西川和久の不定期コラム

ファーウェイ・ジャパン「MateBook D(2018年モデル)」

~第8世代Core i7搭載を搭載し16.9mm厚の15.6型ノートPC

製品写真

 ファーウェイ・ジャパンは5月10日、15.6型ノートPC「MateBook D (2018年モデル)」を発表、18日より販売を開始した。

 Core i5モデルとCore i7モデルのうち、Core i7モデルが編集部より送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。

第8世代Core i7とGeForce MX150を搭載した薄型15.6型ノートPC

 モデル名が「MateBook D(2018年モデル)」ということもあり、「では2017年モデルはどうだったのか?」と気になる人も多いだろう。

 ザックリとした違いは、第7世代Core i7、GeForce 940MX、ストレージはHDDのみ、キーボードがUS配列というあたりが、おもな違いとなる。サイズや重量、各種インターフェイス、ネットワーク、パネルなどは同じだ。また、ストレージがHDDのみの関係上、価格も10万円を切っている。

 その旧モデル(2017年10月発売)から約半年でモデルチェンジしたのが、今回ご紹介する「MateBook D (2018年モデル)」となる。おもな仕様は以下の通り。

ファーウェイ・ジャパン「MateBook D(2018年モデル)」
プロセッサCore i7-8550U(4コア8スレッド/1.8GHz~4.0GHz/キャッシュ8MB/TDP 15W)
メモリ8GB DDR4
ストレージSSD 128GB + HDD 1TB
OSWindows 10 Home(64bit)
ディスプレイ15.6型FHD(1,920x1,080ドット)、非光沢/タッチ非対応
グラフィックスGeForce MX150(GDDR5 2GB)/Intel UHD Graphics 620、HDMI出力
ネットワークIEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1
インターフェイスUSB 3.0×2、USB 2.0×1、100万画素カメラ、音声入出力
バッテリ駆動時間約8.5時間
サイズ/重量約358×239×16.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.9kg
カラーバリエーションミスティックシルバー
税別価格117,800円

 プロセッサはKaby Lake-RのCore i7-8550U。4コア8スレッドで、クロックは1.8GHzから最大4.0GHz。キャッシュは8MBで、TDPは15W。現在、Core i5-8250U/i5-8350U/i7-8550U/i7-8650Uと4つのSKUがあり、上から2番目に相当する。2017年モデルからの変更部分だ。

 メモリはDDR4の8GB、ストレージはHDD 1TBに加え、SSD 128GBの2ドライブ構成へと変更。速度と容量がアップした。体感的にはほかの強化点よりこの部分が一番効いてくる。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載。

 グラフィックスは、PascalアーキテクチャでノートPC用のGeForce MX150(GDDR5 2GB)と、プロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用にHDMIを備えている。これも2017年モデルから強化された部分だ。

 ディスプレイは15.6型非光沢のフルHD(1,920x1,080ドット)。タッチには非対応。800:1コントラスト、輝度250cd/平方m、色域はNTSC 45%。狭額縁で、画面占有率83%が本機の特徴の1つとなっている。

 ネットワークはIEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×1、100万画素Webカメラ、音声入出力。サウンドは「Dolby ATMOS Sound System」を搭載している。

 Gigabit EthernetとSDカードスロット非搭載が残念なところか。また先で触れたが、キーボードはUSキーボードから日本語キーボードへと変更された。

 サイズは約358×239×16.9mm(幅×奥行き×高さ)、約1.9kg。バッテリ駆動時間は最大8.5時間。カラーバリエーションはミスティックシルバーのみで、税別価格は117,800円。

 なお、Core i5-8250U(4コア8スレッド/1.6GHz~3.4GHz)を搭載し、ストレージがHDD 1TB、オーロラブルーのモデルも用意され、こちらは税別87,800円となっている。

前面。狭額縁なのが分かる。パネル中央上に100万画素Webカメラ
斜め後ろから。バッテリは内蔵式で着脱できない。天板にHUAWEIのロゴ
左には電源入力、HDMI、USB 3.0×2、音声入出力
右にはUSB 2.0×1
裏は四隅にゴム足、手前左右のメッシュにスピーカー
キーボードは10キーレスのアイソレーションタイプ。日本語キーボードとなった。タッチパッドはボタンのない1枚プレート型
キーピッチは実測で約19mm。[ね][る][め][ろ]キーのピッチが狭くなっているのが惜しい
ACアダプタのサイズは約60×60×25mm、重量183gと大きめ。出力19V/3.42A
重量(本体)は実測で1,869g
横から。厚みが16.9mmとこのクラスの割には薄め

 筐体はオールシルバーのメタリック調だ。15.6型で重量が約1.9kgということもあり、重いのは重いが、持ち運び可能な範囲だろう。

 前面はパネル中央上に100万画素Webカメラ。天板はロゴのみ。左側面は電源入力、HDMI、USB 3.0×2、音声入出力。右側面はUSB 2.0×1を配置。電源入力とHDMIが左側面の奥側にあるので、ディスプレイ接続時もケーブルで手前が邪魔にならない。

