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Linux版SteamにVulkan対応のWine実装でWindowsゲームもプレイ可能に

 Valveは21日、Linux版Steamの機能拡張を発表した。最大の変更点は、グラフィックAPI Vulkanに対応したWine派生の互換レイヤー「Proton」が組み込まれたことであり、性能や互換性の向上により一貫したゲーム体験が期待される。

 この互換レイヤー「Proton」だが、Vulkan対応やマルチスレッド対応などが図られており、通常のWineよりも高速であったり、Direct X11や同12との互換性が高まっているとのこと。ちなみに、ProtonはGitHub上にオープンソースプロジェクトとして公開されている

 これまでもValveは、1つのプラットフォームで購入すれば、同タイトルをWindows/Mac/Linux問わずプレイできる「Steam Play」を提供していた。

 今回のアップデートにより、Linux版ベータSteamクライアントで、Linux版が提供されていないタイトルもインストールしてプレイできる。一言でいえば、限られたタイトルがWindows版に限りなく近い状態でプレイ可能になったということだ。

 また、SteamworksやOpenVRはネイティブ機能としてサポートされるほか、フルスクリーン化対応やコントローラーの自動認識など、細かな部分にも対応。完全にシームレスな体験を提供すること目標とするだけに、相当な念のいれようだ。

 一方で、同機能はまだ"initial Beta"として試行錯誤をしている段階であり、公式にサポートされるタイトルは限られている。非公式にProtonを使って実行することもできるが、満足に動作する保証はもちろんない。

 さらに、複雑なDRMやアンチチート機能が実装されているゲームについては、今後も対応できない可能性がある。

 同社は、互換レイヤーを通すことで生じるパフォーマンスの差異について、「理論的にはグラフィックAPIの変換以外の要因が存在せず、Vulkan対応タイトルであればWindows/Linux問わず同様に実行できるはずである」としているだけに今後の発展が期待される。

以下はSteamPlayの新機能でサポートされるゲームのリスト


    Beat Saber
    Bejeweled 2 Deluxe
    Doki Doki Literature Club!
    DOOM
    DOOM II: Hell on Earth
    DOOM VFR
    Fallout Shelter
    FATE
    FINAL FANTASY VI
    Geometry Dash
    Google Earth VR
    Into The Breach
    Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2012
    Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013
    Mount & Blade
    Mount & Blade: With Fire & Sword
    NieR: Automata
    PAYDAY: The Heist
    QUAKE
    S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl
    Star Wars: Battlefront 2
    Tekken 7
    The Last Remnant
    Tropico 4
    Ultimate Doom
    Warhammer® 40,000: Dawn of War® - Dark Crusade
    Warhammer® 40,000: Dawn of War® - Soulstorm