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Pixel 10aならもうカメラは出っ張らない。待望のフルフラット背面と日本限定カラーの出来は?
2026年4月13日 08:00
Googleは、最新ミドルレンジスマートフォン「Pixel 10a」の日本での販売を4月14日に開始する。また、日本限定カラー「Isai Blue」モデルも5月20日に発売される。
今回、Pixel 10aの128GBモデルとIsai Blueモデルをいち早く試用する機会を得たので、Isai Blueモデルを中心に、主にハード面を紹介する。直販価格は128GBモデルが7万9,900円、Isai Blueモデルを含む256GBモデルが9万4,900円。
フットプリントがわずかに小さくなり、軽くなった
Pixel 10aの詳しい仕様や、従来モデルとの比較については、関連記事で詳しく紹介しているのでそちらを参照してもらうとして、ここでは主にIsai Blueモデルを利用して外観をチェックしていく。
本体デザインは、従来モデルのPixel 9aシリーズを踏襲している。大きくなだらかにカーブした4角に、ほぼ垂直に切り落とされた側面フレームなど、デザインコンセプトはほぼ変わっていない。
素材は、側面フレームに100%リサイクル素材のアルミニウムを採用。全カラーともマット仕上げとなる。背面には81%以上のリサイクル素材を採用した樹脂を採用しており、こちらもマット仕上げとなる。手にしたときの質感は、側面フレームはややしっとりとした印象、背面はすべすべとした印象で、こちらも従来モデルとほぼ同じだ。
本体サイズは、73×9×153.9mm。Pixel 9aと比べると、厚さが0.1mm増えているものの、幅は0.3mm、高さが0.9mmそれぞれ短くなった。フットプリントがわずかに小さくなっているが、実際に手に持っても違いはまったく感じられるほどではない。
重量は183gと、こちらもPixel 9aから3g軽くなった。実測の重量はSIM非装着時で183.3gだった。とはいえこれも、実際に持ち比べて違いを感じられるほどではない。
ただ、細かい部分を見るといくつか違いが見られる。Pixel 9aでは下部側面に配置されていたSIMカードトレイが左側面へと移動。それに合わせて下部USB Type-Cポートを挟んで左右に楕円形の穴が設けられ、ディスプレイ面を上にして左にマイク、右にスピーカーを配置している。これにより、デザイン性が高められている。このほか、上部のマイクの穴や右側面の物理ボタンの配置は従来からほぼ変わっていない。
本体カラーは、Lavender、Berry、Fog、Obsidianの4色に加えて、日本限定カラーのIsai Blueの5色を用意。Pixelシリーズで地域限定カラーが用意されるのは、今回が初だ。なお、Isai Blueは内蔵ストレージ容量が256GBモデルのみの展開となる。
製品パッケージには、USB 2.0 Type-CケーブルとSIMトレイ取り出し用のピンが付属する。
このほか、アクセサリとして専用ケースを引き続き用意。本体に傷を付けることなく安心して持ち運びたいなら、ケースの利用を考慮したい。
背面はフルフラットではなく、カメラ部はごくわずかにへこんでいる
Pixel 10aの最大の特徴として紹介されているのが、背面が完全フラットになった、という点だろう。
Pixel 9aでは、長らくPixelシリーズのデザイン的な特徴となっている本体側面まで伸びるカメラバーを廃止し、カメラユニットの2つのレンズを楕円形に覆う黒いカメラユニットを搭載した背面デザインを採用。ただ、そのカメラユニットは0.5mmほど突起しており、背面はフラットとはなっていなかった。
それに対しPixel 10aでは、Pixel 9aのカメラデザインコンセプトを受け継ぎつつさらに追求し、突起をなくして背面とフラットな構造を実現している。本体の厚さが0.1mm増えているのは、この仕様を実現するためとも考えられるが、テーブルに置いたときに本体が一切ぐらつかない点は好印象だ。
しかし、実際にカメラ部と背面との接合部分を指で触ってみると、ごくわずかではあるが段差を感じる。とはいえそれは、突起ではなくへこみ方向の段差だ。つまりPixel 10aのカメラは、背面からごくわずかにへこんでいるわけだ。
そういう意味では完全なフルフラットではないともいえるが、背面よりわずかにへこんでいることで、テーブルに置いた場合でもカメラ部がテーブル面に直接触れない場面が増えることになる。カメラ部を保護できるという意味でありがたいと感じる。
