西川和久の不定期コラム
ユニットコム「LEVEL∞ Nシリーズ/Lev-15FX076-i7-SE」
~第6世代Core i7とGeForce GTX 965Mを搭載した15.6型フルHDゲーミングノート
(2016/4/27 06:00)
株式会社ユニットコムは4月12日、第6世代Core i7とGeForce GTX 965Mを搭載した15.6型フルHDゲーミングノートPC、「LEVEL∞ Nシリーズ/Lev-15FX076-i7-SE」の販売を開始した。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。
LEVEL∞ Nシリーズとしては中位モデルに相当
同社のLEVEL∞ Nシリーズは、ゲーミングノートPCを多数ラインナップしている。15.6型フルHD(一部4K/IGZOもしくは17型)を基本としてザックリ分けると、SkylakeアーキテクチャのCore i3/i5/i7+GeForce GTX 950M、Core i5/i7+GeForce GTX 960M、Core i5/i7+GeForce GTX 965M、Core i5/i7+GeForce GTX 970M、Core i5/i7+GeForce GTX 980Mと、GPUのランク別に5種類ある。税別価格は89,980円から236,980円と幅広い。
今回ご紹介するLev-15FX076-i7-SEは、ちょうど真ん中のGeForce GTX 965Mを搭載したモデルとなる。主な仕様は以下の通り。
ユニットコム「LEVEL∞ Nシリーズ/Lev-15FX076-i7-SE」の仕様 | |
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プロセッサ | Intel Core i7-6700HQ(4コア/8スレッド、2.6GHz/3.5GHz、キャッシュ6MB、TDP 45W) |
メモリ | 8GB(4G×2)/DDR3L-1600 SO-DIMM |
ストレージ | 500GB HDD |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
OS | Windows 10 Home |
ディスプレイ | 非光沢15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)液晶ディスプレイ、タッチ非対応 |
グラフィックス | GeForce GTX 965M(GDDR5 2GB)、ミニD-Sub15ピン/HDMI/Mini DisplayPort 1.2 |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2 |
インターフェイス | USB 3.0×4、200万画素Webカメラ、SDカードスロット、ヘッドフォン/スピーカー出力×1、マイク入力×1、S/PDIF出力(ミニプラグ型)×1 |
バッテリ駆動時間 | 約4.6時間 |
サイズ/重量 | 385×268×28.5mmmm(幅×奥行き×高さ)/約2.58kg |
価格 | 税別132,980円から |
プロセッサはCore i7-6700HQ。4コア8スレッドで、クロックは2.6GHzから最大3.5GHz。キャッシュは6MBでTDPは45Wだ。メモリは2スロットあり、DDR3L-1600 SO-DIMMの4GBを2枚、計8GB搭載している。ストレージは500GBのHDD。光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブも内蔵。OSは64bit版Windows 10 Homeだ。
グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel HD Graphics 530と、Maxwellアーキテクチャ採用の1024 CUDAコアを搭載したGeForce GTX 965M(2GB/GDDR5)を搭載。外部出力用に、ミニD-Sub15ピン/HDMI/Mini DisplayPort 1.2の3系統を備える。出力が3系統あるのは少し珍しい。ディプレイは非光沢の15.6型フルHDで、タッチには非対応となる。
ネットワークは、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2。
そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×4、200万画素Webカメラ、SDカードスロット、ヘッドフォン/スピーカ出力×1、マイク入力×1、S/PDIF出力(ミニプラグ型)×1。USB 3.0が4ポート、デジタル音声出力があるのがポイントとなるだろうか。
サイズは385×268×28.5mmmm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.58kg。バッテリ駆動時間はJEITA測定法Ver.2.0準拠で約4.6時間となる。
税別価格は132,980円から。カスタマイズ可能で、OSにWindows 10 Pro、メモリ容量を16GB、ストレージにM.2 SSDの追加、HDDの容量変更などを指定することが可能だ。
天板も含め全体がマットなブラックで、ゲーミングノートPCにありがちなアクセントに赤などを散りばめるようなデザインにはなっていない。パッと見は普通の15.6型ノートPCに見えるため、動画編集など、ゲーム以外のCPUやGPUパワーが必要な用途でも違和感なく利用できる。
前面はパネル中央上に200万画素Webカメラ、正面側面左にステータスLED。後ろ側面にUSB 3.0、HDMI、Mini DisplayPort、電源入力。左側面にロックポート、USB 3.0×2、S/PDIF出力、マイク入力、ヘッドフォン/スピーカ出力、DVDスーパーマルチドライブ。右側面にGigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピン、USB 3.0、SDカードスロットを配置。
後ろ側面にUSB 3.0、HDMI、Mini DisplayPort、電源入力があるので、外部ディスプレイやストレージを接続しても、ケーブルがテーブル上に目立つことなく拡張できるのはポイントが高い。
