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Meizu、世界最薄最軽量のSnapdragon 845搭載スマホ「16th」

~猫の手も認証できる指紋センサー。IMX380+OISで“無敵”のカメラ

16th

 中国Meizuは8日(現地時間)、2018年のフラグシップスマートフォン「16th」、「16th Plus」を発表した。中国国内では本日より予約開始し、8月20日に販売開始する。

 価格は、6型ディスプレイ搭載の16thは、メモリ6GB+ストレージ64GBモデルが2,698人民元、6GB+128GBモデルが2,998人民元(約49,000円)、8GB+128GBモデルが3,298人民元(約54,000円)。6.5型ディスプレイ搭載の16th Plusは、6GB+128GBモデルが3,198人民元(約52,000円)、8GB+128GBモデルが3,498人民元(約57,000円)、8GB+256GBモデルが3,998人民元(約65,000円)となっている。

 中国・北京で行なわれた製品発表会では、同社の李楠CMO兼バイスプレジデントが製品説明にあたった。

 冒頭で、Snapdragon 845や、6型/6.5型SuperAMOLEDディスプレイの搭載などについて紹介されたが、李氏はコモディティ化しているこれらの仕様よりも、製品デザインやユーザー体験に関わる部分について詳しく解説した。

 高い画面占有率が現在のスマートフォンのトレンドであるが、画面占有率を高めるために多くのメーカーがノッチディスプレイを採用。また、背面カメラのデザインも似たり寄ったりで、iPhone Xのデザインを踏襲している。李氏は建築家の隈研吾氏の「良い設計とは介入ではなく、邪魔にならないこと」という言葉を借り、Meizuはノッチディスプレイを採用しない案でありながら画面占有率を引き上げていることをアピールした。

デザインが共通化していくスマートフォン

 Meizuは一部ローエンドを除き、前面に指紋センサーを搭載しているが、この路線を踏襲しながら画面占有率を引き上げるために、画面裏に指紋センサーを配置するデザインを採用。指紋センサーを数十度傾けることで認識精度を高め、認識速度0.25秒、認識成功率99.12%を実現し、業界最高を実現。発表会では「猫の手の指紋でも認識できる」ことがアピールされた。

 画面占有率を高めると落下耐性が下がるが、Meizuはフレームとディスプレイの接着に弾力のある接着剤を採用し、1mからの落下で壊れる確率を10%に抑えた。また、李氏は600万ドルをかけ、特注のAMOLEDディスプレイを開発し、上下のフレームを対称の7mmとしながらも、3.5mmミニジャックを残した。左右のフレームは1.43mm。

 これによってノッチディスプレイではない設計でありながらも、画面占有率を91.18%まで高めた。ノッチディスプレイでは(見にくくなってしまうため)難しい前面パネルのモデルも用意した。背面は7層からなるガラスカバーで、光の当たり方によって微妙にテクスチャが浮かび上がるようになっている。

猫の手の“指紋”も認識するという
指紋認識成功率は99.12%に達する

 最新のスマートフォンのフラグシップモデルは、大画面化によって重くなる一方で、ソニーのXperia XZ2 Premiumではついに236gに達し、李氏は「索半斤(一斤は500gなので、その半分の重さ)」だと揶揄。厚さに関しても、OPPOのFind Xで9.6mmとなっており、「スマートフォン業界は3年前の水準まで退化していくつもりなのか?」と批判。一方、M16thはそれぞれ152gと7.3mmとなっており、「2018年最薄最軽量のフラグシップスマートフォン」だとアピールした。

世界最軽量の152gを実現
薄さも7.3mmと世界最薄

 OSはAndroid OをベースとしたFlymeOSを採用。独自の最適化により、主要アプリケーション50種類のうち、40種類以上は競合より高速に起動するという。また、マンチェスター大学と共同で開発したアプリケーションプリフェッチ機能を搭載し、起動速度を36%高速化できる。

 ディスプレイのタッチのサンプリングレートは100Hzで、応答速度も削減。1フレームあたりの描画にかかる時間は7.8msだとしており、これも競合と比較して短く、スムーズな体験を実現。本機はゲーミングスマートフォンではないが、主要ゲームでフルフレームレートを実現できるほか、NeteastおよびTensentとゲームの最適化に向けた共同研究室も設立し、今後各タイトルごとの最適化もしていく。

 OSの安定性についても謳われており、これまでに累計10万時間以上の安定性テストを行ない、安定性の問題が発生する確率を2,000分の1までに減少。また、SoCを冷却する銅製のヒートパイプも内蔵し、冷却性と安定性を高めた。

 新しいFlymeOSの開発にあたって、ユーザーから提案された600個の要求に応え、提出されたバグレポートは10万個を越えた。このため開発チームは1人あたり200時間残業をしたとし、合計1,000万行のソースコードをレビューしたとしている。発表会でFlymeOSの解説にあたった同社のソフトエンジニアの洪漢生氏は、5月に子供が誕生したそうだが、「この数カ月間付き合えず申し訳なかった」と謝る一幕もあった。

マンチェスター大学と共同開発したアプリケーションプリフェッチアルゴリズム
“冷蔵庫に入れなくても”Antutu Benchmarkで291,866点をマーク
競合と比較して1フレームの描画に必要な時間が短いという
ソフトエンジニアの洪氏は忙しさのあまり家族サービスができていないという

 ディスプレイ占有率の向上に合わせて、OSのナビゲーションもジェスチャーで行なえるようになった。FlymeOSのジェスチャーは「エッジから素早い短いスワイプで戻る」、「エッジからゆっくりの長いスワイプでホーム」、「エッジからゆっくりと長いスワイプをしたあとにホールドでタスク切り換え」となっている。なお、エッジは左右および下のどちらからでも行なえるため、片手でもラクラクすべてのジェスチャーが行なえるとしている。

 スピーカーは横持ちしたときに左右ステレオとなる配置とした。また、バイブレーターはプログラミング可能な「M Engine 2.0」となっており、着信した相手ごとに異なる感触のバイブレーション効果を実現したり、音楽に合わせたバイブレーションなども実現可能としている。

 カメラもM16が注力した項目の1つ。前面の7mmのフレームに収まる2,000万画素のカメラレンズモジュールを新たに開発したほか、ArcSoftの技術によりシングルカメラでも背景をぼかしたポートレートエフェクトを実現。一方背面カメラは自動HDRやAIアルゴリズムを取り入れ、画質向上を図った。

 背面カメラは、競合のフラグシップがIMX363またはIMX519系の採用が多いなか、IMX380と呼ばれる1/2.3インチの最大級のセンサーを搭載。画素サイズは1.55μmと広く、暗所に強いとしている。また、4軸手ブレ補正も搭載し、1/4秒のシャッター速度でも手ブレせず撮影できる。李氏は、Snapdragon 845内蔵ISPであるSpectra 280と合わせて、「無敵のカメラ」だとアピールした。

メインカメラのセンサーはIMX380。サブはIMX350となっている
vivo NEXやFind Xと比較して明るく、鮮やかに撮影できるという

 ディスプレイの解像度はいずれも2,160×1,080ドット。本体サイズおよび重量は、16thが73.2×150.5×7.3mm(幅×奥行き×高さ)/約152g、16th Plusが約78.2×160.4×7.3mm(同)/約182g。