このほか、カメラユニットの縦幅がPixel 9aと比べて増えている。実測ではPixel 9aは縦が約18mmなのに対し、Pixel 10aが約20mmだった。これによって、カメラユニットの存在感が増している印象を受ける。なお、横幅はどちらも実測で約31mmだ。
特徴的な壁紙やテーマが利用できる日本限定カラー「Isai Blue」
Pixel 10aでは、日本限定カラーの「Isai Blue」モデルが用意される。Pixelシリーズで地域限定の本体カラーが用意されるのはこれが初だ。
このIsai Blueモデルは、障害があるアーティストの作品を取り扱うクリエイティブカンパニー、ヘラルボニーとの共創により実現されたものだ。「癒やし」や「希望」などを表現し、世界自閉症啓発デーのテーマカラーであるとともに、日本の「藍染」やサッカーの日本代表ユニフォーム、柔道着などでも採用されていることから、青を採用。”Isai”は、ヘラルボニーが掲げるミッション「異彩を、放て。」から採用している。
製品は本体パッケージと付属品パッケージがオリジナルスリーブに収納された状態で提供。このオリジナルスリーブは、ヘラルボニー契約作家である工藤みどり氏のアートワークを採用し、中にはIsai Blue誕生の想いが記されている。このあたりからも、Googleとヘラルボニー双方のこだわりが伝わってくる。
実際の色は、藍色に近いような深い青という印象。そして、側面、背面ともマット処理と相まって、見る角度によって明るい青や紫に近い青と表情を変える。
Isai Blueモデルは、特別な本体カラーを採用するだけでなく、Isai Blueモデルオリジナルの付属品も用意される。
その1つが専用のバンパーケース。本体と同じ青を基調としたカラーを採用。その上で、本体の特別なカラーをしっかり見せたいという意図から、背面を覆う通常仕様の専用ケースではなくバンパーケースにしたとのこと。
バンパーケースの色は、側面フレームや背面と比べるとやや明るめという印象。そして、本体を保護しつつ本体背面の質感や色をそのまま楽しめるという点は、非常に好印象。どうせなら、通常カラー向けにもアクセサリとして販売してもらいたい。
ヘラルボニー契約作家の藤田望人氏がデザインしたオリジナルステッカーも付属。こちらは、本体背面に貼るなどして、自分好みの唯一無二のデザインを楽しんでほしい、という意図から付属している。バンパーケースの採用は、このステッカーを邪魔しないという意図もある。
さらに、ヘラルボニー契約作家によるオリジナルのテーマや壁紙も付属。テーマは、水上詩楽氏がデザインした「Shigaku Mizukami Edition」、工藤みどり氏がデザインした「Midori Kudo Edition」、伊賀敢男留氏がデザインした「Kaoru Iga Edition」の3種類を用意。合わせて、それぞれのテーマごとに3種類ずつ、全9種類の壁紙も用意しており、自由にデザインを切り替えて利用できる。
それぞれのテーマを変更すると、各アートワークのタッチや色合いを生かした、AI処理によるオリジナルデザインのアイコンが利用可能となる。これは、Google標準アプリだけでなく、サードパーティ製アプリのアイコンにも施される。標準デザインのアイコンも利用可能だが、オリジナルアイコンを利用することで、画面全体でデザインの調和が取れるようになり、より作者の世界観を深く表現できるようになる。
Pixel 10a標準モデルの壁紙にも印象的なものが用意されているが、それらと比べてもオリジナルテーマや壁紙はほかにはない個性があふれている。なによりIsai Blueモデルでしか利用できないという意味でも、特別感が強い。個人的には、このオリジナルテーマや壁紙だけでもIsai Blueモデルを選択する十分な動機になると感じる。
ディスプレイは従来よりも明るくなった
ディスプレイは、1,080×2,424ドット表示、リフレッシュレート60~120Hzのスムーズディスプレイ対応の6.3型有機EL「Actuaディスプレイ」を搭載している。
サイズと表示解像度、リフレッシュレートはPixel 9aのディスプレイと同じだ。また、上部中央にインカメラのパンチホールが開けられ、下部に光学式指紋認証センサーを内蔵する点も同様だ。
ただ、進化している部分もある。まず、Pixel 10aのディスプレイは輝度が最大2,000cd/平方m、ピーク輝度3,000cd/平方mと、Pixel aシリーズとして最も明るくなった。差は最大輝度で200cd/平方m、ピーク輝度で300cd/平方m程度とそれほど大きくないが、実際に屋外の明るい場所で見比べてみると、Pixel 10aのディスプレイの方が明るく見やすく感じる。
