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Meizu、画面内指紋認識のユニボディスマホ「16X」

~Helio P22搭載の下位モデルも

16X(ホワイトモデル)

 中国Meizuは19日(現地時間)、スマートフォン新製品発表会を開催し、「16X」、「V8」、「X8」の3機種を一挙に発表した。本記事は16XとV8について取り上げ、X8は別記事でお伝えする。

 なお、発表会の冒頭で、CMO兼バイスプレジデントの李楠氏は、16thの人気による供給不足について詫びた。また、16日には台風22号が中国の深センや広州を襲い、同社の工場にも影響を及ぼしたが、幸い生産ラインにダメージを与えていないとのことだった。

画面内指紋センサー搭載の16X

 16Xは7月に投入した「16th」の下位に位置づけられるモデル。価格は、メモリ6GB+ストレージ64GBモデルが2,098人民元(約35,000円)、メモリ6GB+ストレージ128GBモデルが2,398人民元(約4万円)。発売は9月26日。

 16thと同様の非ノッチディスプレイ、画面内指紋センサーを搭載しながら、フルメタルユニボディの採用により、手にしたときの感触を高めた。同社によれば「16thをも超える持ち心地」としている。

従来の画面+フレーム+背面カバーのサンドイッチ構造では若干手に引っかかりを覚えるが、16Xは側面フレームと一体の金属削りだしカバーとなった
カバーの制作は100工程を経ているという
ホワイトモデルではセラミックのような質感を実現したという

 画面内指紋センサーは、単独の指紋センサーと比較して認識速度が劣るが(一般的なもので0.5秒、16Xではさらに高速な0.25秒)、それでもOPPOの「Find X」の昇降式カメラユニットによる顔認証(1秒)より高速としている。

 発表会で解説したCMO兼バイスプレジデントの李楠氏は、「ユーザーは1日で平均80回ほどスマートフォンをアンロックするが、合計すると、昇降式カメラユニットは一般的な画面内指紋センサーと比較すると1日あたり40秒、1年あたり約4時間も時間を無駄にすることになる。一方で16Xの画面内指紋センサーは認証速度が0.25秒、識別率は99.12%に達しており、さらに高速」と語った。

Find Xの顔認証はカメラユニットの伸縮動作が伴うため、認識に1秒かかる。1日に80回使うと、年間4時間も認証に時間をかけたことになる
16Xの画面内指紋は0.25秒で認識するという

 また、画面のタッチセンサーは100Hzのサンプリングレートによりスムーズな操作感を実現。バッテリ駆動時間も最適化し、5時間以上の連続ゲームプレイ、14時間のビデオ視聴を実現し、中度の利用ではおおむね1日充電が不要とした。

 加えて、発表会では競合となるHuaweiの「GPU Turbo」技術や、vivoの「Dual-Turbo」技術も引き合いに出された。イギリスの自動車番組「トップ・ギア」やAmazonの自動車番組「グランドツアー」の司会者、ジェレミー・クラークソン氏が番組中に発した言葉「I'm sorry but turbocharger is for the weak(ターボチャージャーは弱者のためのものだ)」を借り、16Xではそもそも高性能なSnapdragon 710を採用しており、FlymeOSのレベルで最適化が済んでいるため、そのようなマーケティング用語は不要だと唱えた。

 実際にゲーム内のベンチマーク測定結果も提示し、Turbo技術を搭載した他社のスマートフォンと比較して高いフレームレートおよびフレームレート安定性を示した。

honor 8Xの発表会などで提示されたGPU Turbo技術
vivo X23の発表会で発表されたDual-Turbo技術
ジェレミー・クラークソン氏の言葉を借りる
このベンチマーク比較ではとくにモデル名を示していないが、おそらくGPU Turboを搭載したKirin 710搭載のHuawei端末を指すと思われる
さまざまなゲームでフレームレートの変動が少ないという
ゲームが描画できるフルフレームレートに対しての実フレームレートの達成率

 本体色はブラック、ゴールド、ホワイトの3種類を用意するが、このうちホワイトについてはフルメタル素材であるのにもかかわらず、セラミックのような質感を実現した特別な仕上げとなっている。

 16thに引き続き、前面カメラは世界最小の2,000万画素カメラユニットを搭載。背面も16thと同じIMX380(1,200万画素)+IMX350(2,000万画素)で、競合と比較して高い画質を実現。光学手ブレ補正、ArcSoftによる独自の演算方式、全自動HDR機能、AIシーン識別などを備える。

前面カメラは世界最小の2,000万画素。なお、最小の“最”がモザイクなのは、中国の広告法に引っかかるためだという
背面カメラはメインがIMX380、サブがIMX350
暗所での撮影サンプル

 液晶は2,160×1,080ドット表示対応の6型、OSはAndroid 8.0をベースとしたFlymeOS。インターフェイスはUSB Type-C、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0+LE、3.5mmミニジャック。センサーは圧力、加速度、環境光、近接、ジャイロ、電子コンパス、GPS、GLONASS、Beidou。対応バンドは4Gが1/3/4/5/8/34/38/39/40/41、3Gが1/2/5/8/34/39、2Gが2/3/5/8。

 本体サイズは73.5×151×7.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は154g。

ブラックモデル
ゴールドモデル

Helio P22搭載のV8

V8 Pro

 Meizuは1,000人民元クラスのラインナップにおいて長らくMediaTekのHelio P10を使用してきたが、「V8 Pro」ではHelio P22に刷新された。構成はメモリ4GB+64GBのみで、価格は1,098人民元(約18,000円)。発売は9月26日。

 MeizuのCEOであるJack Wong氏が自ら筐体を設計。Helio P22自体さほど高性能なSoCではないが、同機は液晶解像度を1,440×720ドット(画面サイズは5.7型)にスペックを抑えたことで、人気があるほとんどのゲームをフルフレームレートでプレイできるとしている。

Helio P22を搭載
主要ゲームはほぼフルフレームレートでプレイできる

 OSはAndroid 8.0をベースとしたFlymeOS。インターフェイスは1,200万画素+500万画素背面カメラ、500万画素前面カメラ、Micro USB、IEEE 802.11a/n対応無線LAN、Bluetooth 5.0+LE、3.5mmミニジャック。センサーは加速度、環境光、近接、ジャイロ、電子コンパス、GPS、GLONASS。

 対応バンドは4Gが1/3/4/5/8/34/38/39/40/41、3Gが1/5/8/34/39/C0、2Gが2/3/5/8。本体サイズは72.7×147.5×8.1mm(同)、重量は159g。

 このほか、CPUをMT6739、メモリを3GB、ストレージを32GB、背面カメラを1,300万シングル、無線LANをIEEE 802.11b/n、Bluetoothを4.2に変更した下位の「V8」も用意される。価格は798人民元(約14,000円)。本体サイズは73×148×84.mm(同)、重量は145gとなる。

V8