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Lenovo、シルバー色も追加されたThinkPad X1 2017年モデル

~第7世代Coreにプロセッサを強化、X1 YogaにはIris Plus Graphics搭載CPUも選択肢に加わる

ThinkPad X1 Carbonのブラック版(左)とシルバー版(右)

 Lenovoは、1月3日(米国時間)にアメリカ合衆国ラスベガスでまもなく開幕するCES 2017において、フラグシップPCシリーズである「ThinkPad X1」ブランド3製品「ThinkPad X1 Carbon」、「ThinkPad X1 Yoga」、「ThinkPad X1 Tablet」の2017年モデルを発表した。

 新しいThinkPad X1シリーズは、2016年1月のCESで発表された2016年型の大枠を引き継ぎつつ、CPUを第7世代Coreプロセッサ(開発コードネーム:Kaby Lake)に更新し、従来はブラック1色だったThinkPadにとっては久々の新色となるシルバーが追加。また、ACアダプタがUSB TypeーCに変更されていることが大きな特徴となる。

 ThinkPad X1 CarbonとThinkPad X1 Yogaが2月、ThinkPad X1 Tabletが3月から米国で提供開始の予定となっている。日本での提供開始時期は現時点では未定だが、いずれも日本で販売されている製品の後継製品となるため、日本でもそう遠くない時期に提供される可能性が高い。

第7世代Core、Thunderbolt/USB PD対応USB TypeーC、シルバーカラーが特徴のThinkPad X1 Carbon

シルバー版ThinkPad X1 Carbon(2017年型)
ブラック版ThinkPad X1 Carbon(2017年型)

 これまでのThinkPadシリーズは、一部の例外(IBM時代に発売されていたコンシューマ向けのThinkPad i Seriesなど)を除き、一貫してブラックカラーのみを提供してきた。その背景には、ThinkPadがビジネス向けであり、黒がビジネスカジュアルなどにも合わせやすいということがあった。

 しかし、近年ではビジネス向けでもシルバーや白なども好まれる傾向があり、黒以外のThinkPadシリーズが求められつつ状況が生じてきていた。既にLenovoは12月の末に従来型のThinkPad(いわゆるClassic ThinkPad)でシルバー色を追加したことを明らかにしていたが、それに続くシルバー色のThinkPadとなる(なお、X1 Tabletはブラックのみの設定)。

 ThinkPad X1 Carbon(2017年型)は、重量が1.14kgよりとなっている比較的軽量なクラムシェル型ノートPC。CPUは第7世代Core Uプロセッサで、メモリは最大16GB、ストレージはPCI Express/SATAのSSDで最大1TB。液晶ディスプレイは14型WQHD(2,560×1,440ドット)IPS/フルHD(1,920×1,080ドット)でいずれも300cd/平方mの最大輝度となっている。

 I/OポートとしてはUSB 3.0(Type-A)×2、Thunderbolt 3(USB Type-C)×、HDMI、Ethernet(ドングルを利用)、microSDカードスロットを装備。本体の左側面に2つのUSB TypeーCと1つのUSB Type-A、本体の右側面にUSB Type-Aが用意されている。ThinkPad X1 Carbon(2016年型)に比べるとUSB端子が1つ増えて4つになっているが、うち1つはUSB TypeーCのACアダプタと共用となるため、ACアダプタを使っている時には昨年までと同じ3つが利用できるという形になる。

本体の左側面。Thunderbolt 3/USB TypeーC端子が2つとUSB Type-A、HDMI端子、Ethernet端子(ドングルを利用)が用意
本体の右側面。ヘッドフォン端子とUSB Type-Aが用意

 液晶ディスプレイ部分には、赤外線カメラが内蔵されており、Windows Helloを利用した顔認証機能が利用できるほか、IntelのSGX(Software Guard eXtensions)とSymantecのNatural ID指紋認証センサー機能を活用した、FIDOベースの生体認証機能も搭載。PayPalなどのFIDOに対応した認証サービスを指紋認証で利用することができる。

Windwos Helloに対応した赤外線カメラと指紋センサーを搭載可能

 無線関連は、標準搭載がIEEE 802.11ac無線LANとBluetooth 4.2で、オプションとしてWiGigとLTEモデムが用意されている。バッテリ駆動時間(MobileMark2014)は15.5時間となる。

SIMカードスロット(Micro SIMカード)

 キーボードはThinkPadの6列配列だが、ポインティングデバイスが更新されており、Microsoft Precision TouchPad(高精度タッチパッド)に対応したタッチパッドとTrackPointの2つに対応している。サイズは323.5×217.1×15.95mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.12kgより(構成により異なる)。

【表1】ThinkPad X1 Carbon(2017年型)の仕様
CPU第7世代Core Uプロセッサ
GPUIntel HD Graphics 620
メモリ最大16GB(LPDDR3)
ストレージ最大1TB(PCIe/SATA)
ディスプレイ14型WQHD/フルHD(300cd/平方m)
Wi-FiIEEE 802.11ac(2x2)
BluetoothBluetooth 4.2
セルラーLTE(オプション)
NFCオプション
WiGigオプション
USBType-A×2
Thunderbolt2
Ethernetドングル
HDMI1
DisplayPort(Thunderboltポート経由で利用可能)
SDカードmicroSD×1
カメラ720p(IRはオプション)
指紋認証センサーオプション
キーボード6列配列キーボード
ポインティングデバイスPrecision TouchPad/Trackポイント
バッテリ駆動時間(公称)15.5時間
OSWindows 10
サイズ323.5×217.1×15.95mm(同)
重量1.12kg~

