Metaのビジネス向け最新ヘッドセット「Meta Quest Pro」は、Meta公式のバーチャル会議室アプリ「Horizon Workrooms」とPC接続用アプリ「Meta Questリモートデスクトップ」を使うことでMacなどのPCの画面を映し出して操作することができます。
しかし、この2つの組み合わせでは、最大3つのスクリーンしか仮想空間上に表示できません。そこで活用したいのが、サードパーティ製の「Immersed」です。
このアプリを利用すると最大5つまでスクリーンを増やしたり、空間内にスクリーンを自由に配置したりすることが可能。スクリーンごとに最適なコンテンツを映し出すことで、Macの作業をもっと効率的に行なえます。
特に、自宅に複数のディスプレイを持っていない人や、物理的なディスプレイを持ち運べない外出先や出張先などでマルチディスプレイ環境を構築したい人に最適です。さっそく使い方を見ていきましょう。
Immersedのインストール方法
ImmersedはMeta Quest Pro内の仮想空間に、Macの画面を表示するリモートデスクトップアプリです。そのため、初めて利用するにはMeta Quest ProとMacの両方にアプリをインストールする必要があります。
まず、Meta Quest Pro側では、ホーム画面から[ストア]メニューを選択。そしてそこからImmersedを検索して[インストール]をクリックします。
すると、インストール終了後にチュートリアルの画面が表示されるので、ここでいったんMeta Quest Pro側の作業をストップ。次に、Mac側の作業に移ります。
MacにImmersedをインストールするには、Webブラウザを開いて、Meta Quest Pro側のチュートリアル画面に表示されている「immersed.com/setup」へアクセス。そして、「Immersed Desktop Agent」をクリックしてダウンロードしたあと、Macへのインストールを行ないます。
そして最後に、MacでImmersedを起動して[ログイン]をクリックしてアカウントを作成します。
メールアドレスとパスワードを登録すると確認メールが届くので、そこに書かれているリンクをクリックし、チュートリアルの画面に表示されているユーザーネームとペアリングコードを入力すれば双方のImmersedがつながります。
ホーム画面から[ストア]を選んだら「Immersed」を検索して[インストール]をクリックします。インストール完了後に[起動]をクリックしてImmersedを起ち上げましょう 音声の録音をImmersedに許可するか尋ねられるので[許可]を選びます。Immersedが起動し終わると、自動的にチュートリアルがスタートします Mac側でWebブラウザを開き、Meta Quest Pro側のチュートリアル画面に表示される「immersed.com/setup」にアクセスします。セットアップ画面が表示されたら[Immersed Desktop Agent]をクリック。ダウンロードを許可します ダウンロードしたディスクイメージファイルを開いて、ImmersedのアイコンをMacの[アプリケーション]フォルダにドラッグすればインストールは完了です Immersedを開くと[Tips]画面が表示されますが、そのまま[OK]をクリック。マイクへのアクセスを許可するために[OK]をクリックします [immersed]画面に表示される[ログイン]をクリックすると、Webブラウザ上に[Create an Account]画面が表示されます。メールアドレスとパスワードを設定して[SUBMIT]をクリックすると、そのアドレス宛にメールが送信されます メールが届いたらその中にある[Click Here to finish the Registration]のリンクをクリックしましょう チュートリアルの画面に表示されている[Username]と[Pairing code]をMac側のセットアップ画面に入力して[SUBMIT]をクリック。そしてWebブラウザからアプリを開く旨のメッセージが表示されるので[許可]をクリックします ヘッドセット使用時にMacの画面を暗くするか訊いてくるので[Yes]をクリック。[Tips]画面で[OK]を選ぶと、immersedの画面に接続準備完了のメッセージが表示されます Immersedの操作方法を習得
Immersedを利用するには、インストール作業をMeta Quest ProとMacの両方で行なう必要があるのでやや時間はかかりますが、手順を1つずつ追っていけばいいので難しくはありません。
また、セットアップ完了後は、Meta Quest Proに戻ってチュートリアルの続きを見てみましょう。ここではImmersedでの操作にコントローラを使うかハンドジェスチャを使うかの選択や、クイックメニューの表示方法など基本的な操作方法が説明されます。
また、スクリーンの動かし方に関してもレクチャーしてくれますので、それらを一通り覚えれば準備は完了です。あとはImmersedの仮想空間上で、実際にスクリーンの設定を行なって自分好みのマルチデイスプレイ環境を構築していきましょう。
