ニュース

12.1型のレッツノートを作る「手づくりレッツノート工房 2018」が開催

世界でたった1台のPCを作る手づくりレッツノート工房

 パナソニックは、2018年8月4日、兵庫県神戸市のパナソニック モバイルソリューションズ事業部神戸工場において、「手づくりレッツノート工房 2018」を開催した。2002年の開催から16年目を迎え、18回目の開催となった今回は、12.1型モバイルノート「レッツノート CF-SV7」を組み立てた。

 手づくりレッツノート工房は、小学校4年生から高校3年生までを対象に、毎年実施しているもので、50人の募集に対して、全国から約189人が応募。北は宮城県、南は鹿児島県からも参加した。兵庫県内からの参加は16人、大阪からの参加は12人となった。また、男の子の参加は30人、女の子の参加が20人。年齢別では、11歳がもっとも多く12人となった。

 組み立てたCF-SV7は、Core i7-8650U vProプロセッサーを搭載。16GBメモリ、250GBのSSD、スーパーマルチドライブを搭載しており、「Panasonic Store(パナソニック ストア)」では、カスタマイズレッツノート プレミアムエディションモデルに位置づけられる仕様。参加費用は16万円となっており、昨年(2017年)よりも1万円(プレミアムエディションの場合)高くなっていたが、通常よりも安く入手できる価格設定であった。

 本体カラーや天板などが選択できるようになっており、本体カラーでは、ジェットブラックとシルバーがそれぞれ25人ずつとなり、天板カラーは、本体色が13人、ディープルネイビーは11人が選択。また、神戸をモチーフとした、手づくりレッツノート工房オリジナル天板は26人が選択。オリジナル天板に用意された7色のうち、マジョレールブルーが17人と最多になった。キーボードはローマ字すっきりタイプを選択した参加者が22人、標準が28人。ホイールパッドは本体色とディープネイビーを選択できるようにしていた。

手づくりレッツノート工房 2018が開催された神戸工場
手づくりレッツノート工房 2018のスケジュール
開校式前に手づくりうちわの制作体験コーナーに多くの子供たちが参加
パナソニックの「LinkRay 光IDソリューション」で神戸工場を紹介
坂元寛明事業部長と清水実所長も自分のスマートフォンでLinkRayを体験
イベントなどで使用されたLVの大型モックアップも展示
モックアップは細かいところも再現されている
イメージキャラクターである女優の比嘉愛未さんのサインも入っている

 午前9時30分からはじまった開校式では、パナソニック コネクティッドソリューションズ社モバイルソリューションズ事業部の坂元寛明事業部長が、「手づくりレッツノート工房理事長」という、この日だけの肩書で挨拶をした。

 坂元氏は、「昨日まで、米西海外のIntel本社に行なってきた。Intelは、人間でいえば脳にあたるCPUを作っている会社。レッツノートシリーズのすべての製品に、IntelのCPUを採用している。Intelの人に、明日、手づくりレッツノート工房を開催するといったら、それはすばらしいことだと言ってくれた。

 PCには、顔になる液晶や、手足になるキーボード、心臓になるバッテリ、身体を循環する血液のようなソフトウェアによって構成されている。これらが集まってPCとして動くことができる。今日は、世界に1台しかない、自分の分身を作ってもらいたい。心を込めて作ってもらいたい」とした。

 また、坂元理事長が、毎年、この場で質問している「将来、パナソニックに入りたいと思っている人!」との質問には、今年(2018年)は2人が手をあげた。「昨年はゼロだったが、今年は評価が少しあがった」と会場を涌かし、「今日は、大人になったときに楽しい思い出だったと言える楽しい1日にしてほしい」と締めくくった。

レッツノート博士とロボすけが組み立てるレッツノートを説明

 続いて登場したのが、レッツノート博士とロボすけ。この日組み立てるCF-SV7の特徴や、主要なパーツの役割を、おもしろおかしく説明。会場内は微妙な雰囲気が続き、最後は、まばらな「レッツノート!」の掛け声で、全員で組み立て会場に向かった。

