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Samsung、ファウンダリ2番手を目指しプロセス開発を加速

~7nmからEUVを全面展開、2020年までには4nmも見据える

 Samsungは9月15日に東京で半導体製造に関するシンポジウム「SAMSUNG FOUNDRY FORUM JAPAN 2017」を開発者向けに開催する。それに先立ち都内で記者会見を開催し、ファウンダリ事業の現状説明および今後を展望した。なお、発表会では一切の写真撮影が認められなかったため、テキストベースでお伝えする。

 Samsungはこれまでメモリ事業やシステムLSI事業とともにファウンダリ事業を展開してきたのだが、2017年5月よりシステムLSI事業を完全に切り離し、ファウンダリの専門組織を立ち上げた。目的は、顧客に対して付加価値の高い対応を行なうためである。これにより半導体の開発/生産/販売を一貫して顧客に近い立場で提供できるとする。

 Samsungのファウンダリには他社にはない特徴が挙げられる。1つ目は28nmのFD-SOIを唯一提供している点で、マスクレイヤーを抑えた低コスト製造や、低消費電力を特徴とする。2つ目は14nmおよび10nmのFinFETプロセスをほかのファウンダリに先駆けて量産体制を敷いた点である。

 現在FD-SOIは28nmプロセス留まりだが、今後18nmプロセスへの微細化も進める。14nm FinFETで培った技術や特徴を活かし、性能とコストに特化するという。また、近々投入予定の「11LPP」では、14LPPプロセスのIPをそのままにチップサイズを10%削減し、性能の15%向上を実現できるという。

 2018年からは、EUVリソグラフィ(極端紫外線露光)技術を用いて7nmプロセスの量産体制を準備する。ちなみにIntelやTSMCといった競合は既存の液浸露光の予定であり、EUVを使わない。これに対してSamsungはEUVを使うことでマスクレイヤーを減らすことができ、そのため製造コストを抑えられるとのことだった。EUVのソースパワーは250Wであるが、Samsungではすでにそのパワーを超えており、計画どおりに進んでいることを強調した。

 7nmに続き、2019年にはさらに微細化を進めた6LPPと5LPPを投入し、EUVリソグラフィのラインナップを増やす。そのあとGAA FETと呼ばれる新たな構造を採用したトランジスタで、4nmプロセスをリスクプロダクションする予定だとした。

 5月に行なわれたSamsungの組織体制変更によって、同社はこれまでの垂直統合型の半導体製造企業から姿を変えつつある。すぐにTSMCに取って代わることは難しいが、現在2位争いが続くファウンダリ業界の中で、確固たる2位のポジションを確保しようとしている。