 裏は4隅にゴム足と、手前の左右スリットにスピーカー。バッテリは内蔵式で着脱できない。

 付属のACアダプタのサイズは、約60×60×25mm(同)、重量183gと少し大きめ。出力は19V/3.42A。プラグの部分は折りたためない。

 ディスプレイは、上左右のベゼルが狭い狭額縁。画面占有率83%なので、強烈に狭いわけではないものの、見た目はスッキリしている。明るさ、コントラスト、発色、視野角は良好。非光沢パネルなので眼に優しい分、発色は少し地味になる。

 キーボードはアイソレーションタイプの日本語キーボードだ。主要キーのキーピッチは約19mm。ただし、[ね][る][め][ろ]キーのピッチが狭くなっている。15.6型とフットプリントもそれなりにあるため、もう少し何とかならなかったのかと思うが、作りもふくめて、全体的には悪くない。

 タッチパッドは物理的なボタンがない1枚プレート型。パームレストもふくめ、十分面積が確保され扱いやすい。

 ノイズはないものの、振動が左側のパームレストに若干ある。発熱は負荷をかけると、おもにキーボード左上が熱を持つ。サウンドは、抜けはイマイチだが、そこそこパワーがありステレオ感もある。「Dolby ATMOS Sound System」を使って好みの音色に調整可能だ。

 写真からも分かるように、全体的に非常にシンプルにまとめられており、これといって特徴はないものの、飽きが来ないオーソドックスなノートPCに仕上がっている。

15.6型ノートPCとしては十分な性能

 OSは64bit版のWindows 10 Home。初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面、特に追加されたグループやタイルなどはない。

 デスクトップは、壁紙の変更とPC Managerへのショートカット追加とシンプルだ。Core i7、メモリ8GB、SSDということもあり、ストレスなく操作できる。2017年モデルと比較して、CドライブがSSDになった関係で、体感速度は相当向上しているはずだ。

 ストレージはSSD 128GBの「LITEON CV8-8E128」と、HDD 1TB/5400rpm/128MBの「WDC WD10SPZX」。Cドライブは約103GB、Dドライブは約931GBが割り当てられ、どちらも1パーティション。Cドライブの空きは80.1GB。Dドライブはフリーとなっている。

 Wi-Fiは「Intel Dual Band Wireless-AC 8265」、BluetoothもIntel製だ。GeForce MX150はGDDR5 2,048MB、CUDAコア数は384なのが分かる。

スタート画面(タブレットモード)は1画面。特に追加されたグループなどはない
起動時のデスクトップ。壁紙の変更とPC Managerへのショートカットを追加
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはSSD 128GBの「LITEON CV8-8E128」と、HDD 1TB/5400rpm/128MBの「WDC WD10SPZX」。Wi-FiとBluetoothはIntel製
ストレージのパーティション。Cドライブは約103GB、Dドライブは約931GBが割り当てられ、どちらも1パーティション
NVIDIAコントロールパネル。GDDR5 2048MB、CUDAコア384

 プリインストール済のソフトウェアは、「PC Manager」、「Dolby ATMOS Sound System」。前者はPC全体の検査、ハードウェア診断、ドライバー管理などを行なうツールとなる。

PC Manager
Dolby ATMOS Sound System

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下の通り。

ベンチマーク結果
PCMark 10 v1.0.1457
PCMark 10 Score3,362
Essentials6,801
App Start-up Score8,921
Video Conferencing Score6,123
Web Browsing Score5,761
Productivity5,803
Spreadsheets Score7,201
Writing Score4,677
Digital Content Creation2,613
Photo Editing Score3,152
Rendering and Visualization Score2,883
Video Editting Score1,964
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,574
Creative Accelarated 3.04,593
Work Accelarated 2.04,849
Storage4,824
3DMark v2.4.4264
Time Spy1,104
Fire Strike Ultran/a
Fire Strike Extreme1,588
Fire Strike3,094
Sky Diver9,706
Cloud Gate10,652
Ice Storm Extreme47,683
Ice Storm43,960
CINEBENCH R15
OpenGL70.21 fps
CPU407 cb
CPU(Single Core)122 cb
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード558.694 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト304.245 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード293.807 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト159.164 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード159.362 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト155.414 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード36.860 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト85.776 MB/s
BBench(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能)
バッテリ残量5%まで10時間59分02秒(仕様では約8.5時間)

 Core i7とノートPC系のGPU、そしてSSD搭載機としては一般的なスコアだろうか。GPUはGeForce MX150なので、ゲーミングPCとまではいかないものの、Core i7のパワーもあり、PCMark 10の各アプリケーションなどは結構良いスコアが出ている。

 バッテリベンチは10時間59分02秒と、仕様上の約8.5時間を大幅に超えた。ただ輝度最小だと結構暗いので、明るくした場合には仕様に近い時間になると思われる。とはいえ、15.6型でこれだけ持てば合格点だろう。


 以上のようにファーウェイ・ジャパン「MateBook D(2018年モデル)」は、2017年モデルをベースに、プロセッサを第8世代Core i7へ、GPUをGeForce MX150へ、HDDに加えSSDを搭載、そしてUSキーボードから日本語キーボードへ変更した15.6型フルHDノートPCだ。16.9mmの厚さでメタリックな筐体に、狭額縁のディスプレイもシンプルでカッコいい。

 サイズの割にGigabit EthernetとSDカードスロットがないのは残念ではあるが、それ以外、仕様上とくに気になる部分もなく、万人にお勧めできる15.6型スタンダードノートPCと言えよう。