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Mac標準アプリをAIアシスタントで操作!「Apple MCP」
2025年8月29日 06:20
「Apple MCP」は、Mac標準アプリの「メール」や「カレンダー」などを、AIアシスタントから直接操作できるツールです。たとえば、「◯◯を買ってきてと誰々に伝えて」と自然な言葉で指示するだけで、バックグラウンドで「メッセージ」アプリが起動し、自動でメッセージを送信してくれます。インストールには「ターミナル」でのコマンド入力が必要ですが、どれも1行程度の簡単なものばかりです。この記事では、Apple MCPの基本的な使い方と、具体的な活用例を紹介します。
Apple Intelligenceが物足りないなら「Apple MCP」
Apple Intelligenceの登場により、生成AIはより身近な存在になりました。
すでに「作文ツール」でテキストの要約や校正を行なったり、「Image Playground」で画像を生成したり、Siriを通じてChatGPTにアクセスしたりと、活用している人も多いでしょう。
今後のアップデートでは、Apple Intelligenceは複数のアプリを組み合わせたアクションの実行も可能になり、さらに高度なAIエージェントへと進化する予定です。
しかし、現時点ではSiri経由で利用できるAI機能はまだ限定的で、期待されるような「AIアシスタント」としてはやや力不足に感じるかもしれません。
そこで注目したいのが、AIアシスタントとMac標準アプリの橋渡しを行なうApple MCPです。
Anthropicが2024年11月に発表した「MCP(Model Context Protocol)」の仕組みを利用するこのツールを使えば、AIアシスタントの「Claude」や「Cursor」から、Mac標準アプリ(「カレンダー」「メール」「リマインダー」「メモ」「連絡先」「マップ」「Safari」など)を直接操作できるようになります。
Apple MCPを利用するための事前準備
Apple MCPは開発者向けに公開されているものの、事前準備をしっかりと行なえば一般ユーザでも簡単にインストールして利用できます。
Appleが提供する開発ツールの「Xcode」をMacにインストールしていない場合は、Xcodeのコマンドラインツール「Xcode Command Line Tools」、macOSでソフトウェアパッケージのインストールを管理する「Homebrew」、そして「Node.js」と「npm」をインストールしましょう。
すでにXcodeをインストールしている場合は、Xcode Command Line ToolsはスキップしてHomebrewとNode.js、npmをインストールするだけでOKです。
もしXcode Command Line Toolsのインストールがうまくいかない場合は、古いバージョンのコマンドラインツールが残っている可能性があります。
rm -rf /Library/Developer/CommandLineToolsというコマンドを実行して過去ログを削除してからxcode-select --installと入力して再インストールしましょう。
なお、本記事は最新のmacOS Sequoia 15.6をベースに作成しています。筆者および複数のユーザの環境で正常に動作することを確認していますが、ご利用の環境によっては期待どおりに動作しない可能性があります。
すべての環境での動作を保証するものではありませんので、その点はあらかじめご了承ください。
(1)Xcode Command Line Toolsのインストール
(2)Homebrewのインストール
Apple MCPとClaude Desktopのセットアップ
事前準備が完了したら、いよいよApple MCPのセットアップです(ここでは、Claude Desktopを利用する場合を説明します)。
Apple MCPのセットアップは通常Apple MCPサーバーを立ち上げて行なう必要がありますが、それよりもAIエージェント向けのアプリストア「Smithery(スミサリー)」を利用するほうが手軽です。
ターミナルを起動してClaude用のコマンドを入力して実行すれば、Apple MCPのインストールと設定が自動的に行なわれます。
そして次に、Claude Desktopを起動します。もしMacにインストールしていない場合は、公式サイトからダウンロードし、[アプリケーション]フォルダにコピーしておきましょう。
なお、Claudeには無料プランと有料プランがありますが、Apple MCPの基本的な機能を試すだけであれば無料プランでも利用可能です(ただし、1日あたりの利用回数には制限があります)。
また、Apple MCPをインストールした直後は、Claude Desktopを起動した際に複数のエラーメッセージが表示されることがあります。その場合は、いったんアプリを終了して再度起動してください。
そのうえで[Claude]メニューから[設定]を開き、サイドバーの[開発者]をクリックして[ローカルMCPサーバー]の動作を確認します。青色のボタンに[running]と表示されていれば、正常に動作しています。
Claude Desktopでさまざまなタスクを実行してみよう
Apple MCPのインストールとClaude Desktopの設定が完了したら、実際に動作を確認してみましょう。
現在Apple MCPでは主な機能として、「メール」や「メッセージ」での送信、「リマインダー」や「カレンダー」におけるスケジュールやタスク管理、「マップ」での位置情報の検索、「Safari」でのWeb検索や写真検索などに対応しています。
これらの機能に関連する内容を自然な言葉で入力して送信すると、Claudeがその意味を解析し、対応するアプリの操作を自動で実行してくれます。
まずは「明日の午後2時に『Web会議』というリマインダーを作成してください」といった、シンプルな依頼から試してみるとよいでしょう。
そしてきちんと動作することを確認したら、次に複数のアプリを連携させるような複雑なタスクにチャレンジしてみてください。
複雑な指示では処理中にエラーが出たり、完了までに時間がかかったりすることもありますが、情報検索や予定管理といった日常的なタスクをAIが代わりにこなしてくれます。
AIを単なる「ツール」としてではなく、「パートナー」として活用できる感覚をいち早く体験できるはずです。



































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