また、コントラスト比が従来の100万:1から200万:1へと高められている。よりメリハリのある映像表示が可能となり、特に写真や動画を視聴する場合のクオリティが高まっている。
このほか、カバーガラスがCorning製のGorilla Glass 7iへ強化されたことで本体強度が高まり、Pixel aシリーズとして最高水準の堅牢性を実現。より安心して持ち運べるようになっている点もうれしい。
そして、よく見るとPixel 9aと比較して上下ベゼル幅がわずかに狭まっていることも分かる。これはディスプレイサイズが同じまま本体のフットプリントが小型化しているからだ。横に並べてじっくり見ないと分からない程度ではあるが、こちらも進化点だ。
カメラの仕様は従来と同じもPixel 10シリーズの撮影機能に対応
リアカメラは、広角カメラと超広角カメラの2眼仕様で、それぞれの仕様はPixel 9aから変わっていない。
広角カメラは、1/2型4,800万画素Quad PDデュアルピクセルセンサーと、F値1.7、画角82度のレンズの組み合わせ。超広角カメラは、1/3.1型1,300万画素センサーと、F値2.2、画角120度のレンズの組み合わせとなる。広角カメラには光学式手ブレ補正を搭載。デジタルズームは広角レンズを利用して最大8倍までとなる。
フロントカメラも、1,300万画素センサーと、F値2.2、画角96.1度のレンズとの組み合わせで、こちらもPixel 9aと同じ。顔認証に対応する点も同様だ。
撮影機能も、マクロフォーカスや、撮影者を別に撮影して合成し1枚の集合写真を撮影できる「一緒に写る」などPixel 9aで利用できたものはすべて網羅。その上で、Pixel 10シリーズで追加されたAIを活用した撮影機能の一部が利用可能となっている。
その1つが、撮影シーンに応じてAIが撮影方法をガイドしてくれる「カメラコーチ」。プロカメラマンのような印象的な写真が撮影できるように構図や撮影モードなどを提案してくれるので、撮影初心者にはありがたい機能だ。
もう1つが「オートベストテイク」。複数人数での集合写真を撮影する場合に、全員がベストの表情になるように、同じ時間帯に撮影した写真などから表情を合成する機能で、こちらも手軽に最高の記念写真を撮影できる点で便利だ。
以下に、Pixel 10aで撮影した写真を掲載するので、参考にしてもらいたい。
Google Tensor G4を採用しつつAI機能は進化
Pixel 10aはSoCにPixel 9aと同じGoogle Tensor G4を採用している。これまでPixel aシリーズは、基本的に同世代のPixelシリーズと同じSoCを採用し、同世代のPixelシリーズ同等の機能を利用できる点が大きな魅力となっていたことからも、残念に感じるのも事実だ。
そして、この影響によるものかは分からないが、たとえばPixel 10シリーズから搭載された次世代AIアシスタント機能「マジックサジェスト」がPixel 10aでは非対応となっている。また、通話アプリの「通話アシスト」に用意されている、通話中の録音と文字起こしを同時に行なう「通話メモ」が、Pixel 10aでは「通話の録音」となり文字起こしが行なえなくなっている。
こういった違いは、Pixel 9aとPixel 9シリーズの間でも存在しているため、製品の差別化という意味合いもありそうだが、SoCの違いが影響している可能性もなくはないだろう。
ただ、Pixel 10シリーズから搭載されたAI機能の中で、Pixel 10aで利用可能となっているものもある。それが、先ほどカメラのところで紹介した「カメラコーチ」と「オートベストテイク」だ。
そもそもこれらは、Pixel 10シリーズ搭載SoCであるGoogle Tensor G5の機能を活用して実現したとされる機能だが、Googleによると、処理の最適化を実現することでGoogle Tensor G4搭載のPixel 10aでも実現できたとのこと。そういう意味では、Pixel 9aやPixel 9シリーズでも今後のアップデートで利用可能になる可能性もあるが、製品の差別化という観点から今後しばらくはPixel 10aやPixel 10シリーズのみの展開となる可能性が高い。
そして、「Gemini Live」や「かこって検索」「リアルタイム翻訳」、生成AIを活用したGoogleフォトの編集機能「編集サポート」など、Pixelシリーズの特徴的なAI機能の多くも、問題なく利用できる。