裏はネジ2本で止められたバッテリがあり、ワンタッチでないものの、着脱は可能だ。メモリやストレージにアクセスできるような小さいパネルはない。付属のACアダプタのサイズは約145×73×25mm(同)、重量467g。
15.6型のディスプレイは、非光沢のパネルが使われており眼に優しい。明るさは十分だが、発色は色温度が若干高く(青っぽい)、またコントラストと視野角も少し弱めで、GeForce非搭載のビジネス用ノートPCのような平凡な品質だ。赤などの原色がそれほど鮮やかでないため、ゲーミング用途としては、少し寂しい感じがする。
キーボードは5段階のキーボードバックライトが付いたアイソレーションタイプ。作りもしっかりしており、安定した入力が可能で、ゲーム時の反応も良さそうだ。バックライト付きのキーボードはいろいろ試用してきたが、5段階というのはかなり珍しい。ただし、ブロックで色分けするなどの機能はない。
タッチパッドは物理ボタンが2つあるタイプだ。元々本体のフットプリントが広いため、面積も十分確保され扱い易い。ボタンは少し深めのクリックだろうか。
ノイズや振動は、通常用途においてはほぼ気にならないレベルに収まっている。発熱もパームレストまでは上がってこない。ただ、3DMark実行時はGPUがフルに動作するため、後ろ側面にある排気口から、熱いとまではいかないが、温かい空気が出る。
サウンドは、スピーカーがキーボード上の左右のメッシュに埋め込まれているので、ダイレクトに耳に届きクリアな音。しかし、「Sound Blaster Cimema 2」の有無に関わらず、低音が出ず迫力に欠ける。ゲーミングモデルであれば、もっと音にはこだわって欲しいところか。とは言え、音声のデジタル出力もあるので、外部の高品質なサウンドシステムと容易に接続が可能だ。「いくら頑張ってもノートPCでは限度がある。こだわるならこちらで……」という、メーカーのメッセージなのかも知れない。
プロセッサとGPUは速いもののHDDがネック。ぜひSSDへ変更を
OSは64bit版のWindows 10 Home。初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面で、Windows 10標準のまま。デスクトップは壁紙の変更に加え、「GeForce Experience」、「Steam」、「Intel HD Graphicsコントローラー」、「ノートン セキュリティ」のショートカットが並んでいる。
HDDは500GBで、5,400rpmのWD「WD5000LPCX」。Cドライブのみの1パーティションで、約464.77GBが割り当てられている。空きは442GB。DVDスーパーマルチドライブはSlimtype「DVD A DU8A6SH」が使われている。
仕様のところで少し触れたが、カスタマイズで500GB/1TB HDD、128/240/250/500/512GBのSSD(SATAタイプもしくはSamsung 850 EVOシリーズ)、増設用のM.2 SSD(NVMe接続/Samsung 950 Pro) 256/512GBも搭載可能だ。さすがにこのスペックでメインのストレージがHDDでは遅いので、ぜひSSDを選択したい。
Gigabit EthernetはRealtek製、Wi-FiはIntel「Dual Band Wireless-AC 8260」。BluetoothもIntel製だ。そのほか、特に目新しい(珍しい)デバイスはない。
インストール済みのソフトウェアは、Windowsストアアプリは特に無く、デスクトップアプリは「Control Center」、「Sound Blaster Cimema 2」、「ノートンセキュリティ」、「Steam」。加えてNVIDIAやIntelのツール系などとなる。
「Control Center」は、パフォーマンス設定(静音/省電力/パフォーマンス/エンターテイメント)、ファン、キーボードバックライト/タッチパッド/カメラの有効・無効、ゲーミング時の左Windowsキー/ヘッドホンなどのプリセットなど、名前の通りPCのコントロールが行なえるツールだ。
ベンチマークテストには、「winsat formal」コマンドとPCMark 8 バージョン2を実行。GeForce GTX 965Mなので、3DMarkの結果も見ていきたい。バッテリ駆動時間テストはBBenchで、またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は4コア8スレッドと条件的に問題があるので参考まで)。
winsat formalの結果は、総合 5.7。プロセッサ 8.2、メモリ 8.2、グラフィックス 5.7、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 5.9。メモリのバンド幅は20,199MB/s。PCMark 8 バージョン2は3,403となった。
3DMarkは、Ice Storm 74,443、Cloud Gate 19,060、Sky Diver 16,729、Fire Strike 5,365。CrystalMarkは、ALU 72,451、FPU 68,959、MEM 66,728、HDD 12,962、GDI 16,582、D2D n/a、OGL 38,852。どれもかなりの高スコアだが、HDDが足を引っ張っている。
BBenchは、キーボードバックライトオフ、バックライト最小、キーストローク出力オン、Web巡回オン、Wi-Fiオン、Bluetoothオンでの結果だ。バッテリの残5%で29,022秒/8.0時間。仕様上は約4.6時間だが、測定方法がJEITA測定法Ver.2.0準拠かBBenchかの違いだ。
以上のように、ユニットコム「LEVEL∞ Nシリーズ/Lev-15FX076-i7-SE」は、15.6型フルHDのパネルと、Core i7+GeForce GTX 965Mを搭載したゲーミングノートPCだ。メインのストレージがHDDなので、その分、動作が遅くなってしまうのがもったいないところ。カスタマイズでぜひSSDに変更したい。
サウンドや液晶パネルの品質が平凡なのが残念な部分ではあるが、仕様の範囲内では特に気になる部分もない。用途や予算に応じてさまざまなモデルを選べるので、ゲーミングノートPCに限らず、動画編集などにも興味のある方にオススメのシリーズと言えよう。