抑えながら本体をひっくり返すことで行なえる。ちなみに前面と背面のディスプレイはサイズこそ違えどアスペクト比は共通のため、違和感なく操作できるとしている。
バッテリは全画面スマホのなかでもvivo NEXに次ぐ3,800mAhを搭載。背面ディスプレイは前面より省電力なため、バッテリが残量が5%の状態でも3時間の通常利用が可能としている。
ディスプレイはTUV認証のブルーライト低減機能を搭載。ほかのメーカーのブルーライト低減とは異なり、3段階レベルを搭載。また、本体色は4種類あり、このうち2種類は黒をベースとした筐体、2種類は藍色をベースとした筐体となっているが、藍色モデルの背面ディスプレイはブルーライトフィルタを内蔵したものとなっており、ハードウェアレベルのアイケアを実現するとしている。
本機は背面ディスプレイを使えば背面カメラが前面カメラとなるため、これも「世界最強レベル」のカメラとなる。センサーとレンズは1,600万画素/F1.8+2,400万画素/F1.7のデュアルで、AFをサポート。また、業界最大のソフトフラッシュを搭載し、暗所でのセルフィー撮影にも好適としている。
独自のAI「ETエンジン」を駆使したフィルタ機能も充実し、今回新たに男性に特化した美顔モードを追加。肌のディテールをあえて残しつつ、モノクロで懐古的な雰囲気の写真が撮影できる「FRENCH B&W」、肌色を最適化する「CHARMING」、韓国風の「KOREAN」、雑誌の表紙のような「MAGAZINE」などを搭載した。
また、従来は撮影者、カメラ、被写体が一直線上に並ぶ必要があったため、ローアングルの撮影は無理な姿勢を強いられたが、Xでは背面ディスプレイでプレビューできるため、より自然な姿勢で撮影できるとした。このほか、9月に発表した「Nubia Z18」と同様のアートフィルタを備える。
SoCはSnapdragon 845で、OSはAndroid 8.1をベースとしたnubia UI 6.0.2。インターフェイスはIEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0、USB Type-C。センサーは近接、環境光、ジャイロ、加速度など。
SIMはデュアルNano SIM。対応バンド帯はFDD-LTEが1/3/4/5/7/8/20、TD-LTEが34/38/39/40/41、TD-SCDMAが34/39、WCDMAが850/900/1,900/2,100MHz、CDMA1x/EvDOが800MHz、GSMが850/900/1,800/1,900MHz。
本体サイズは73.3×154.1×8.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量は181g。本体色は深空灰、黒金版、藍金版、海光藍の4種類。