ニュース

AMD、さまざまな機能追加や性能向上を盛り込んだ「Radeon Software Crimson ReLive」を公開

「Radeon Software Crimson ReLive」では、コンシューマ向けのRadeonとプロ向けRadeon Pro用ドライバを統合した

 米AMDは8日(現地時間)、「Radeon」用ドライバの大型アップデートとなる「Radeon Software Crimson ReLive」を発表した。

 同ドライバの改善点は多岐に渡る。まず、大きな変更点として、これまで別々に用意されていたコンシューマ向けRadeon用とプロ向けRadeon Pro用のドライバが本バージョンで統合された。

 性能については、Ashes of the Singularityで8%、Batman Arkham Knightで7%、Deus EX: Mankind Dividedで4%、Shadow of Mordorで7%、Overwatchで6%向上。Radeon Proでは、SPECviewperf12の性能が17~30%ほど向上した。

Radeon Software Crimson ReLiveにより、既存ゲームの性能が向上

 以下、機能面での改善、追加を紹介するが、目玉機能であるゲーム録画/配信機能と、低消費電力機能については別記事で紹介する。また、検証記事も公開しているので、そちらも併せてご覧いただきたい。

開発者向け

Radeon Loom

開発者向けのRadeon Loomをサポート

 Radeon Loomは、GPUOpenを利用して開発されたもので、360度全天周動画向けに、マルチカメラで撮影した複数の動画を1つの継ぎ目のない動画にする。4K×2K解像度まではリアルタイムで処理でき、オフライン処理の場合は8K×4Kの解像度に対応する。

Open Capture and Analytics Tool(OCAT)

 OCATは、開発者向けのベンチマーク測定ツールで、ゲームのベンチマークを測定できる。

Open Capture and Analytics Too

被写界深度とTressFX 4.0

 被写界深度と、髪の毛の描写を行なうTressFX 4.0の機能を強化し、開発者がよりリアルな表現をできるようになる。

TressFX 4.0

Advanced Media Framework 1.4

 Advanced Media Framework 1.4により、H.265でのエンコードが可能になる。

Advanced Media Framework 1.4

LiquidVR

 LiquidVRがマルチGPUに対応し、デュアルカード構成では1つのカードに右目用、もう1つのカードに左目用のレンダリングを分散できる。まずは、Serious Sam VRが対応する。

 また、マルチ解像度に対応し、視点周辺は高解像度でレンダリングし、周辺部分は低解像度にすることで、描画性能を向上できる。

左右それぞれの目ごとにGPUを割り当てる
マルチ解像度に対応
TrueAudioの次世代版「TrueAudio Next」をサポート
LiquidVRの機能

プロ向け

ゲームエンジン統合

 AutoCAD、Stingray、Revit、Unityといったレンダリング、ゲームエンジンと統合され、性能が向上。

ゲームエンジン統合

LiquidVR対応

 プロ向け製品でもLiquidVRに対応したほか、プロ向けのVRアプリへの対応も強化した。

Linux対応

 プロ向け製品でのLinux対応を改善し、性能向上に加え、FreeSync 1.0、DirectGMA、Vulkan for RHELなどに対応する。

プロ向けにLinux用ドライバを提供

仮想化

 VMware vSphre 6.5に対応。

コンシューマ向け

HDMIディスプレイケーブルチェック機能

 画面が写らない時に、ケーブルに問題があるのかどうかをチェックする機能が追加。具体的には、映像が出力されない時、段階的にディスプレイタイミングを落としていき、画面が出た段階でケーブルが悪いのかどうかを確認できる。

HDMIケーブルが問題ないか信号を検出できる

VP9デコードアクセラレーション

 VP9動画のデコードアクセラレーションに対応。

VP9をサポート

HDRゲーミング

 Dolby VisionとHDR 10規格に対応し、対応ゲームにおいてHDR表現が可能となる。

Dolby VisionとHDR 10をサポート

FreeSync

 FreeSync対応環境で利用している際、フレームレートを急激に変更させるのではなく、段階的に変更させることで、よりスムーズにフレームレートが変化する。

FreeSync利用下でのフレームレート変化がスムーズに

DisplayPort HBR3対応

 DisplayPort HBR3に対応し、今後登場予定の8Kディスプレイに対応可能。

DisplayPort HBR3をサポート

XConnectテクノロジ

 XConnectテクノロジに対応し、Thunderboltを使った外付けGPUボックスに正式対応する。

Thunderboltを介して外部GPUを接続できるXConnectをサポート

アップグレードアドバイザ

 アップグレードアドバイザを搭載。Steamでゲームをプレイする際に、自分のハードウェアがそのゲームの要件を満たしているかがチェックされ、足りていない場合は、その事を示すアイコンと、Amazon.comへのリンクが表示。リンクをクリックすると、そのゲームが推奨するパーツ(GPUなど)のページが表示される。この機能は北米でのみ有効となる。

アップグレードアドバイザがゲームプレイに必要なハードウェア要件を伝える

LinuxでのFreeSync

 コンシューマ向けもLinuxでFreeSyncを利用できるようになる。

Linux環境でもFreeSyncをサポート

 このほか、数多くのバグ修正や安定性向上も図られている。