 レッツノート博士が示した資料によると、CF-SV7の約1,024gの軽さには89.9%のユーザーが満足と回答。約14時間の長時間駆動には82.8%のユーザーが満足とし、100kg加圧なども耐えられる頑丈設計には93.3%のユーザーが満足と回答しているという。

 「頑丈だと重く、軽いと壊れやすいが、レッツノートは頑丈なのに軽いのが特徴」と胸を張って見せた。そして、「レッツノートでは、働き方をカエルキャンペーンを行なってきたが、みなさんはぜひ、学び方をカエルことにレッツノートを使ってほしい」と呼びかけた。

 ちなみに、ロボすけは、昨年の初登場に続いて、2回目の参加。昨年よりもバージョンアップしており、「パナソニックは今年100周年を迎えた。そんな年にロボット制作に手を抜くことはあり得ない」と、レッツノート博士は、ロボすけの完成度に自信を見せていた。

手づくりレッツノート工房 2018の開校式の様子
今年のテーマは、「S.M.I.L.E K.O.B.E!~今日の笑顔を未来の思い出に~」
開校式で挨拶するパナソニック コネクティッドソリューションズ社モバイルソリューションズ事業部の坂元寛明事業部長
この日は「理事長」という肩書で挨拶した
今年も登場したレッツノート博士とロボすけ
レッツノートの特徴などを紹介した
キャンペーンにならって「学び方をカエル」を提案
「レッツノート!」の掛け声は、残念ながらまばらな感じに
レッツノート博士とロボすけに見送られて会場に向かう参加者たち

レッツノートを実際に組み立て

 開校式が終わると午前10時頃から組み立てを開始した。参加者は、21種類46点の部品を使って組み立てを行なうことになった。

 パナソニック コネクティッドソリューションズ社モバイルソリューションズ事業部プロダクトセンターの清水実所長は、「実際に工場で組み立てている作業工数に比較すると、3分の1程度になっている。昨年の組み立て教室では、CF-SV6を組み立てたが、今年のCF-SV7は、それに比べても難しくなっている」という。細かい配線の取り回しなどで難易度が増していたようだ。

 では、組み立ての様子を見てみよう。

組み立てを行なう会場の様子。2人の参加者に1人のスタッフがついてサポートする
組み立てる部品。21種類46点を使用する
トップケース
液晶ディスプレイ
ネジやシール。頑丈設計の実現のためにネジが多いのがレッツノートの特徴
WWANの基板
スーパーマルチドライブ
ボトムケース
バッテリ
これが選ぶことができた手づくりレッツノート工房オリジナル天板。7色を用意
最初はトップケースに液晶を取りつける
ケーブルを挟み込まないようにしてネジを締める
カメラレーブルとアンテナケーブルを通す部品を取りつける
ケーブルを処理してネジを締める
反対側にLCDケーブルとアンテナケーブルを通す部品を取りつける
これもネジで固定する
材料をシールで貼りつける作業。最初から細かい作業が続く
カメラケーブルをファンの横にある突起の下を通して固定
最大の難関とも言える無線LANボードへのアンテナケーブルの接続
ケーブル抜け止めシートを貼る。このあたりがレッツノートの頑丈性の秘密
DCジャックケーブルの取り付け作業
スピーカーケーブルの接続作業
LCDケーブルの接続作業
フレキを折り曲げて貼り付け、ネジで固定する
シートを貼りつけて固定する作業が繰り返し行なわれる
使われているネジも、締めるとボンドが出て固定される特殊なものだ
スーパーマルチドライブを組み込む
スーパーマルチドライブのケーブルを接続する
サブ基板の取り付け作業の様子
WWAN基板の取り付けを行なう
WWANのフレキもシールで固定する
今回は使用しないアンテナケーブルを処理する
スイッチノブを取りつける
電源スイッチとワイヤレスLANのスイッチが取りつけられた状態
続いてボトムケースのネジ締めだが、スペーサーを角に敷く。これで作業がしやすくなるという生産ラインのノウハウを活用
ボトムケースを取りつける
ボトムケースのネジ締めを行なう
ボトムケースだけで20個のネジを締める
最後にバッテリを取りつける
完成したレッツノートCF-SV7。天板には名前などを入れることもできた
参加者にちょっかいを出すロボすけとレッツノート博士
思わず子供を手伝ってしまう坂元事業部長
参加者に話しかけ、組み立てのヒントを教える清水所長
全員で電源を入れる
全員のPCが無事に起動した。感動の瞬間だ
専用画面が立ち上がって、続いて試験を行なう
カメラの試験でのぞき込む坂元事業部長。撮影した写真に写りこんでしまうという一幕も
キーボードの試験。1つずつ押していく
花火が打ちあがって、オーディオ試験の完了
検査も無事に終了した
梱包作業の様子。まずは画面についた指紋などを拭き取る
実際の製品と同じように説明書などを入れる
専用のシートに入れる
シートにシールを貼る
ダンボールのなかに入れる
緩衝材で固定する
蓋を占めてすべての作業が完了だ
参加者全員で記念撮影を行なった

