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ASUSから日本製RGB印刷方式有機EL技術採用の21.6型ディスプレイ

JOLEDの印刷方式有機ELパネルが採用される「ASUS ProArt PQ22UC」

 株式会社JOLEDは5日、台湾ASUSTeK ComputerがCESで発表予定の21.6型ディスプレイ「ASUS ProArt PQ22UC」に、JOLEDのRGB印刷方式による有機ELパネル(印刷方式有機ELパネル)が採用されたことを発表した。

 JOLEDの印刷方式有機ELパネルは、昨年(2017年)の12月に同社から出荷が明らかにされた新しい有機ELパネルで、JOLED独自のRGB印刷方式で製造されている。

 JOLEDは産業革新機構傘下のディスプレイパネル製造メーカーで、ソニーとパナソニックが持つ有機ELディスプレイパネル開発部門を統合して2015年1月にスタートした比較的新しい企業。株主構成は産業革新機構が75%、ジャパンディスプレイが15%、ソニーとパナソニックがそれぞれ5%となっている。社長はジャパンディスプレイの東入來信博氏が務めており、将来的にはジャパンディスプレイの子会社となる計画だ。

 そのJOLEDが開発してきた有機ELパネルが、印刷方式有機ELパネル。同社が独自に開発してきたRGB印刷方式と呼ばれる独自の製造方法を採用して製造され、高い色再現性や広視野角を実現していることが特徴となる。JOLEDの発表によれば、ピーク時の輝度は350カンデラ/平方m、100万:1のコントラスト比などを実現している。

 今回採用が明らかにされたのはASUSがCESで発表する予定のProArt PQ22UCで、21.6型のプロフェッショナル用ディスプレイとなる。DCI-P3のカバー率が99%、10bitの色深度、100万:1のコントラスト比、最速0.1msの高速応答性などを実現するという。現時点ではASUSより発表されていないため、価格や出荷時期などは未定だ。

 有機ELのパネルを採用したPCとしては、Samsung Electronics製の14型パネルを採用したLenovoの「ThinkPad X1 Yoga Gen2」などが、デスクトップPC用のディスプレイとしてはDellの「UP3017Q」(30型)などがある程度であまり採用例は多くない。

 PCでのHDRコンテンツ向けに、有機EL(OLED)ディスプレイがより好適と考えられるだけに、JOLEDの印刷方式有機ELパネルを採用した製品によって選択肢が広がることに期待したいところだ。