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269ドルのミドルレンジGPU「Radeon RX 7600」登場。その実力を試す

Radeon RX 7600

 5月25日より、AMDのミドルレンジGPU「Radeon RX 7600」が発売される。市場想定価格は269ドルに設定されており、RDNA 3アーキテクチャを採用した新世代GPUとしてはもっとも安価に入手できる製品だ。

 今回、発売前にRadeon RX 7600のリファレンスモデルをテストする機会が得られたので、ベンチマークテストでAMDの新世代ミドルレンジGPUの実力を確かめてみた。

RDNA3最安のRadeon RX 7600をライブでも解説!ゲーム性能は?使い勝手は?<本日5月24日(水)22時より>

AMD最新世代のRDNA3アーキテクチャを採用したGPUとしては最安となるRadeon RX 7600を、ライブ配信で解説します。少しでも安い最新世代GPUを望んでいる人は多いはず。RX 7600がその期待に添うものか、KTU・加藤勝明氏が評価します。実動デモもあり。MCは改造バカ・高橋敏也氏。

RDNA 3ベースで269ドルのミドルレンジGPU「Radeon RX 7600」

 Radeon RX 7600は、RDNA 3アーキテクチャに基づいて6nmプロセスで製造されたミドルレンジGPU。同じRDNA 3を採用するハイエンドGPUのRadeon RX 7900シリーズはチップレットアーキテクチャを採用していたが、Radeon RX 7600のGPUコアは機能を1チップに統合したモノリシックなダイとなっている。

 Radeon RX 7600のGPUコアでは、32基のコンピュートユニットが有効化されており、2,048基のストリーミングプロセッサや、32基のRay Accelerator、64基のAI Acceleratorなどが利用できる。また、メディアエンジンはAV1のエンコード/デコードに対応した。

 Infinity Cacheは32MBで、VRAMには18Gbps動作のGDDR6メモリを8GB搭載。128bitのメモリインターフェイスで接続されたGPUとVRAM間の帯域幅は288GB/sで、Infinity Cache込みの実行メモリ帯域幅は476.9GB/sとされている。バスインターフェイスはPCIe 4.0 x8で、TBPは165W。

【表1】Radeon RX 7600の主な仕様
GPURadeon RX 7600Radeon RX 6600
アーキテクチャRDNA 3RDNA 2
製造プロセス6nm7nm
コンピュートユニット32基28基
ストリーミングプロセッサ2,048基1,792基
Ray Accelerator32基28基
AI Accelerator64基
ROPユニット64基64基
ゲームクロック2,250MHz2,044MHz
ブーストクロック2,625MHz2,491MHz
AMD Infinity Cache32MB32MB
メモリ容量8GB (GDDR6)8GB (GDDR6)
メモリスピード18Gbps14Gbps
メモリインターフェイス128bit128bit
メモリ帯域幅288GB/s224GB/s
実効メモリ帯域幅476.9GB/s412.9GB/s
PCI ExpressPCIe 4.0 x8PCIe 4.0 x8
消費電力 (TBP)165W132W
税別実売予想価格299ドル329ドル

Radeon RX 7600のAMDリファレンスモデル

 今回テストするのは、AMDのリファレンスデザインを採用したRadeon RX 7600搭載ビデオカードだ。

 Radeon RX 7600のリファレンスモデルの外観は、Radeon RX 7900シリーズのリファレンスモデルをコンパクトにしたようなデザインで、2スロットを占有するGPUクーラーや基板裏面を覆うバックプレートなど、細部までしっかり作りこまれている。

 動作に必要な補助電源コネクタはPCIe 8ピン×1系統。ブラケット部の画面出力端子はDisplayPort(3基)、HDMI(1基)で、バスインターフェイスはPCIe 4.0 x8。

Radeon RX 7600のリファレンスモデル
基板裏面はバックプレートで覆われている
GPUクーラーの占有スロットは2スロット
ブラケット部。画面出力端子はDisplayPort(3基)とHDMI(1基)
補助電源コネクタはPCIe 8ピン×1系統
Radeon RX 7600のGPU-Z実行画面

