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比べてみると特色が出る 2.5インチSSDのトップグループの実力

~夏のPCパーツ大品評会 その5 CFD販売「CFD EX. HG7」、Micron「Crucial MX500」、Samsung「SSD 860 PRO」

2.5インチSSD、ハイエンド製品は何が違う?

 ここでは、ハイエンドクラスのSerial ATA SSDを比較していく。CFD販売のHG7シリーズ、Micron Crucial MX500、Samsung SSD 860 PROの3製品を用意したが、最大速度を比較できるCrystalDiskMarkの結果は、若干の差はあるがほぼ同等だった。現在のSSDは、疑似SLCの利用が一般的で見かけ上の性能差が出にくくなっている。さらに、各社のコントローラが高速化しているのに対してSerial ATAインターフェースは最大速度が600MB/sで頭打ちになっている。これも性能差が出にくくなっている要因だ。

 一方で、速度低下に関しては違いが出た。SSD 860 PROはライト速度は大きく低下したが、リードはほとんど低下していない。ほかの2製品は、リード、ライトともに速度が低下している。SSD 860 PROリードの速度低下がないのは、コントローラの処理能力の高さが効いていると推測される。なお、HG7シリーズとCrucial MX500は、同じメーカーのコントローラをベースにしているが性能差が出ている。HG7シリーズは、Crucial MX500よりも容量が少ない256GBのモデルを利用したため性能に違いが出た可能性がある点に留意してほしい。(北川達也)

CFD販売「CFD EX. HG7」
IntelのSSDを採用
Intelのメインストリーム向け「SSD 545s」を採用している。最新世代の64層3D TLC NANDを搭載する。耐久性も高く、256GBモデルの総書き込み容量(TBW)は144TB
SMIのコントローラを採用
コスパが高いことから採用例が大変多いSilicon Motionのコントローラを採用。SM2259と推測されるが、Intelのロゴが刻印されておりカスタム品の可能性がある
スペックとラインナップ
型番容量バッファ用メモリ公称最高速度(リード/ライト)実売価格GB単価
CSSD-S6i512HG7V512GB非公開550MB/s/500MB/s15,000円前後29.30円
CSSD-S6i256HG7V256GB非公開550MB/s/500MB/s8,000円前後31.25円

Micron Technology「Crucial MX500」
コスパの高さで人気
メインストリーム向けの中ではコスパが高く、大人気のSSD。5年保証という長めの保証期間に加え、総書き込み容量も500GBモデルで180TBと耐久性も高い
定番コントローラを採用
現在のSerial ATA SSDの中でもっとも採用例が多いSilicon Motionの「SM2258」を採用。4チャンネル接続のコントローラだが性能が高く、価格も安いことから定番となっている
スペックとラインナップ
型番容量バッファ用メモリ公称最高速度(リード/ライト)実売価格GB単価
CT2000MX500SSD1/JP2TB非公開560MB/s/510MB/s57,000円前後28.50円
CT1000MX500SSD1/JP1TB非公開560MB/s/510MB/s30,000円前後30.00円
CT500MX500SSD1/JP500GB非公開560MB/s/510MB/s15,000円前後30.00円
CT250MX500SSD1/JP250GB非公開560MB/s/510MB/s9,000円前後36.00円

Samsung Electronics「SSD 860 PRO」
3D MLC NANDを採用
現在のSerial ATA SSDの中では数少ない3D MLC NANDを採用した製品。現役トップクラスの耐久性を備え、512GBモデルの総書き込み容量は600TBと驚異の耐久性を実現している
自社製コントローラを採用
Samsung自社開発の強力なコントローラ「MJX」を採用。コントローラの詳細は非公開だが、前モデルよりも性能が向上していると言う
スペックとラインナップ
型番容量バッファ用メモリ公称最高速度(リード/ライト)実売価格GB単価
MZ-76P2T0B/IT2TB2GB560MB/s/530MB/s110,000円前後55.00円
MZ-76P1T0B/IT1TB1GB560MB/s/530MB/s56,000円前後56.00円
MZ-76P512B/IT512GB512MB560MB/s/530MB/s29,000円前後56.64円
MZ-76P256B/IT256GB512MB560MB/s/530MB/s16,000円前後62.50円
【検証環境】CPU:Intel Core i5-7600K(3.8GHz)、マザーボード:ASUSTeK PRIME Z270-K(Intel Z270)、メモリ:Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)、システムSSD:CFD販売 S6TNHG6Q CSSD-S6T256NHG6Q(Serial ATA 3.0、256GB)、OS:Windows 10 Enterprise 64bit版
※記事中では、SSDのケースを開けて撮影していますが、このような行為を行なった場合は保証対象外となる場合があります。

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