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JOLED、世界初「RGB印刷方式」有機ELパネルの製品出荷を開始

RGB印刷方式の有機ELパネル

 株式会社JOLEDは、世界初のRGB印刷方式による有機ELパネル製品化、および出荷開始を発表した。

 製品は21.6型で4K(3,840×2,160ドット)の印刷方式有機ELパネル。蒸着方式と異なり、有機EL材料を印刷により塗布・形成する、独自開発の「RGB印刷方式」を採用するのが特徴。

 印刷方式は生産工程がシンプルなため、幅広い画面サイズへの展開が容易な技術として期待され、同社では、蒸着方式で製造が難しいとされる中型サイズの有機ELパネル市場で、印刷方式有機ELパネルの浸透を図っていくとしている。

 製品では、パナソニックと共同開発した大画面へ均一に一括塗布する設備技術と、プロセス技術の実用化、光取り出し効率が高い独自の「トップエミッション構造」により、優れた色再現性や広視野角の実現を謳う。

 同社は、有機ELディスプレイパネルの量産開発加速、早期事業化を目的として、産業革新機構主導のもと、ソニーとパナソニック、ジャパンディスプレイ(JDI)各社の有機ELパネル開発部門を統合して2015年に発足した企業で、JDIの連結子会社化が予定されている

 JOLEDでは2017年4月に印刷方式パネルの開発品のサンプル出荷を開始しており、今回、製品の完成度や生産性の検証において必要とされるレベルを実現したため、製品としての出荷を開始したという。

 すでに医療用ディスプレイへの採用が決まっているほか、さまざまなアプリケーション向けに順次出荷されるとする。

 パネルのおもな仕様は、サイズが21.6型、解像度が3,840×2,160ドット(204ppi)、コントラスト比100万:1、最大輝度350cd/平方m。パネル厚は1.3mmで、重量は500g。