西川和久の不定期コラム
マウス、クリエイター向けKaby Lake搭載PC「DAIV-DGZ510S1-SH2」
~Core i7-7700とGeForce GTX 1060を搭載した最新鋭機種
2017年1月7日 06:00
主にノートPC用のSKUが先行していたKaby Lakeだが、CES 2017が開催されるタイミングでデスクトップ用など数多くのSKUが追加された。早速マウスコンピューターからCore i7-7700とGeForce GTX 1060を搭載した、クリエイター向けのデスクトップPC「DAIV-DGZ510S1-SH2」が発売されたので、試用レポートをお届けしたい。
最新鋭のKaby Lake Core i7搭載デスクトップ
ノートPC用のTDP 4.5WのYシリーズと15WのUシリーズに続き、今回CES 2017で発表されたのは、Xeon、デスクトップ用のCore Sシリーズ、オーバークロック(K型番)対応も含むCore Hシリーズなど。また、UシリーズにはIris Plus Grapchis内蔵モデルも追加された。
第7世代のKaby Lakeは、基本アーキテクチャは第6世代Skylakeと同じだが、ビデオエンジンの改良、14nm+と呼ばれる改良版の14nmプロセスルールが用いられ、最大クロック数がアップしている。
今回の「DAIV-DGZ510S1-SH2」に搭載されているプロセッサは、4コア8スレッド、TDP 65WのCore i7-7700。SkylakeのCore i7-6700と比較して、クロックが3.4GHz/4GHzから3.6GHz/4.2GHzへと200MHzの向上、そして内蔵GPUはHD Graphics 530からHD Graphics 630へと変わった。加えてDDR4-2400にも対応している。
マザーボードに搭載されているチップセットは、新型Intel 200シリーズのZ270。CPUソケットはSkylakeと同じLGA1151だ。従ってKaby LakeだけでなくSkylakeも動作する。また逆も同じで、従来のSkylake用マザーボードでもKaby Lake対応版UEFI(BIOS)を当てれば、Kaby Lakeが動作可能となる。主な仕様は以下の通り。
DAIV-DGZ510S1-SH2 | |
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プロセッサ | Core i7-7700(4コア/8スレッド、3.6~4.2GHz、キャッシュ8MB、TDP 65W) |
チップセット | Intel Z270 |
メモリ | DDR4-2400 16GB |
ストレージ | SSD 240GB、HDD 2TB |
OS | Windows 10 Home |
グラフィックス | GeForce GTX 1060(3GB) |
インターフェイス | Gigabit Ethernet、USB 3.0×6、USB 2.0×2、DisplayPort×3、HDMI、DVI、音声入出力 |
電源 | 500W(80PLUS Silver) |
本体サイズ | 190×490×490mm(幅×奥行き×高さ) |
税別直販価格 | 144,800円 |
プロセッサとチップセットは先に書いた通り。メモリは4スロットあり、DDR4-2400の8GB×2で計16GBとなっている。最大64GB搭載可能。OSは64bit版のWindows 10 Home。既にRS1適応済みだ。ストレージは240GBのSSDと、2TBのHDDを内蔵する。
グラフィックスは、Intel HD Graphics 630は使わず、GeForce GTX 1060(3GB)を採用。出力としてDisplayPort×3、HDMI×1、DVI×1を備えている。
インターフェイスは、Gigabit Ethernet、USB 3.0×6(前面2基)、USB 2.0×2、音声入出力。USB Type-Cなどはなく、割とオーソドックスな構成だ。電源は500Wを搭載する。
サイズは190×490×490mm。この構成で税別価格144,800円 からとなる。初物、そして内容を考えれば妥当なところだろう。
筐体はオールブラックでなかなか格好良い。上下に取っ手のようなフレームがあり、少しモダンな感じだ。前面上の化粧パネルは磁石で固定されており、引くだけで簡単に外すことが可能。下側の化粧パネルは、3点で凹凸にひっかかるようになっており、下の部分を押すと外れる仕掛けだ。
前面上には、音声入出力、USB 3.0×2、HDD/電源LED、ボリュームのように見えるのが電源スイッチ。右にくるっと回すと電源オン/オフができるちょっと珍しいタイプ。カードリーダ系がないものの、ベイが空いているので、必要であれば付ければいい。
背面は上にファン、マザーボードの背面パネルに、PS/2ポート、USB 3.0×2、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、USB 2.0×2、音声入出力。マザーボード側のグラフィックス系は内蔵Intel HD Graphics用なので塞がれている。GeForce GTX 1060は2レーン占有し、出力はDisplayPort×3、HDMI、DVIがある。
内部は、ネジ2本を外すことによってパネルが開きアクセス可能だ。中身は意外とあっさりしているのが写真からも分かるだろう。プロセッサ右側にメモリスロットが4本。8GBのメモリが2つ装着済み。マザーボードはMSI製で拡張バスは、PCI Express x16×2、PCI Express x1×4。下のドライブベイは4つあり、2つがSSDとHDDで使われている。500W電源も含め、通常用途であれば特に拡張性は問題ないだろう。
発熱や振動は試用中特に気にならなかった。ノイズは低負荷時、低い音で軽く出るが、机の下に置けば大丈夫なレベルだ。3DMarkなど高負荷時にはさすがに少し騒音レベルが上がるが、うるさいというほどではない。
今回はiiyamaブランドの28型フルHDディスプレイ「ProLite X2888HS-2」も試用した。こちらについては軽く紹介する。主な仕様は以下の通り。
ProLite X2888HS-2 | |
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パネル | 非光沢28型MVA方式パネル+WLEDバックライト搭載ワイド液晶ディスプレイ、NTSC95% |
