西川和久の不定期コラム
ファーウェイ・ジャパン「MateBook D(2018年モデル)」
~第8世代Core i7搭載を搭載し16.9mm厚の15.6型ノートPC
2018年5月24日 11:00
ファーウェイ・ジャパンは5月10日、15.6型ノートPC「MateBook D (2018年モデル)」を発表、18日より販売を開始した。
Core i5モデルとCore i7モデルのうち、Core i7モデルが編集部より送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。
第8世代Core i7とGeForce MX150を搭載した薄型15.6型ノートPC
モデル名が「MateBook D(2018年モデル)」ということもあり、「では2017年モデルはどうだったのか?」と気になる人も多いだろう。
ザックリとした違いは、第7世代Core i7、GeForce 940MX、ストレージはHDDのみ、キーボードがUS配列というあたりが、おもな違いとなる。サイズや重量、各種インターフェイス、ネットワーク、パネルなどは同じだ。また、ストレージがHDDのみの関係上、価格も10万円を切っている。
その旧モデル(2017年10月発売)から約半年でモデルチェンジしたのが、今回ご紹介する「MateBook D (2018年モデル)」となる。おもな仕様は以下の通り。
ファーウェイ・ジャパン「MateBook D(2018年モデル)」 | |
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プロセッサ | Core i7-8550U(4コア8スレッド/1.8GHz~4.0GHz/キャッシュ8MB/TDP 15W) |
メモリ | 8GB DDR4 |
ストレージ | SSD 128GB + HDD 1TB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 15.6型FHD(1,920x1,080ドット)、非光沢/タッチ非対応 |
グラフィックス | GeForce MX150(GDDR5 2GB)/Intel UHD Graphics 620、HDMI出力 |
ネットワーク | IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1 |
インターフェイス | USB 3.0×2、USB 2.0×1、100万画素カメラ、音声入出力 |
バッテリ駆動時間 | 約8.5時間 |
サイズ/重量 | 約358×239×16.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.9kg |
カラーバリエーション | ミスティックシルバー |
税別価格 | 117,800円 |
プロセッサはKaby Lake-RのCore i7-8550U。4コア8スレッドで、クロックは1.8GHzから最大4.0GHz。キャッシュは8MBで、TDPは15W。現在、Core i5-8250U/i5-8350U/i7-8550U/i7-8650Uと4つのSKUがあり、上から2番目に相当する。2017年モデルからの変更部分だ。
メモリはDDR4の8GB、ストレージはHDD 1TBに加え、SSD 128GBの2ドライブ構成へと変更。速度と容量がアップした。体感的にはほかの強化点よりこの部分が一番効いてくる。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載。
グラフィックスは、PascalアーキテクチャでノートPC用のGeForce MX150(GDDR5 2GB)と、プロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用にHDMIを備えている。これも2017年モデルから強化された部分だ。
ディスプレイは15.6型非光沢のフルHD(1,920x1,080ドット)。タッチには非対応。800:1コントラスト、輝度250cd/平方m、色域はNTSC 45%。狭額縁で、画面占有率83%が本機の特徴の1つとなっている。
ネットワークはIEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×1、100万画素Webカメラ、音声入出力。サウンドは「Dolby ATMOS Sound System」を搭載している。
Gigabit EthernetとSDカードスロット非搭載が残念なところか。また先で触れたが、キーボードはUSキーボードから日本語キーボードへと変更された。
サイズは約358×239×16.9mm(幅×奥行き×高さ)、約1.9kg。バッテリ駆動時間は最大8.5時間。カラーバリエーションはミスティックシルバーのみで、税別価格は117,800円。
なお、Core i5-8250U(4コア8スレッド/1.6GHz~3.4GHz)を搭載し、ストレージがHDD 1TB、オーロラブルーのモデルも用意され、こちらは税別87,800円となっている。
筐体はオールシルバーのメタリック調だ。15.6型で重量が約1.9kgということもあり、重いのは重いが、持ち運び可能な範囲だろう。
前面はパネル中央上に100万画素Webカメラ。天板はロゴのみ。左側面は電源入力、HDMI、USB 3.0×2、音声入出力。右側面はUSB 2.0×1を配置。電源入力とHDMIが左側面の奥側にあるので、ディスプレイ接続時もケーブルで手前が邪魔にならない。
裏は4隅にゴム足と、手前の左右スリットにスピーカー。バッテリは内蔵式で着脱できない。
付属のACアダプタのサイズは、約60×60×25mm(同)、重量183gと少し大きめ。出力は19V/3.42A。プラグの部分は折りたためない。
ディスプレイは、上左右のベゼルが狭い狭額縁。画面占有率83%なので、強烈に狭いわけではないものの、見た目はスッキリしている。明るさ、コントラスト、発色、視野角は良好。非光沢パネルなので眼に優しい分、発色は少し地味になる。
キーボードはアイソレーションタイプの日本語キーボードだ。主要キーのキーピッチは約19mm。ただし、[ね][る][め][ろ]キーのピッチが狭くなっている。15.6型とフットプリントもそれなりにあるため、もう少し何とかならなかったのかと思うが、作りもふくめて、全体的には悪くない。
タッチパッドは物理的なボタンがない1枚プレート型。パームレストもふくめ、十分面積が確保され扱いやすい。