ThinkPad X1 YogaはGT3eのIntel Iris Plus Graphics 640が選択可能に

 ThinkPad X1 Yoga(2017年モデル)は、2016年モデルと同じく、ThinkPad X1 Carbonの2in1型という位置付けの製品となる。360度回転式のヒンジを備えており、クラムシェル型としても、タブレットとしても使うことができる。2016年モデルとの大きな違いは、CPUが第7世代Coreになっていること、Carbonと同じくシルバーが追加されていること、Thunderbolt 3に対応したUSB TypeーC端子を備えており、ACアダプタはUSB TypeーCを利用する形になっていることだ。

ThinkPad X1 Yoga(2017年モデル)

 かつ2016年モデルでは、CPUとして選べたのはいわゆるGT2と呼ばれる内蔵GPU(Intel HD Graphics)のSKUだけだったが、今年のモデルではGT3eで知られる64MBのeDRAMを内蔵しているIntel Iris Plus Graphics 640を搭載したSKUを選べるようになっていることも特筆すべき違いとなる。GT3eベースのIntel Iris Plus Graphics 640は、GT2ベースのIntel HD Graphics 620に比べて倍の演算器を持っており、高い処理能力を活用できる。なお、Iris Plusを内蔵したCPUを採用した場合には、メモリもLPDDR3-2133を選択できるため、メモリ帯域の観点からも高い処理能力が実現できる(X1 CarbonはGT2までのCPUしか選べないのでここが大きな違いとなる)。

本体の左側面、Thunderbolt3/USB TypeーC×2、USB Type-A×2、
ヘッドフォン端子、Ethernet端子(ドングル)、USB Type-A、HDMI

 USB端子はUSB Type-Aが3つ、Thunderboltに対応したUSB TypeーCが2つとなっている。このうち、USB TypeーCの1つはACアダプタ兼用となっており、ACアダプタに接続して利用する場合には合計で4つまで利用できる。

 そのほかのスペックは2016年モデルとほぼ同じで、ディスプレイは14型WQHD/フルHD液晶のほか、2016年モデルと同じようにOLEDのパネルを選ぶことも可能。付属のデジタイザペン(ThinkPad Pen Pro)は消しゴムツールが追加され、書き味が改善されるなど、改良が加えられている。

表2 ThinkPad X1 Yoga(2017年型)の仕様
CPU第7世代Core Uプロセッサ
GPUIntel Iris Plus Graphics 640/Intel HD Graphics 620
メモリ最大16GB(LPDDR3-1866)/最大16GB(LPDDR3-2133、Irisのみ)
ストレージ最大1TB(PCIe/SATA)
ディスプレイ14型WQHD(OLED 300cd/平方m)/14型WQHD、フルHD(IPS 280cd/平方m)
ペンThinkPad Pen Pro
Wi-FiIEEE 802.11ac(2x2)
BluetoothBluetooth 4.2
セルラーLTE(オプション)
NFCオプション
WiGigオプション
USBType-A×3
Thunderbolt2
Ethernetドングル
HDMI1
DisplayPort(Thunderboltポート経由で利用可能)
SDカードmicroSD×1
カメラ720p(IRはオプション)
指紋認証センサーオプション
キーボード6列配列キーボード
ポインティングデバイスPrecision TouchPad/Trackポイント
バッテリ駆動時間(公称)16時間(OLEDは10.5時間)
OSWindows 10
サイズ333×229×17.05mm(同)/333×229×17.4mm(同、OLED版)
重量1.42kg~/1.36kg(OLED版)

 ThinkPad X1 Tablet(2017年型)は、2016年モデルと同じようにプロジェクタや拡張バッテリを脱着できる形状になっており、キーボードと一緒に本体に取り付けて機能を拡張することができる。CPUは第7世代Core Yプロセッサに強化され、USB端子のうち1つがUSB TypeーCとなり、USB TypeーCに対応したACアダプタを利用することができるのが強化点となる。

ThinkPad X1 Tablet(2017年型)
ThinkPad X1 Tablet(2017年型)の右側面。USB TypeーC、USB Type-A、miniDP
【表3】ThinkPad X1 Tablet(2017年型)のスペック
CPU第7世代Core Yプロセッサ
GPUIntel HD Graphics 615
メモリ最大16GB(LPDDR3)
ストレージ最大1TB(NVMe/SATA)
ディスプレイ12型2,160×1,440ドット
ペンThinkPad Pen Pro
Wi-FiIEEE 802.11ac(2x2)
BluetoothBluetooth 4.2
セルラーLTE(オプション)
NFC-
WiGigオプション
USBTypeーC(PD対応)×1、Type-A×1
Thunderbolt-
Ethernet-
HDMI1
DisplayPortMini DisplayPort×1
SDカードmicroSD×1
カメラ前面200万画素/背面800万画素
指紋認証センサーオプション
バッテリ駆動時間(公称)10.5時間(タブレットのみ、拡張バッテリ装着時15.5時間)
OSWindows 10
サイズ291.5×209.5×8.45mm(同、タブレットのみ)/291.5×209.5×13.85mm(同、タブレット+キーボード)
重量767g(タブレットのみ)/1.07kg(タブレット+キーボード)