インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班

黒田瑞貴、レトロアドベンチャー「THE MAN I LOVE」に挑むも、史上最速で詰む

 こんにちわ、黒田瑞貴です! 今回プレイするゲームは、1989年にシンキングラビットから発売されたX68000版『THE MAN I LOVE』です。レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」で440円で購入可能です。モノクロのPC-8801版からグレードアップされ、カラーでポップなキャラクターたちが可愛い作品です。

レトロゲームは、ビジネス向けのPCでもさくさく動くということで、この連載ではマウスコンピューターさんの「mouse F5-i5」を利用していきます。おもな仕様は、Core i5-10210U、メモリ8GB、SSD 256GB、フルHD液晶を搭載しています。レトロゲームをプレイするさいの参考にしてください
THE MAN I LOVEタイトル画面

 このゲームは、コマンド入力式アドベンチャー推理ゲームで、自身のキーボードで文字を打ち込みながらストーリーを進め、事件を解決していきます。

 コマンド入力式とは、いくつかの単語を組み合わせ、ゲーム操作をキーボードで直接入力していく仕様で、例えばキャラクターにドアを開ける指示を出す場合「ドア アケル」と入力し、誰かと話をする場合も「オトコ ハナス」といったキーボード入力が必要になります。コマンドは主に名詞+動詞の形で、カナと英語どちらにも対応しているので、「ドア アケル」でも、「OPEN DOOR」でも同じ意味で入力したことになります。

コマンド入力方式なので、ドアを開けるには「ドア アケル」とキーボードで入力します

 コマンド入力式を既にプレイ済みの方は、すいすい前に進めるかも知れませんが、知らないならコマンドを探したり、覚えたりするところからスタートです。私はそもそもコマンド入力式を知らなかったので、初めての時はだいぶ苦戦しました……。以前プレイした同じ会社の、道化師殺人事件は11時間以上かかりました(笑)。

 一瞬「めんどくさい?」って思うかもしれませんが、このコマンドを見つける作業も結構楽しくて醍醐味です! 推理ゲームが好きな方にはおススメのレトロゲームになっています!

 そんな今回のゲームは、ニューヨークで私立探偵を営む主人公が、お金持ちの未亡人ミズ・マクガイアから、盗まれた宝石3点と現金1万5千ドルを取り戻してほしいと依頼を受け、物語がスタートしていきます。

 スタートしていきま…

 スタートしていきません。

 いつになってもスタート地点のオフィスから出られない……。え……。まさか ?いろんなコマンドを探し格闘ましたが、どうやら歴代最速詰みをかましたみたいです(笑)。

 ゲームを始めると最初に来る依頼者がいるのですが、この男の依頼は「NO」または「ムリ」などで、追い払わなければ物語がスタートできません。なんという罠!!!これ全員ひっかかるよ( ;∀;)!

最初の依頼を受けると、なんと詰む……

 というわけで開始30秒で詰んでいたらしく、早くも2度目のオープニング。

早速2回目のオープニング

 男性の依頼を断った後、かかってくる電話に出て本物の依頼を受け、ここからゲームスタート!ふぅ、最初から仕掛けてきたな…。

 本命のミズ・マクガイアからの依頼を受けた後、引き出しを開けると本が出てきました。この本のように、アイテムは画面の右側の欄に移動し、要所要所で使うことができます。ただアイテムも使えるものだけでなく、関係のないもの、フェイクも混じっています。ちなみにこの本はフェイクです。なんか沢山英文が出てきたので、「え!?これは事件解決のヒントなのでは!!」と思わせてきますが、何の関係もありませんでした。

 アイテムは常に表示もされていますが、コマンド「モチモノ」でも確認できます。

机の引き出しにあった本はクリアには関係がなかった

 私はオフィスを出て依頼人マクガイアの家に行くことにしました。ここで本人に詳しい話を聞くと、なくなった宝石は今は亡き主人から貰った、とても大事なものだと言う。サファイア、ダイヤ、ブローチの3つの宝石と1万5千ドルも盗まれているのに、サファイアの指輪が戻ってくるなら、他のものは要らない。それくらい大事なものだそう…。宝石の鑑定書と犯行の日時、宝石を買った骨董品店などを聞き捜査を続けていきます。

 いったんオフィスに戻ると、すぐに電話が鳴りました。相手は、先ほどまで一緒にいたミズ・マクガイアからで「警察から電話があり、ある男が殺され、その男が盗まれた宝石を持っていた。」とのこと。

 え? そいつ犯人でよくね?って思ったけど、心にしまって私も事件現場に行くことに!

