PC短評

シリアルポート搭載のファンレス超小型デスクトップ「ThinkCentre M90n-1 Nano IoT」

「ThinkCentre M90n-1 Nano IoT」

 レノボ・ジャパン株式会社は、エッジコンピューティングに適したとする容積0.55Lの「ThinkCentre M90n-1 Nano IoT」を発売した。

 筐体自体が大型ヒートシンクとなっており、ファンレスで駆動するのが特徴。気温が高い環境や、ホコリが多い環境などでの利用にも適しているという。ヒートシンク上部には通気性の高いプラスチック製のカバーが装着され、ヒートシンクの冷却効率を高めている。

 CPUはCeleronまたはCore i3が選択可能で、メモリは4GBまたは8GB、ストレージは128GB。OSにWindows 10 Proを採用するほか、Windows 10 IoT Enterprise LTSCも選択できる。無線通信はWi-FiとBluetoothに加え、LTEおよびLoRaにも対応可能だ。

 今回試用したのは「11AH0007JP」というモデルで、CPUにCore i3-8145U、メモリ4GB、ストレージ128GB、OSにWindows 10 Proを搭載し、税別直販価格は88,000円とされている。なお、11月6日時点で直販で用意されている「スタンダードモデル」は、上記仕様からSSDを256GB増量して税込み79,200円、eクーポン利用で68,112円となっている。

 インターフェイスはUSB 3.1×4(うち2基はType-Cでディスプレイ出力や給電にも対応)、DisplayPort、Wi-Fi、Bluetooth、音声入出力、Gigabit EthernetについてはCore i3モデルでは2基搭載可能。ディスプレイ出力がDisplayPortとUSB 3.1 Type-Cのみのため、ディスプレイとの接続には注意が必要だ。本体サイズは約179×88×34.5mm(同)、重量は約720g。

 モバイル向けプロセッサを採用しているため高性能ではないが、基本的な操作でもたくつことはない。製品自体はエッジコンピューティングや工場などの組み込み環境への導入を想定しているが、24時間駆動を想定した家庭内サーバーなど、ファンレス動作の小型デスクトップPCとしても十分に使える。天面全体がヒートシンクになっている個性的なデザインにピンときた人にも、おすすめとしたい。

前面には電源ボタンのほか、シリアルポート2基、USB 3.1 Type-C、USB 3.1×2、ヘッドフォンマイク対応ステレオミニジャックを備える
背面には電源端子、Display Port、USB 3.1、USB 3.1 Type-C、1000BASE-T×2、無線LAN用アンテナ接続端子を装備
底面部。ネジを外して開けるとSIMスロットなどにアクセスできる
左右側面とも端子類はなく、通気口のみを備える
無線LAN用アンテナを含む本体重量は実測で716gだった
ACアダプタとケーブルは327g
USB接続のキーボードとマウスが付属する
プラスチックのカバーを外すとヒートシンクが確認できる
PCMark 10の結果は2,579だが、グラフィックスドライバが古く、一部テストが正常に動作しなかった。強制的に最新のドライバを当ててみたところ、2,837くらいまでスコアは上がったが、画面表示が乱れるなど動作が不安定になってしまった
3DMarkの「Sky Diver」の結果は3,098