比較用GPUとテスト環境

 今回はRadeon RX 7600の比較相手として、前世代のミドルレンジGPUである「Radeon RX 6600」のほか、現在の市場で競合することになる「GeForce RTX 3060(12GB)」と、価格帯は異なるが同時期に登場した新世代ミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti」を用意した。

 各ビデオカードのテスト時動作仕様は以下の通り。グラフィックスドライバについては、Radeon RX 7600はレビュアー向けの「Adrenaline 23.10.01.16」、Radeon RX 6600にはテスト時点の最新版「Adrenaline 23.4.3」を利用した。

【表2】各ビデオカードの動作仕様
GPURadeon RX 7600Radeon RX 6600GeForce RTX 3060GeForce RTX 4060 Ti
ビデオカードベンダーAMDSAPPHIREZOTACNVIDIA
製品型番リファレンスモデルPULSE AMD Radeon RX 6600ZT-A30600H-10MFounders Edition
ベースクロック1,720MHz1,626MHz1,320MHz2,310MHz
ゲームクロック2,250MHz2,044MHz
ブーストクロック2,655MHz2,491MHz1,807MHz2,535MHz
メモリ容量8GB (GDDR6)8GB (GDDR6)12GB (GDDR6)8GB (GDDR6)
メモリスピード18Gbps14Gbps15Gbps18Gbps
メモリインターフェイス128bit128bit192bit128bit
メモリ帯域幅288GB/s224GB/s360GB/s288GB/s
PCI ExpressPCIe 4.0 x8PCIe 4.0 x8PCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16
Power Limit170W160W
GPU PPT(持続/短時間)130W/156W100W/─W
温度リミット105℃(Hotspot)110℃(Hotspot)83℃83℃
Resizable BAR有効有効有効有効
GPUドライバAdrenaline 23.10.01.16 (31.0.21001.16004)Adrenaline 23.4.3 (31.0.14051.5006)GRD 531.79 (31.0.15.3179)GRD 531.93 (31.0.15.3193)
Radeon RX 6600搭載ビデオカード「SAPPHIRE PULSE AMD Radeon RX 6600」
SAPPHIRE PULSE AMD Radeon RX 6600のGPU-Z実行画面
GeForce RTX 3060 12GB搭載ビデオカード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OC」
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OCのGPU-Z実行画面
GeForce RTX 4060 Ti Founders Edition
GeForce RTX 4060 Ti Founders EditionのGPU-Z実行画面

 各ビデオカードを搭載するベース機材には、Core i9-13900Kを搭載したIntel Z790環境を用意した。

 そのほかの機材や条件については以下の通り。

【表3】テスト機材
CPUCore i9-13900K (8P+16Eコア/32スレッド)
CPUリミット設定PL1=PL2=Unlimited、TccMax=Unlimited、TjMax=100℃
CPUクーラーADATA XPG LEVANTE 360 ARGB (ファンスピード=100%)
マザーボードGIGABYTE Z790 AORUS ELITE AX [UEFI=F6c]
メモリDDR5-5600 16GB×2 (2ch、46-45-45-90、1.1V)
システム用SSDSamsung SSD 980 PRO 500GB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
アプリケーション用SSDCFD CSSD-M2B2TPG3VNF 2TB (NVMe SSD/USB 10Gbps)
電源玄人志向 KRPW-PA1200W/92 +(1,200W/80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro 22H2 (build 22621.1702、VBS有効)
電源プランバランス
計測HWiNFO64 Pro v7.46、ラトックシステム RS-BTWATTCH2
室温約25℃

ベンチマーク結果

 今回実施したベンチマークテストは、「3DMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「BLUE PROTOCOL ベンチマーク」、「サイバーパンク2077」、「Microsoft Flight Simulator」、「Forza Horizon 5」、「フォートナイト」、「エーペックスレジェンズ」、「オーバーウォッチ 2」、「モンスターハンターライズ:サンブレイク」、「エルデンリング」、「Blender Benchmark」。