ちなみに、こんな感じでペットと一緒にプレイしています

 現場に着くと警官が何人か立っていて、中は見えない。ただ警察に事件の事を聞くと、全部話してくれる。もう本当に何でも話してくれる。しかも殺人現場にもいれてくれる。これは良いんだろうか……。私は探偵で、あくまで一般人。警官ではないんですよ? なんて細かいこと気にしてたら、名探偵コ〇ンもじっちゃんの名に懸けて楽しめなくなるので、やめましょう!

殺人事件現場

 ここで現場を調べていると、探していた指輪が出てきた。

 「案外あっさり見つかった。」と思いながら、証拠品の指輪を警察に見せた。

 「ユビワ ミセル」

 「証拠品として預かり、持ち主に返しておく。」と指輪がアイテム欄から消えた。

 あ……。勘で分かる。これ詰んだぞ……。

 こんな感じに予期せぬ事態に巻き込まれることも(警察に証拠品見せたら取られるくらい、想像できなかったのか私!)。

 ただこんなこともあろうかと、定期的にセーブしていた私 !えらいぞ! レトロゲームを初めて半年、もう息をするようにセーブする癖がついた。

 自動セーブ? そんな便利なものあるわけないだろう! もう半年前の私ではないのだ。セーブも10個までできるので、セーブしながら進むのがいいと思います。でないと、気が付いた時には詰んでいて最初から……、なんてことも結構あるので。実際にこの指輪を警察に取られてしまったのは、詰みでした。

警察に指輪を見せると、これも詰み

 中盤までゲームを進めると、追い詰めた容疑者が突然逃亡し、こちらも追いかけ事情を聞くと、ここまで来てしらばっくれてきたりします。逃げ出すんだから、もう黒だろ! ここまで来て、しらばっくれるな! そう思いますが、男はしらを切り通そうとします。そんな時は拳で解決しましょう。容疑者がはくまで何度でもグーパンです。

解決方法「拳」

 何度か左フックを入れると、事件について知ってることを教えてくれるので、問題がおきたらとりあえず左フックで解決しましょう。なんかすっきりするし、おススメです。

 ちなみにこの方、犯人ではなかったので、殴られ損です。ごめんなさい。

 荒くれ者が集まる街や、麻薬の取引など、危なそうなことにどんどん首を突っ込んでいき、事件の糸口を探っていきます。

 そして遂に、N人目の犯人らしき人を追い詰めることに成功!

 N人目の犯人らしき人は、骨董品店のマコール。明らかに怪しい車に乗っていました。

 理由はそれだけです。

 ただマコールを尾行していると、明らかに様子がおかしい。めっっっっちゃ怪しい袋待ってる!!

 「え!!黒じゃん!(N回目)」

 とりあえず何をしたらいいのか困ったので、マコールおじいさんを殴ることにした。

 「ナグル」

 しかし私の左フックよりも先に、おじいさんのスコップが頭に直撃。目の前が真っ暗になりTRY AGAINの文字。

殴りかかったら、殴られた
そしてバッドエンド

 THE ENDの画面がでてきた。

 えええええええ! 後ろから殴りかかったのに! マコールを倒せず、逆にやられてしまいBAD END? になってしまいました。

 ということでセーブしていたポイントからやり直します。グーパンじゃダメなら……もう。これしかない。

 ででん。必殺、銃で脅す。あるいは……、やるしかない。

最終兵器

 さすがにマコールおじいさんも、銃には勝てないと観念してくれました。そしてサスペンスの醍醐味と言ってもいいでしょう。犯人が速攻で自供。

 骨董商のマコールがまだ若かったころ、1組の夫婦に指輪を売った。それがミズ・マクガイア夫妻だった。しかしその指輪は偽物で、若かったマコールは偽物の宝石をサファイアと鑑定し、誤って売ってしまった。今や大人気になったマコールは偽物を売った事実を、どうしてもなかったことにしたかった。経歴に傷がついて、店の人気が地に落ちる。それだけは避けたかった。そして今回の事件に踏み切ったのだ。

 事件の全貌がわかったところで、警察にマコールを引き渡し、指輪をミズ・マクガイアに返しに行った。今は亡き夫が自分に買ってくれた、婚約指輪だから、偽物とわかった今も、自分の1番大切なものには変わりないと泣いていた。なんていい人なんだ、ミズ・マクガイア。

 こんな感じで、ゲームはクリアになりました! 少し悲しい物語ですが、シンキングラビットらしい、しっかりしたストーリーでした!

 ストーリーや攻略は、ボリュームが大きいのでここに書いたのは、このゲームのほんの一部です! 面白そうだなっと思ってもらえたなら、ぜひプレイや動画をのぞいてみて下さい。愉快な謎解きが待ってます!

 それでは今回も、ご清覧ありがとうございました!

インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班『THE MAN I LOVE』