immersed上での操作をコントローラで行なうかハンドジェスチャで行なうか選択します。慣れるまではコントローラで操作するほうが簡単なので、とりあえず[Controllers]を選んでおきましょう 手のひらを見るようにコントローラを持った手を裏返すと、クイックアクションのボタンが現れます。真ん中のセンターサークルはImmersedのオープニングメニューを表示するためのボタン、周囲のボタンはスクリーン表示のオン/オフなどを切り替えるためのボタンです ボタンの説明が終わると、Macのデスクトップが自動的に表示されます スクリーン上部の白いバーをインデックストリガーでホールドしたまま動かすと自由にスクリーンが動かせます。上下左右だけでなく前後にも移動できます。インデックストリガーのピンチ操作でスクリーンの拡大縮小もできます ImmersedでVRデスクトップを構築
初めてImmersedを使い出した際は仮想空間上にはMacのメイン画面だけが表示されます。ここでメイン画面左上にある[+]をクリックすると、スクリーン(拡張デスクトップ)を追加することが可能です。
スクリーンは最大5枚まで増やせます。現実世界ではMacに5つの外部ディスプレイを接続するのは多くの人にとって難しいでしょうから、それをバーチャルで再現できるのは大きなメリットです。
また、複数のスクリーンを追加したら、スクリーンごとの表示設定をしておきましょう。Immersedの仮想空間上に表示されるスクリーンは、スクリーンごとに湾曲表示とフラット表示が選ぶことができます。
さらに、Immersedではそれぞれのスクリーンを自分が使いやすいように個別または連係させて位置を移動させたり、スクリーンごとに解像度を変更したりできるのもメリットです(標準的なアスペクト比だけでなく、ワイド画面や縦長にも変更可能)。
このように、Immersedを使えば単にバーチャルでマルチディスプレイ環境を構築できるだけでなく、現実世界では難しいスクリーンごとの柔軟な設定を行ない、Macの作業を効率化できるのです。
最新のMeta Quest Proは、2020年に発売開始されたMeta Quest 2と表示解像度は同じものの、レンズ(光学)部分が向上しています。そのため、Immersedを使ってMacの画面を仮想空間に表示しても細かな文字でもきれいに見え、十分に実用的です。
スクリーンを追加するには、メイン画面左上にある[+]をクリックします スクリーンの右上にあるスライダを動かすと湾曲度が変わります。[CURVED]ボタンを押して[FLAT]に切り替えるとスクリーンがフラットになります。フラットの状態でスライダを動かせばスクリーン同士の角度が変わります スクリーンの上下左右にある半透明の白枠に別のスクリーンを重ねるとスクリーン同士が連結できます。連結を解除したいときは白枠の外に移動しましょう 解像度の設定は[Settings]から行ないます。[Monitor Controls]→[Configure Monitor Resolutions]から番号を選択すると、そのスクリーンの解像度を変更できます 3つ目のスクリーンを追加して解像度を「800×1280」に変更。簡単に縦長のスクリーンが追加できます Macのメイン画面を中央に、その横には解像度を高めたWebブラウジング用のスクリーンと、SNSやチャット用に縦長の解像度のスクリーンを配置。Immersedを使えば、このようなマルチディスプレイ環境が手軽に構築可能です Immersedの空間上でMagic Keyboardなどの外部キーボードを利用するには、オープニングメニューの[Computers]→[Keyboard]で[Tracked Keyboard]→[新しいキーボード]を選択します [Apple]→[Magic Keyboard]→[ミニ]→[アメリカ(ANSI)]と選んで[完了]すると仮想空間上にキーボードが表示されます Immersedではいろいろな背景がルーム(部屋)として提供されています。初期状態の宇宙空間の背景を変えるには、クイックアクションからオープニングメニューを開いて[My Room]を選択。ここから部屋をダウンロードできます クイックアクションで「椅子」のボタンを選ぶと、そのルーム内で移動できる席が表示されます。席の上にある赤いダイヤを選ぶと、その席に移動できます。スクリーンが邪魔で窓の外の風景が見えないときは、クイックアクションからスクリーン表示をオフしてみましょう さまざまな機能をもっと活用
Immersedでは、そのほかにもユーザー同士でアバターの姿でお喋りができる「PUBLIC」や、実際の空間の一部をバーチャル内に表示する「PORTALS」といったユニークな機能がたくさん搭載されています。
こうした機能を活用することで、現実世界でMacを使うのとは一味違った形で作業することができますので、気になった人はぜひMeta Quest Proを手に入れて使ってみてください。
「PUBLIC」ではユーザー同士がアバターの姿で会話できます。ここではスクリーンを使った作業もできるので、カフェで仕事しているような環境が仮想空間内でも実現できます 実際の空間上にあるものを仮想空間内に表示するのが「PORTALS」機能です。実際にデスク上に置いてあるiPhoneをPORTALSで表示してみました。サイズや形状も自由に変更できます