解像度 | フルHD/1,920×1,080ドット |
画素ピッチ | 0.32mm |
視野角 | 上下左右178度 |
応答速度 | 5ms(中間色) |
輝度 | 300cd/平方m |
コントラスト比 | 標準3,000:1、Adv.コントラスト時1,200万:1 |
入力 | DisplayPort、HDMI(MHL対応)、DVI-D、ミニD-Sub15ピン |
出力 | ヘッドフォン、音声出力、スピーカー3W×2 |
サイズ/重量 | 663×242×463.5mm(幅×奥行き×高さ)/5.4kg(スタンド込み) |
税別直販価格 | 29,445円 |
筐体の色はマーベルブラックのみ。特徴としては、ベゼルの上下左右20mmの狭額縁、sRGB/Adobe RGBカラー設定機能やi-styleColor調整搭載、超解像度技術の「X-Res Tech.」、フリッカーフリーLEDバックライト技術、ブルーライトカットなど。
入力はDisplayPort、HDMI、DVI-D、ミニD-Sub15ピンと主要なものは全部揃っている。HDMIはMHLにも対応しているのでスマートフォンなどから簡単に画面出力が可能。加えて、全ての映像出力のケーブルが同梱されている。
また、この薄い筐体の中にスピーカー3W×2を内蔵。DisplayPort、HDMIに乗っている音声信号を出力可能だ。もっと良い音で聴きたい時は3.5mmジャックがあるので外部にスピーカーを接続することもできる。もちろんヘッドフォン端子も用意されている。
本体サイズは663×242×463.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.4kg(スタンド込み)。税別価格は29,445円。約3万円でこれだけ揃っているのはポイントが高いと言えよう。
マシン操作中このディスプレイを使っていたが、明るさ、コントラスト、視野角は十分確保され、加えて非光沢でフチが狭く、なかなか見やすかった。サウンドは3DMarkの時などに鳴らしていたが、単独でこれだけ鳴れば十分。ディスプレイ用のケーブル1本で済むので取り回しが楽だ。おおむね約3万円のディスプレイとしては良くできている。
ただ、ケーブルマネジメント系のギミックがなく、多くのケーブルを接続すると煩雑になりそうなのと、高さ調整と回転に非対応なため、設置場所によっては目の位置に合わないケースもあるかと思われる。この点は少し気になった。
winsat formalのストレージが一番低い値という珍しい高スコアをマーク
OSは64bit版のWindows 10 Home。RS1適応済みだ。書くまでもなく、Core i7、メモリ16GB、SSDの組み合わせなので、何をしても快適だ。
初回起動時のスタート画面(タブレットモード)はWindows 10標準に加え、「ユーザーサポート」で、「Windows 10ユーザーガイド」と「ハードウェアマニュアル」が追加されている。デスクトップは壁紙の変更のみ。左側のショートカットは何もない。
ストレージはSSDが240GBの「ADATA ASP550SS7-240GM」、HDDは2TB/64MB/7,200rpmの「Seagate ST2000DM006」。それぞれC:ドライブ 222.86GBと、D:ドライブ 1862.89GBに割り当てられ、C:ドライブの空きは198GB。D:ドライブは未使用だ。
Gigabit EthernetはRealtek製。また、デバイスマネージャー/システムデバイスを見ると、チップセットがIntel 200シリーズになっているのが分かる。
プリインストールされているソフトウェアは、Windowsストアアプリは特になし。デスクトップアプリは、「マカフィーリブセーフ」と各デバイスのツール系だ。また、PDFのデータとしてマニュアル系が2つ入っている。
ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2/Home accelerated、3DMark。またCrystalMarkの結果も掲載した(4コア8スレッドと条件的に問題があるので参考まで)。
winsat formalの結果は、総合 8.15。プロセッサ 8.5、メモリ 8.5、グラフィックス 8.6、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 8.15。メモリのバンド幅は27075.63756MB/s。PCMark 8 バージョン2/Home acceleratedは4412。総合のスコアがストレージと割と珍しいケースだ。それ以外は8.5以上と高スコア。PCMark 8 バージョン2/Home acceleratedも余裕の4,000越えとなる。
また、PCMark 8 バージョン2の詳細を見ると、プロセッサの温度が28℃から48℃程度と、最高クロックが4.2GHzの割には低めだ。CPUクーラーは特殊なものでなく、普通のものが使われている。14nmプロセス(14+)の効果だろうか。
3DMarkは、Ice Storm 175362、Cloud Gate 29686、Sky Diver 27994、Fire Strike 10632。Fire Strike最後のシーンも20fpsほどで動いていた。
CrystalDiskMarkは、Seq Q32T1 Read 554.4/Write 485.2、4K Q32T1 Read 314.0/Write 218.5、Seq Read 470.2/Write 394.7、4K Read 17.20/Write 103.2(MB/s)。CrystalMarkは、ALU 92940、FPU 80531、MEM 89580、HDD 23310、GDI 23242、D2D 27408、OGL 45336。
以上のようにマウスコンピューターの「DAIV-DGZ510S1-SH2」は、Kaby Lake世代のCore i7と、GeForce GTX 1060を搭載した最新鋭デスクトップだ。最大4.2GHzでwinsat formalのストレージ以外が8.5以上という高スコアをマークしつつ、プロセッサの温度が28℃から48℃程度と低いのも魅力的だ。
試用上、特に気になる部分もなく、Kaby LakeのCore i7をいち早く試したいユーザーにお勧めしたい逸品と言えよう。