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富士通の世界最軽量13.3型モバイルノートを子どもたちが組み立て
~島根富士通でパソコン組み立て教室が開催
2017年8月7日 12:57
島根富士通および富士通クライアントコンピューティングは、島根県出雲市の島根富士通において、2017年8月5日、「富士通パソコン組み立て教室」を開催した。
12回目の開催となる今回は、19組の親子が参加。世界最軽量となる13.3型モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK WU2/B1」の組み立てに挑戦した。世界最軽量となる761gを達成した「LIFEBOOK UH75/B1」をベースに製品化した同社直販サイト「WEB MART」向けモデルで、約787gの軽量化を達成している。
LIFEBOOK WU2/B1は、Intel Core i5-7200U(2コア/4スレッド/2.5~3.1GHz)を搭載。4GBのメモリ、約128GBのSSDを搭載。組み立て教室特別価格の99,900円で参加でき、組み立てたPCは、検査後に各家庭に届けられた。
島根富士通の神門明社長は、「富士通にとって、今年(2017年)のいち押しの製品を、子供たちに組み立ててもらいたいと考えた。薄くて、軽くて、それでいて堅牢性を実現した富士通のテクノロジを、組み立てを通じて体験してほしい」と語った。
13.3型で世界最軽量を実現している製品だけに、組み立ても難しそうだが、「島根富士通の社員からは、作りやすい商品であるとの声があがっている。生産を担当する島根富士通が、開発段階から入り込んで設計を行なってきた成果が出ている」という。
だが、小さい部品が多く、フォーミングなどの細かい作業が多いのは確か。組み立て教室では、子供たちが組み立てやすいように工夫をして、作業が行なえるようにした。
島根富士通によると、実際の部品点数は221点で、これを13分で組み立てているが、今回の組み立て教室では、約5分の1の作業量とし、42点の部品(うちネジが33本)を使用して、約60分で組み立てた。
また、メインボードには、約1,100個の部品が実装されており、一番小さい部品は0.6×0.3mmと、米粒よりも小さいという。
参加したのは、小学校5年生~中学校3年生。内訳は、小学5年生が6人、小学6年生が7人、中学1年生が2人、中学2年生が2人、中学3年生が2人で、男子が13人、女子が6人となった。島根県内から16組が参加。また、大阪府、兵庫県、滋賀県からも参加した。また、本体カラーは、サテンレッド(赤)を選択した子供が10人、ピクトブラック(黒)を選択した子供が9人となった。
午後1時からスタートした組み立て教室では、島根富士通の神門明社長が挨拶。「自分で使うPCを、自分で組み立てるという経験はなかなかできない。少し難しいかもしれないが、島根富士通のスタッフが、安心して組み立てられるようにサポートするので、夏休みの楽しい思い出を作ってほしい。そして、PCを好きになってほしい」とした。
島根富士通では、毎年、旬のキャラクターに扮した社員が登場して、組み立て教室を進行するのが恒例だが、今年は、巫女さんに扮した社員が登場して、会場を盛り上げた。島根県には、世界遺産の石見銀山、国宝の松江城があるが、2017年4月に、日本遺産として、「稲佐の浜の夕日と天日隅宮」と「日御碕の夕日と日沈宮」をあわせて、「日が沈む聖地出雲」が指定されたことにちなんで、巫女さんを選んだという。
さらに、富士通のメディエーターロボットのロボピンが初めてパソコン組み立て教室に登場。この日は、社員が着用するユニホームと同じカラーリングをー施した姿で参加し、組み立てたPCの概要や部品の役割、注意事項などについて説明した。また、組み立てを行なっている最中には、「ガンバレ!ガンバレ!」と参加者に声援を送った。
実際の組み立ては、午後1時20分頃から開始した。以下、写真で組み立ての様子を写真で紹介する。
参加者は、組み立て教室に続いて、工場訪問を行ない、あわせて工場内に用意されたイベントに参加した。用意されたのは、ネジ締め競争とPC試験競争の2つ。いずも島根富士通の設備を利用し、社員のアイデアによって用意されたものだ。
ネジ締め競争では、電動ドライバーを使って、島根富士通の匠と競争。競争に勝てばプレゼントがもらえた。また、PC試験競争では、クリック試験、キーボード試験、タッチパネル試験、カメラ試験などの一連の試験を完了させるピードを競うもので、キーボードを素早く何度も押すなどの操作が求められた。島根富士通の神門社長も本気になって挑戦したが、子供に負けてしまうという一幕もあった。
このほかにも、基板実装ラインを見学し、すべてが自動化され、24時間稼働で生産されていることなどを説明。見学した子供たちは、組み立てたPCに使われていたメインボードが、人が組み立てるのではなく、完全自動化されていることなどに驚いていた。
午後3時40分からは、プログラミング教室を行なった。島根県松江市に在住するまつもとゆきひろ氏が開発したプログラミング言語「Ruby」をベースに、小学生がプログラミングできるように開発された「Smalruby(スモウルビー)」を使用。
NPO法人Rubyプログラミング少年団の代表であり、Smalrubyの開発者である高尾宏治氏が講師を務めるとともに、同NPOでプログラミングを教えているメンバーや、島根富士通の社員が、参加者の操作をサポート。「一日Rubyフログラミング体験教科書 はじめのいっぽ」をテキストに使い、クルマが追いかけっこをする、簡単なゲームなどを作る内容となった。
島根富士通の神門社長は、「参加した小学生のなかでも、すでにプログラミングの経験者がいた。同時に、Rubyが徐々に浸透していることを感じた。2020年には、小学校でブログラミング教育が開始されるが、それに向けた整備を進んでいきそうな印象を受けた。来年(2018年)もプログラミング教室は、同時開催したいと考えている」としたほか、「今回の組み立て教室全体としては100点。ロボピンを登場させ、司会者と掛け合いを行なうなど、社員のユニークなアイデアを活かすこともできた。参加した子供たちにも、両親にとっても、充実した半日にすることができたのではないか」と語った。
富士通クライアントコンピューティングの仁川進執行役員は、「富士通のパソコン組み立て教室を開催し続けている根本的な考え方は、日本でのモノづくりを知ってもらうことにある。また、プログラミング教室では、プログラミングによって、モノが動くことを知ってもらうきっかけづくりになると考えている。パソコン組み立て教室は、富士通がPCを作り続けるかぎり、継続的に開催していくことになる」と述べた。