3DMark「Speed Way」

 3DMarkのDirectX 12高負荷テストであるSpeed Wayでは、Radeon RX 7600が全体3番手のスコアとなる1,959を記録。GeForce RTX 3060を約8%、GeForce RTX 4060 Tiを約39%下回る一方で、Radeon RX 6600を約36%上回った。

【グラフ01】3DMark v2.26.8098「Speed Way」

3DMark「Port Royal」

 3DMarkのDirectX Raytracing(DXR)テスト「Port Royal」では、Radeon RX 7600が全体2番手のスコアとなる5,485を記録。GeForce RTX 4060 Tiを約32%下回る一方で、GeForce RTX 3060を約10%、Radeon RX 6600を約36%上回った。

【グラフ02】3DMark v2.26.8098「Port Royal」

3DMark「Time Spy」

 3DMarkのDirectX 12テストであるTime Spyでは、標準テストのTime Spyと、高負荷版のTime Spy Extremeを実行した。

 Radeon RX 7600のスコアは全体2番手となっており、GeForce RTX 4060 Tiを17~18%下回る一方で、GeForce RTX 3060を25~27%、Radeon RX 6600を31~37%上回った。

【グラフ03】3DMark v2.26.8098「Time Spy」
【グラフ04】3DMark v2.26.8098「Time Spy Extreme」

3DMark「Fire Strike」

 3DMarkのDirectX 11テスト「Fire Strike」では、標準テストのFire Strikeのほか、高負荷版のFire Strike ExtremeとFire Strike Ultraを実行した。

 Radeon RX 7600のスコアはここでも全体2番手となっており、GeForce RTX 4060 Tiを4~9%下回る一方で、GeForce RTX 3060を35~44%、Radeon RX 6600を31~39%上回った。

【グラフ05】3DMark v2.26.8098「Fire Strike」
【グラフ06】3DMark v2.26.8098「Fire Strike Extreme」
【グラフ07】3DMark v2.26.8098「Fire Strike Ultra」

3DMark「Wild Life」

 3DMarkのVulkanテストである「Wild Life」では、標準テストのWild Lifeと、高負荷版のWild Life Extremeを実行した。

 Radeon RX 7600のスコアは全体2番手で、GeForce RTX 4060 Tiを15~29%下回る一方、GeForce RTX 3060を10~35%、Radeon RX 6600を33~35%上回った。

【グラフ08】3DMark v2.26.8098「Wild Life/Wild Life Extreme」

3DMark「DirectX Raytracing feature test」

 3DMarkの「DirectX Raytracing feature test」は、DXRによるリアルタイムレイトレーシング性能の計測に特化したテストだ。

 19.42fpsを記録したRadeon RX 7600は、格上のGeForce RTX 4060 Tiに2倍近い差をつけられているものの、前世代のRadeon RX 6600を約52%も上回り、GeForce RTX 3060を約3%上回った。RDNA 3のレイトレーシング性能が前世代からだいぶ向上していることが伺える。

【グラフ09】3DMark v2.26.8098「DirectX Raytracing feature test」

3DMark「PCI Express feature test」

 3DMark「PCI Express feature test」は、バスインターフェイスの帯域幅を計測するテストだ。

 比較製品中唯一PCIe 4.0 x16を採用するGeForce RTX 3060が24.08GB/sで傑出するなか、PCIe 4.0 x8を採用する残りのGPUは、Radeon RX 7600とRadeon RX 6600が13.4GB/s前後で横並びとなっており、GeForce RTX 4060 Tiは12.54GB/sだった。

 同じPCIe 4.0 x8接続であればRadeonの方がやや高速というようにも見えるが、優劣を語るほどの差がついているわけでもない。それぞれのバスインターフェイス相応の速度は出ているという程度の結果と考えるべきだろう。

