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Mac標準の「カレンダー」をもっと便利に使いこなす技10選

 Macユーザーの多くが、毎日のスケジュール管理のために標準アプリの「カレンダー」を利用しているでしょう。「カレンダー」はとても簡単に利用できますが、一歩踏み込んだテクニックを知っていればさらに効率的に活用できます。「クイックイベント」の機能を使って素早く予定を追加したり、イベントにメモやURL、場所、移動時間を加えたり、「メール」などの他の標準ソフトと連携したりなど、ここではMacユーザーが絶対に知っておきたい「カレンダー」の便利技を伝授します。

標準アプリの「カレンダー」はMacだけでなく、iPhoneやiPadにも搭載されています。そのためiCloudを介して同じApple IDを使用しているApple製品同士で同期され、どのデバイスでも常に最新のスケジュールを確認できます

カレンダーをもっと便利にするテクニック

①「クイックイベント」で素早く予定を追加する

 「カレンダー」にイベント(予定)を追加したいとき、どうしていますか? 「月」表示なら日付をダブルクリック、「週」や「日」表示なら開始時間から終了時間までドラッグして新規イベント作成画面を表示し、入力するという人が多いかもしれません。

 しかし、この方法だとイベントのタイトルや継続時間などを入力・設定しなければならず、手間に感じることもあるでしょう。

 そこで使ってみたいのが、自然な言語で書き込むだけで素早くイベントを追加できる「クイックイベント」という機能です。

 ツールバーにある[+]をクリックして、たとえば「土曜日の午前11時から午後1時まで買い物」と入力すると、タイトルが「土曜日の買い物」、日時が「土曜日」、時間が「11:00〜13:00」に自動入力され、素早くイベントを作成できます。

 もしキー入力するのが面倒ならば、音声入力してみるのもいいでしょう。

ツールバーの[+]ボタンをクリックするとクイックイベント作成画面が現れます。「土曜日の午前11時から午後1時まで買い物」のように入力するだけで、デフォルトのカレンダーに簡単にイベントが作成できます
デフォルト以外のカレンダーにイベントを作成するには[+]ボタンをクリックしたままにします
デフォルトのカレンダーは[設定]メニューの[一般]→[デフォルトのカレンダー]から変更できます

②イベントにメモやURL、ファイルを追加する

 イベントにはタイトルや時間だけを設定している人が多いと思いますが、イベントによってはメモやURLを書き込んだり、ファイルを添付したりしておくと便利です。

 作成時は若干手間がかかるものの、たとえば会議や打ち合わせ時にメモやWEBサイト、書類などを「カレンダー」のイベントからすぐに参照できるからです。会議や打ち合わせが差し迫ったときに、慌てることもなくなります。

新規イベント作成画面の一番下にある[メモ、URL、または添付ファイルを追加]の部分をクリックするとメモやURL、添付ファイルを追加できます
添付したファイルはダブルクリックで開き、スペースキーでプレビューできます。また、ファイル名の右端の[∨]の部分をクリックするか副ボタンクリックでメニューを表示すれば、そこから開いたり、プレビューやダウンロードをしたりできます

③イベントに場所や移動時間を追加する

 イベントによっては、ランドマークや施設名、住所などの「場所」を追加しておくとさらに便利です。

 イベントをクリックするだけで地図のプレビューを確認できますし、プレビューをクリックすると「マップ」が起動して目的地の地図や経路検索、乗り換え情報をすぐに確認できます。

 また、「場所」を設定しておくと、現在地からの目的地までの「車」「電車」「徒歩」での移動時間も自動で算出してくれます。そのため、これを見て目的地に辿り着くまでにいつ出発すればいいかの「移動時間」を簡単に設定することが可能です。

