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東京五輪でもIntelのドローンが空に輝く
~日本でもIntel製ドローンが近く認可
2018年3月22日 14:50
インテル株式会社は22日、同社のドローン事業についての記者説明会を開催した。
説明会には、米Intelドローン事業部マーケティング責任者のCindy Ng(シンディー・ウン)氏が登壇し、説明を行なった。
Intelのドローン事業は、商用ソリューション、データの分析・報告、「ライト・ショー」のようなエンターテイメント、構成要素とイノベーションという4つの事業からなっている。
現在、同社のドローンが搭載できるカメラは3,600万画素クラスで、3Dマップの撮影に、1枚30MB程度の写真を300~500枚程度撮影する。そのドローンを75台稼働させると、1日あたりの総データ量は18TBに達する。加えて、将来的には可搬重量が増え、カメラも4,200万画素クラスへ高解像度化する見込みだという。
このように、ドローンの飛行で生成されるデータ量は膨大な量となるため、ドローン事業は、同社の「データカンパニー」としての中心的な役割を果たすものであると説明した。
Intelはハードウェア(ドローン本体)とソリューションの両方を手がけており、商用利用としては建設業界や公益事業、農業、石油/ガスなどに注力している。
具体的なシーンとしては、遊園地でのアトラクションの点検や、送電線や太陽光パネルなどインフラの点検、農業では農作物の計測や害虫などの検知などが挙げられていた。石油・ガスについては、Intelのマルチロータードローン「Falcon8+」が人気で、強風下でも飛行可能な点が評価されているという。
市場としては、2020年までに世界全体で200億ドル以上の規模に拡大すると述べ、日本についても、商用ドローン市場は2022年までに20億ドル規模になるとの予測を紹介した。
同社の商用ドローン製品は、正確で詳細なデータの取得を目的とした、前述のFalcon8+のようなマルチロータータイプのほか、高速で飛行し広範囲をカバーできる「Sirius Pro」もあり、「Mission Control」として、飛行計画を自動化できるソフトウェアも提供しているとアピールした。
すでに同社のドローンは、アメリカおよびカナダでは認可が下りており、EUやオセアニア(オーストラリア/ニュージーランド)でも認可予定とのことだが、日本についても、すでに最終書類の提出段階にあり、1カ月以内に認可される予定であるとした。
国内での価格などについては未定となっていたが、Falcon8+の米国市場価格は、2万5千ドル程度とのことだ。
同社のドローンの特徴としては、Realsenseモジュールが組み込まれており、高度な障害物回避を実現している点が挙げられた。
ドローン本体だけでなく、一連のワークフローもサービス提供しており、飛行計画を練るMission Controlのほか、取得した大量のデータをクラウドで処理し、わかりやすいかたちで分析/報告を行なう「Insight Platform」も用意されている。
Insight Platformでは、ドローンからクラウドにデータをアップロードすれば、関係者が場所を問わずデータを閲覧可能になり、3Dモデルに注釈を追加するといった編集が可能になる。
実際に、ドイツのハルバーシュタット大聖堂の保全プロジェクトで、ドローンとInsight Platformを用いた作業が行なわれ、従来は足場などの設置が必要だった高所や、人間の手が触れることで損傷を進めてしまう恐れもなく、接触せずに詳細な画像データを取得することで、3Dモデルから修繕が必要なポイントを見つけ出せたという。
エンターテイメントについては、平昌冬季オリンピックでも話題となった、LED搭載のドローンを大量に飛行させる「ライト・ショー」をアピールし、騒音や環境汚染のない“デジタル花火”としての利用や、新しい広告媒体としても有用性があるとした。
これまでの屋外でGPSをもとに群体飛行を行なう「Shooting Starドローン」に加えて、CES 2018で発表された、屋内利用を想定しGPS不要で飛行できる「Shooting Star Miniドローン」によって、あらゆる環境でドローンショーが実演可能になったとした。
Intelは、オリンピックと2024年までワールドワイドトップパートナーとして提携しており、平昌冬季オリンピックのさいには1,218機のShooting Starドローンを同時に飛行させ、自社の持つギネス記録を更新している。2020年に開催予定の東京オリンピックでも、何らかのパフォーマンスを行なう予定であることも明かされた。
ウン氏は、Intelでは、Realsenseによる障害物回避、MovidiusによるエッジAIといったように、同社の技術を組み込むことで高度なドローンを実現していると述べたほか、飛行タクシーなどの実現に向けた有人機と無人機が共存する環境での航空管制システムなども開発を進めているとした。