PC短評

大きい!速い!握りやすい!8型ポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1」ファーストインプレッション

AOKZOE A1

 8型液晶を搭載したポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1」が、いよいよ日本にも上陸。代理店はハイビームで、近日中にも販売開始する予定だ。今回事前に試作機に触れる機会があったので、簡単にファーストインプレッションをお伝えしよう。

 このところ過熱気味と言っても過言ではないポータブルゲーミングPCだが、GPD、ONE-NETBOOK、AYA NEOに続いて第4勢力が日本に上陸した。AOKZOEはブランド第1弾の製品でありながら“世界初のRyzen 7 6800U搭載ゲーミングUMPC”を掲げており、中国国内では既に数千台の販売実績もあるという。

 Ryzen 7 6800U搭載のゲーミングUMPCはこれまでAOKZOE A1のほかに、「GPD WIN Max 2」、「GPD WIN 4」、「AYA NEO 2」で採用が決まっているのだが、このうち完全な競合と言える純粋なスレート型はAYA NEO 2のみ。AYA NEO 2は発表されているもののまだ販売が開始されていないので、現時点においてAOKZOE A1はRyzen 7 6800U搭載としては唯一無二の選択である。

本体背面
ショルダーボタン部
本体底面のインターフェイス
本体上部のインターフェイス
コントローラ左側。十字キーが円形になっており、かつてのセガサターンを彷彿とさせる
コントローラ右側。ボタン配列などはONEXPLAYERにそっくりだ

 さてそのAOKZOE A1のフォルムを見て最初に思い浮かぶのは、ONE-NETBOOKの「ONEXPLAYER」ではないだろうか。実際に製品を並べてみてみたが、ボタンの位置に若干の違いはあれこそ、正面から見た感じはほぼそのままだった。背面にも(位置こそ右寄りで違うが)キックスタンドを備えており、ぱっと見た感じONEXPLAYERのバリエーションモデルな印象だ。

 ただ、AOKZOE A1のボリュームキーは背面ではなく本体上部にあるほか、指紋センサー兼電源ボタンがなく、これも上部にある電源ボタンのみとなっている。一方で底面はキーボード接続用のポゴピンはなくなり、USB Type-Cとなっている。さらに、ショルダーボタンは左右寄りの実装になり、ファンもシングルになっているなど、相違点も多い。

ONEXPLAYER(左)とAOKZOE A1(右)
キックスタンドの位置や、背面のデザインが異なる

 加えて表の部分にはパターンも刻印されており、ONEXPLAYERよりもサイバーな印象を受ける。さらに、試作機ではOS起動時には光らなかったが、グリップ手前の部分にはLEDイルミネーションも内蔵されている。この部分は手にした際に隠れて見えなくなるので、キックスタンドで立たせた際の雰囲気づくりの意味合いが強いのだが、逆に言えば手に握ってゲームプレイする際に気をそらす要因にはならないので、よく考えられているともいう。

 また、グリップ部も大胆な出っ張りとなっており、ホールド感はONEXPLAYERよりも上。さらに、握ってすぐに実感できたのは軽量性。今回入手した試作機は65Whのバッテリを備えているが、重量は729g(実測でも728g)と、ONEXPLAYERの820gと比較しても91gも軽い。実際に30分ほど手に持ってゲームプレイしてみたが、軽快でストレスにならなかった。

 コントローラの使い勝手も秀逸で、ジョイスティックの移動距離や反発力、ボタンの深さや押し心地、ショルダーボタンやアナログトリガーの深さなど、据え置き型ゲーム機のコントローラと遜色ない印象だった。

特に大きく異なるのはグリップ部で、AOKZOE A1の方がグリップ感が高い(ただし厚みは出るので良し悪しではある

 今回は試作機ということもあり、TDP 15Wというデフォルトの状態でいくつかベンチマークを実施してみたが、新世代のRyzen 7 6800UはやはりCPU/GPUともに大きな性能の進化が感じられた。PC Watchでは量産機が届き次第、より詳細なレビューをお届けする。

PCMark 10の結果
3DMark Time Spyの結果
3DMark Fire Strikeの結果
3DMark Wild Lifeの結果
3DMark Night Raidの結果
ファイナルファンタジーXIVのベンチマーク結果