確かに搭載SoCは1世代前ではあるが、Pixel 10シリーズとの差別化を確保しつつPixel 9aから一部AI機能の進化を実現していることから、AI機能はPixel aシリーズとしてまずまず正統進化しているといっていいだろう。
仕様面でも進化が見られる
搭載SoCに目を奪われがちだが、Pixel 10aはPixel 9aから進化している点も多く存在している。
すでに紹介しているように、ディスプレイの仕様やカバーガラスの強化によるPixel aシリーズ最高水準の堅牢性の実現、Pixel 10シリーズのAI機能が一部利用できる点などは、進化の代表的なものだ。
これら以外では、内蔵バッテリ容量は5,100mAhと従来と同じだが、有線での急速充電機能が進化し、最大30Wでの急速充電に対応。約30分で約半分の容量の急速充電が可能となった。ワイヤレス充電は従来同様Qi準拠ではあるが、従来の最大7.5Wから最大10Wのワイヤレス充電が可能となり、充電スピードが高められている。また、省電力性能が高められ、スーパーバッテリセーバー利用時の駆動時間が最大120時間に延びている。
ところで、Isai Blueモデルを利用して簡単にバッテリ駆動時間をチェックしてみた。ディスプレイ輝度を50%に設定し、SIM装着、Wi-Fi接続の状態でYouTubeの1080pライブストリーミング動画を連続再生させたところ、12時間経過でバッテリ残量は50%だった。これだけの駆動時間なら、通常利用であれば1日余裕を持ってバッテリが持つだろう。
このほかにも、オーディオ機能としてノイズ除去機能の「ノイズサブレッション」に対応していたり、Bluetooth 6.0に対応するなどの進化を実現している。
IP68準拠の防水防じん性能や、NFC/FeliCa搭載とおサイフケータイ対応、USB 3.2 Type-C搭載、SIMはMicro SIM/eSIMまたはeSIM×2対応、国内全キャリアの5G Sub6サポート、Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)準拠無線LANなどの特徴は従来同様だ。
OSはAndroid 16で、OSアップデート、セキュリティアップデートはともに7年間提供される。
最後に、簡単にベンチマークテストの結果を紹介しておく。利用したベンチマークアプリは、UL Benchmarksの「PCMark for Android Benchmark」と「3DMark — The Gamer's Benchmark」の2種類。比較として、Pixel 9aの結果も掲載しておくが同じSoCということもあって、結果はほぼ誤差の範囲内で、パフォーマンスはほぼ同等と考えていいだろう。
価格据え置きは素直にありがたい
Pixel 10aは、SoCこそ1世代前のGoogle Tensor G4を採用しているものの、その他の仕様は進化している部分が多くあり、Pixel 10シリーズで搭載されたAI機能の一部も利用可能としていることで、Pixel 9aシリーズからの正統進化をしっかり実現できている。その上で、昨今のさまざまな部材が高騰している中、128GBモデルが7万9,900円、256GBモデルが9万4,900円と価格が据え置かれている点は、素直にありがたいと感じる。
さらに、日本限定カラーのIsai Blueモデルが用意された点も、これまでにはない魅力だ。限定カラーに加えて、Isai Blueモデルでのみ利用可能なオリジナルの壁紙とテーマが用意され、さらにバンパーケースとオリジナルステッカーまで付属して、通常モデルの256GBモデルと同じ価格なのは、かなりお得だ。
Isai Blueモデルは通常モデルよりも1カ月ほど遅い5月20日に発売となるが、256GBモデルを選択するのであれば、Isai Blueモデルがおすすめだ。ただしIsai Blueモデルは数量限定となるため、なるべく早めに予約・購入を検討すべきだろう。
今回、Pixel 10aで日本限定カラーモデルが用意されたのは、Pixel aシリーズが日本で広く受け入れられているからこそだ。また、機能面の進化はそれほど大きくはないが、優れたコストパフォーマンスは健在で、Pixel 10aもミドルレンジAndroidスマートフォンの中心的な存在となりそうだ。



























































