ノイズはないものの、振動が左側のパームレストに若干ある。発熱は負荷をかけると、おもにキーボード左上が熱を持つ。サウンドは、抜けはイマイチだが、そこそこパワーがありステレオ感もある。「Dolby ATMOS Sound System」を使って好みの音色に調整可能だ。
写真からも分かるように、全体的に非常にシンプルにまとめられており、これといって特徴はないものの、飽きが来ないオーソドックスなノートPCに仕上がっている。
15.6型ノートPCとしては十分な性能
OSは64bit版のWindows 10 Home。初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面、特に追加されたグループやタイルなどはない。
デスクトップは、壁紙の変更とPC Managerへのショートカット追加とシンプルだ。Core i7、メモリ8GB、SSDということもあり、ストレスなく操作できる。2017年モデルと比較して、CドライブがSSDになった関係で、体感速度は相当向上しているはずだ。
ストレージはSSD 128GBの「LITEON CV8-8E128」と、HDD 1TB/5400rpm/128MBの「WDC WD10SPZX」。Cドライブは約103GB、Dドライブは約931GBが割り当てられ、どちらも1パーティション。Cドライブの空きは80.1GB。Dドライブはフリーとなっている。
Wi-Fiは「Intel Dual Band Wireless-AC 8265」、BluetoothもIntel製だ。GeForce MX150はGDDR5 2,048MB、CUDAコア数は384なのが分かる。
プリインストール済のソフトウェアは、「PC Manager」、「Dolby ATMOS Sound System」。前者はPC全体の検査、ハードウェア診断、ドライバー管理などを行なうツールとなる。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下の通り。
ベンチマーク結果 | |
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PCMark 10 v1.0.1457 | |
PCMark 10 Score | 3,362 |
Essentials | 6,801 |
App Start-up Score | 8,921 |
Video Conferencing Score | 6,123 |
Web Browsing Score | 5,761 |
Productivity | 5,803 |
Spreadsheets Score | 7,201 |
Writing Score | 4,677 |
Digital Content Creation | 2,613 |
Photo Editing Score | 3,152 |
Rendering and Visualization Score | 2,883 |
Video Editting Score | 1,964 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 3,574 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,593 |
Work Accelarated 2.0 | 4,849 |
Storage | 4,824 |
3DMark v2.4.4264 | |
Time Spy | 1,104 |
Fire Strike Ultra | n/a |
Fire Strike Extreme | 1,588 |
Fire Strike | 3,094 |
Sky Diver | 9,706 |
Cloud Gate | 10,652 |
Ice Storm Extreme | 47,683 |
Ice Storm | 43,960 |
CINEBENCH R15 | |
OpenGL | 70.21 fps |
CPU | 407 cb |
CPU(Single Core) | 122 cb |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 558.694 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 304.245 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 293.807 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 159.164 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 159.362 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 155.414 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 36.860 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 85.776 MB/s |
BBench(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能) | |
バッテリ残量5%まで | 10時間59分02秒(仕様では約8.5時間) |
Core i7とノートPC系のGPU、そしてSSD搭載機としては一般的なスコアだろうか。GPUはGeForce MX150なので、ゲーミングPCとまではいかないものの、Core i7のパワーもあり、PCMark 10の各アプリケーションなどは結構良いスコアが出ている。
バッテリベンチは10時間59分02秒と、仕様上の約8.5時間を大幅に超えた。ただ輝度最小だと結構暗いので、明るくした場合には仕様に近い時間になると思われる。とはいえ、15.6型でこれだけ持てば合格点だろう。
以上のようにファーウェイ・ジャパン「MateBook D(2018年モデル)」は、2017年モデルをベースに、プロセッサを第8世代Core i7へ、GPUをGeForce MX150へ、HDDに加えSSDを搭載、そしてUSキーボードから日本語キーボードへ変更した15.6型フルHDノートPCだ。16.9mmの厚さでメタリックな筐体に、狭額縁のディスプレイもシンプルでカッコいい。
サイズの割にGigabit EthernetとSDカードスロットがないのは残念ではあるが、それ以外、仕様上とくに気になる部分もなく、万人にお勧めできる15.6型スタンダードノートPCと言えよう。