 出発時間に近づいたら通知するように設定しておくこともできますので、遅刻が絶対に許されないイベントのときはしっかりと設定しておくといいでしょう。

[場所またはビデオ通話を追加]をクリックして住所を入力すると、イベントの場所を設定できます。ランドマーク名や施設名によっては候補が表示され、選択するだけで住所も自動入力されます
イベント場所までの経路を知りたいときは地図のプレビューをクリックしましょう。「マップ」が開いて経路検索や乗り換え内容を確認できます
[移動時間]をクリックすると、現在置から目的地までの「車」「電車」「徒歩」での移動時間が算出されます。[5分][10分][30分]などの候補からすぐに移動時間を設定できます
さらに[通知]をクリックすれば、その時間に間に合うには何時に移動を開始すればよいか、その何分前に知らせて欲しいかなどを指定できます

④「メール」や「メッセージ」からイベントを追加する

 「次の打ち合わせは、来週の何時です」などといったイベントが「メール」や「メッセージ」などで届くことがあるでしょう。そんなとき、「メール」や「メッセージ」を見ながら、イベント内容を「カレンダー」に転記していませんか?

 もちろん、そのようにするのも決して間違いではありませんが、「カレンダー」を開いたり入力したりする手間がかかりますし、写し間違えたりする可能性もあります。

 そんなときは直接イベントを追加してみましょう。「カレンダー」アプリは「メール」や「メッセージ」と連携しているので、「メール」や「メッセージ」に書いてある日付や時刻を自動的に認識してイベントを作成できます。

「メール」や「メッセージ」に書いてある日付や時刻の部分にポインタを重ねたら[∨]をクリック。イベントのプレビューが表示されるので、必要に応じてタイトルを修正したりカレンダーを選択し直しましょう。最後に[“カレンダー”に追加]をクリックすればイベントが作成できます

⑤別のカレンダーサービスのアカウントを追加する

 プライベートのスケジュール管理には「カレンダー」を利用しているものの、会社ではほかのカレンダーサービスを使っているという人も多いでしょう。

 もし「Microsoft Exchange」や「Google」、「Yahoo!」などのカレンダーサービスを使っているなら、「カレンダー」でそれらの予定も一緒に表示するようにしておくと便利です。

 [カレンダー]メニューから[アカウントを追加]を選んでアカウントを追加するだけで、別のカレンダーサービスのイベントを一緒に表示できます。

 また、イベントを追加する際も別のカレンダーサービスを選べば、「カレンダー」からそのカレンダーサービスにイベントを追加できます。

[カレンダー]メニューから[アカウントを追加]を選ぶと各種サービスが表示されるので、選択して[続ける]をクリック。IDやパスワードを入力して接続を許可したら、アカウントで使用するアプリケーションで[カレンダー]を選択して[完了]をクリックしましょう
ウィンドウ左側のカレンダーリストにアカウントが追加されます。追加したアカウントで使用しているカレンダーもチェックマークをオン/オフすることで表示/非表示できます

⑥ほかのMacユーザーとカレンダーを共有する

 「カレンダー」には、1つのカレンダーを家族や友人、チームメンバーなどと共有するための機能が搭載されています。

 この共有カレンダーの作成方法はとても簡単で、新規カレンダーを作成して、そのカレンダーを共有したい人へメールやメッセージなどで参加を依頼するだけ。共有相手が参加を承諾すれば互いのカレンダーに表示されるようになり、通常のカレンダー同様にイベントを確認したり、追加したりできます。

 なお、共有カレンダーへの参加を依頼する際は、共有カレンダーの内容を見せるだけの[閲覧]と、イベントを書き込んだり編集したりできる[閲覧と編集]が選べます。

[ファイル]メニューから[新規カレンダー]を選んでカレンダーを追加。カレンダー名を設定したら右側にある人型のアイコンをクリックして[共有相手]を入力します。「連絡先」に登録してある相手なら名前を入力。連絡先に未登録の相手はApple ID(メールアドレス)を入力しましょう
入力した共有相手の右端にある[∨]をクリックすると[閲覧のみ]か[閲覧と編集]が選べます。最後に忘れず[完了]をクリックしましょう
共有相手に指定された人に招待が届きます。「メール」などに書かれた[カレンダーへ参加]をクリックすると、「iCloud.com」のカレンダーページが開くので[サインイン]をクリック。Touch IDもしくはApple IDとパスワードを使ってサインインしたら[参加依頼を承認]をクリックしましょう
参加依頼が承認されると、共有元のカレンダーリストに承認した人数が表示されます。カレンダーリスト上部のトレーアイコンをクリックして参加した相手が確認できたら[OK]をクリックしましょう

