PC短評

Intel Processor N95搭載で2万円台の驚異コスパ!「GMKtec NucBox G1」

NucBox G1

 最近、筆者の回りでAlder Lake-Nを搭載した小型PCが話題を呼んでいる。低価格でありながらそこそこの性能を実現しているからだ。かつて「艦これ」のためにBay Trail搭載タブレットをこぞって買っていた時代のような感覚である。そして小型PCを多くリリースしているGMKtecからも、Intel Processor N95を搭載した小型PC「NucBox G1」が登場した。今回このNucBox G1を簡単に紹介したい。

 特徴は何といってもその価格である。執筆している5月9日現在Amazonでの価格は、メモリ8GB+ストレージ512GB版が2万2,800円の1,500円引きクーポン付き(つまり2万1,300円)、メモリ16GB+ストレージ1TB版が2万6,552円。日常的な用途ならまず困ることはないスペックが、3万円未満で入手できるのである。

 正直、8GB+512GB構成はWebブラウジングやワープロ/表計算、スライド作成程度なら十分すぎるほどだと思うし、OSをUbuntuなどに入れ替えて遊ぶのにももってこいだろう。16GB+1TB構成ともなればNASやちょっとしたサーバーとして普通に使えるのではないかとさえ思えてしまう。

 インターフェイスも小型の割に充実しており、前面はUSB 3.1×2、背面はUSB 3.1×2、HDMI出力×2、2.5Gigabit Ethernet、3.5mm音声入出力となっている。なお、Wi-Fi 6とBluetooth 5.2も搭載しているが、最近採用例が増えているIntelの「AX101」ではなく、Realtekの「RTL8852BE」を採用している。

 天板は光沢のあるプラスチックで、GMKtecのロゴが大きくプリントされている。回りのシャーシは金属製のようで、ひんやりしていて少し高級感がある。デザイン的にはIntel初期のNUCを彷彿とさせるが、黄緑色の電源ボタンがチャームポイントだ。

パッケージ
HDMIケーブルやVESAマウンタが付属している
本体前面にはUSB 3.1を2基装備。電源ボタンがチャームポイント
背面のインターフェイスはUSB 3.1×2、HDMI出力×2、2.5Gigabit Ethernet、3.5mm音声入出力と、必要十分だ
本体右側面と左側面は通気孔のみ
EQ12 Pro(左)と比較すると、フットプリントはやや小さく、厚みがやや増えている

 底面四隅のネジを取り外すことで内部にアクセス可能だ。ちなみに底面カバーは2.5インチシャドウベイとなっているようだが、SATAケーブルやコネクタなどはなく使えない。代わりにSATA用のM.2 2242スロットが1基空いており増設できる。メモリモジュールとしてDDR4-3200準拠のWodposit製モジュールが装着されていたほか、SSDはLexar製のDRAMキャッシュレスSSD「NM620」が使われていた。いずれも換装可能である。

本体内部。メモリモジュールModposit、SSDはLexar製だった

 ベンチマークの結果を見れば分かる通り、一般的なPC利用時における性能の指標となるPCMark 10では「3003」というスコアを示した。ハイエンドなモバイルCPUでは6000を超えるスコアも珍しくなくなってきたのでそれと比較すると半分のスコア程度ではあるが、2世代前のGemini Lakeでは1700台が多いので8割以上も高速だ。一般的な操作はキビキビしており、全く不満はない。

 さすがに独自にTDP 20Wで動作するN100やDDR5メモリを搭載したEQ12などと比較するとやや劣るが、数千円の価格差を考えると、むしろコストパフォーマンス的には優れていると言える。セカンドマシンがほしいパワーユーザーや気軽にPCをはじめたいユーザーに最適な1台だろう。

PCMark 10の結果
Cinebench R23の結果
3DMark Fire Strikeの結果
3DMark Night Raidの結果
3DMark Wild Lifeの結果

【12時10分訂正】記事初出時、ディスプレイ出力の記述が誤っておりました。お詫びして訂正します。