 組み立てに参加しない同伴した家族は、パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社エナジーデバイス事業部の専任講師による「手づくり乾電池教室」に参加できたほか、2018年2月に累計生産500万台を達成した神戸工場の生産現場や検査設備などの見学も行なった。

手づくり乾電池教室は小さい子供たちも参加
オリジナルの電池を作って記念撮影
手づくり乾電池キットを使用して行なった
会場ではスタンプラリーも行なった
ショールームでは最新の商品の説明に質問が集中
工場の検査設備や生産現場も見学
実装ラインに配備されている双腕ロボットとじゃんけんも行なえた
電動ドライバーも体験コーナー
3Dプリンタで制作したサイコロにネジを締めて競った
これはキーボードの間違い探し。2か所間違ったところがある
間違いを画像から瞬時に確認できる装置。実際に生産ラインで使用しているものだ
瞬時に間違い箇所を検出
「<」と「>」のキーが入れ替わっていること、「C」が2つあることが間違いだ

日本品質のレッツノートをこれからも

 午後3時15分頃から行なわれた閉校式では、パナソニック コネクティッドソリューションズ社モバイルソリューションズ事業部プロダクトセンターの清水実所長が、手づくりレッツノート工房校長の肩書で挨拶をした。

 清水氏は、「厳正な抽選の上に選ばれた50人のなかには、8回目の応募という人や、年齢制限のため、今年が最後のチャンスという人も選ばれている。PCの中身を知りたいという理由で参加した人や、工場の様子を見てみたいという人もいた。神戸工場で作られた製品の品質は私が責任を持っている。今日ここで作ったPCは、みなさんが手作りをしたが、その品質も私が責任を持つので安心してほしい。神戸工場では、日本品質のレッツノートを、これからも作り続けていきたい」と語った。

 また、「今日は楽しかった、よかった、一生の思い出になったと思った人は手をあげてほしい」という問いには、全員が手を挙げた。だが、理事長から頼まれたとした、「将来、パナソニックに入ってみたい人は?」という再度の質問には、若干増えたが、残念ながら少数にとどまった。

 さらに、開校式では、清水校長が、坂元理事長に内緒にしていたという、手づくりレッツノート工房オリジナル天板の「レッツノートCF-SV7」を、ロボすけが持ち出してきてしまう一幕もあり、「私も今日からは、みなさんと同じ天板のレッツノートを使って、みなさんとつながっていたい」と語った。

閉校式で挨拶するパナソニック コネクティッドソリューションズ社モバイルソリューションズ事業部プロダクトセンターの清水実所長
「楽しかった人!」の質問には全員が手をあげた
清水所長は参加者と同じ天板のレッツノートを使用すると話した
参加者を送り出す清水所長
社員全員で参加者を送った
旗を持って参加者を送り出す坂元事業部長
レッツノート博士とロボすけも見送り
「手づくり乾電池教室」に参加したエボルタくんも見送りに参加
最後は社員で記念撮影。150人の社員が参加して工房を盛り上げた