⑦イベントへの参加を依頼する/依頼に返信する

 「カレンダー」ではイベントの参加者管理もできます。そのイベントに参加してほしい相手を指定すると、相手に参加依頼のメールが届きます。

 受け取った側ではイベントに対して「参加」か「欠席」、未定の場合は「仮承諾」を選択しましょう。一緒に送られてきたイベントファイルをダブルクリックすれば、自分のカレンダーに参加するイベントが追加できます。

 依頼した側も相手が参加するのか欠席なのか一目で分かるので、イベント参加者の管理が簡単に行なえます。

[予定参加者を追加]をクリックして参加してほしい相手を入力します。「連絡先」に登録してある相手なら名前を入力、連絡先に未登録の相手はApple ID(メールアドレス)を入力して[送信]をクリックしましょう
参加者に指定された人に参加依頼のメールが届くので「参加」か「欠席」、未定の場合は「仮承諾」をクリックします。iCloud.comのカレンダーページにアクセスして参加や欠席、仮承諾が確定されます
参加依頼のメール添付もしくはこのページからダウンロードしたイベントデータをダブルクリックすると、イベント追加のダイアログが表示されるので[OK]をクリック。カレンダーに参加するイベントが追加できます
参加を依頼した側でもイベント内のアイコン表示で参加、欠席、仮承諾が確認できます

⑧「集中モード」で必要なカレンダーのみ表示する

 仕事のときはプライベートのイベントを表示してほしくない。そんなリクエストにも「カレンダー」は応えてくれます。

 「システム設定」を開いて[集中モード]にある[集中モードフィルタ]を設定しましょう。それぞれの集中モードで指定したカレンダーだけ表示できますし、標準のiCloudカレンダー以外のアカウントのカレンダーもフィルタできます。

「システム設定]を開いて[集中モード]をクリック。設定したい集中モードをクリックして[集中モードフィルタ]の[フィルタを追加]をクリックします。[カレンダー]をクリックして表示するカレンダーにチェックを入れたら[追加]をクリックしましょう
コントロールセンターから集中モードを切り替えると指定したカレンダーだけが表示されます

⑨間違って削除したカレンダーやイベントを復元する

 Macの初期設定を変更していない限り、「カレンダー」のデータは自動的にiCloudにバックアップされます。そのため、万が一間違えてイベントやカレンダーを削除してしまっても復元可能です。

 復元は「iCloud.com」にアクセスして自分のApple IDとパスワードでサインイン。iCloud.comから[データの復旧]を選べばカレンダーを復元できます。

 ただし、共有カレンダーがある場合は共有情報すべてが削除されてしまいます。カレンダーを再度共有して他の人からもカレンダーを共有するよう再度招待してもらいましょう。

カレンダーやイベントの復元は「カレンダー」アプリではなく「iCloud.com」で行ないます。SafariでiCloud.comにアクセスしたらTouch IDもしくはApple IDとパスワードを使ってサインインします
iCloud.comのサイトにアクセスできたら右上のドットが集合したアイコンをクリック。メニューの[その他]にある[データの復旧]を選んでアーカイブされているデータの[復元]ボタンをクリックします

⑩「カレンダー」からの通知を管理する

 カレンダーにたくさんのイベントがあり、イベントごとに通知を設定していると、頻繁に通知が届いて煩わしく感じることがあるでしょう。

 イベントの通知をカレンダーごとにオン/オフできますので、仕事に関するイベントだけ通知、プライベートイベントの通知は不要。そんな使い分けをしてみましょう。

カレンダーリストでカレンダーを副ボタンクリック。メニューから[情報を見る]を選んで[通知を無視]をチェックすれば、そのカレンダーのイベントは通知されなくなります