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京大ら、太陽電池を“熱エネルギー”で高効率に充電する手法を開発

~加熱したシリコンから特定の波長の光のみを発生

 京都大学は27日、大阪ガス株式会社と共同で、熱エネルギーを使って太陽電池が効率よく発電できる波長の光に変換することに初めて成功したと発表した。

 一般的な太陽電池が効率よく電気に変換できる光は、可視光線と近赤外線の境界付近のごく一部であり、ほかの波長の光を有効に利用できない。そのため、太陽電池の発電効率は20%前後に留まっている。

 京都大学の研究グループは、熱輻射を自在に制御することが利用効率向上の鍵であると考え、加熱時の特定の波長の光のみを発生させる技術の開発などに取り組んでおり、2013年からは大阪ガスと共同で研究を行なってきた。

 今回、半導体材料のシリコンを用いてフォトニックナノ構造を形成することで、高温にしたときに太陽電池が効率よく発電できる波長の光だけを放出する、熱輻射光源を開発することに成功。集光して本光源を加熱した場合、集められた光エネルギーのすべてが太陽電池に有効利用できる光に変換されて放出されるため、40%以上もの発電効率が期待できるという。

 熱源は太陽熱に限られないため、燃焼熱などを用いて同様に高効率な発電を行なえるとし、熱エネルギーを利用した発電技術の効率向上が期待される。