【グラフ10】3DMark v2.26.8098「PCI Express feature test」

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、描画品質を「最高品質」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度をテストした。

 Radeon RX 7600は4KでGeForce RTX 3060を約3%下回ったものの、WQHD以下では逆に5~11%上回って全体2番手のスコアを記録した。ほかのGPUとの比較では、GeForce RTX 4060 Tiを13~27%下回り、Radeon RX 6600を21~29%上回った。

【グラフ11】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク「スコア」
【グラフ12】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク「平均フレームレート」

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、画質プリセットを「高品質」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度をテストした。

 Radeon RX 7600は4KでGeForce RTX 3060とほぼ同等で、WQHD以下では5~8%上回る全体2番手のスコアを記録した。ほかのGPUとの比較では、GeForce RTX 4060 Tiを23~24%下回り、Radeon RX 6600を21~29%上回った。

【グラフ13】FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.3

BLUE PROTOCOL ベンチマーク

 BLUE PROTOCOL ベンチマークでは、画質プリセットを「最高画質」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度をテストした。

 Radeon RX 7600は4KでGeForce RTX 3060を約2%下回ったものの、WQHD以下では逆に2~7%上回って全体2番手のスコアを記録。ほかのGPUとの比較では、GeForce RTX 4060 Tiを27~30%下回り、Radeon RX 6600を35~38%上回った。

【グラフ14】BLUE PROTOCOL ベンチマーク「スコア」
【グラフ15】BLUE PROTOCOL ベンチマーク「平均フレームレート」

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、グラフィックプリセット「レイトレーシング:ウルトラ」をベースに、超解像技術のFSR 2.1やDLSSの無効時と有効時のパフォーマンスをベンチマークモードで計測した。なお、GeForce RTX 4060 TiについてはDLSS有効時にフレーム生成も有効にしている。

 超解像無効時のRadeon RX 7600は、4KでGeForce RTX 4060 Tiを約8%上回って全体2番手となっているが、4KではVRAM不足によって2fps程度しか出ていない状況なのであまり意味のある結果ではない。WQHD以下では逆にGeForce RTX 4060 Tiを65~72%も下回っている。ほかのGPUとの比較では、GeForce RTX 3060を49~73%下回り、Radeon RX 6600を1~7%上回った。

 FSR 2.1を有効にした場合、Radeon RX 7600のフレームレートはどの条件でも向上しているが、GeForce RTX 3060やGeForce RTX 4060 Tiには及ばず全体3番手となっている。前世代のRadeon RX 6600に対しては26~35%上回った。

【グラフ16】サイバーパンク2077 (v1.62)「フルHD (1,920×1,080ドット)」
【グラフ17】サイバーパンク2077 (v1.62)「WQHD (2,560×1,440ドット)」
【グラフ18】サイバーパンク2077 (v1.62)「4K (3,840×2,160ドット)」

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、画質プリセットを「ウルトラ」に設定して、FSR 2/DLSS無効時と有効時のパフォーマンスを計測した。テスト時のグラフィックスAPIは「DirectX 12」で、GeForce RTX 4060 TiについてはDLSS有効時にフレーム生成も有効にしている。

 超解像無効時のRadeon RX 7600は全体3番手のフレームレートを記録しており、GeForce RTX 3060を3~5%下回り、GeForce RTX 4060 Tiを20~29%下回った一方で、Radeon RX 6600を8~23%上回った。

 超解像を有効にした場合、Radeon RX 7600はフルHDで若干のフレームレート改善がみられたものの、WQHD以上では逆にフレームレートが低下するなど、FSR 2の効果はいまひとつのようだ。このあたりはドライバのアップデートなどでの改善を期待したい。

 また、DLSS 3のフレーム生成が利用できるGeForce RTX 4060 Tiが、VRAM容量不足の4K以外で傑出したフレームレートを記録している様子を見ると、フレーム補完技術の導入が予定されているAMDの次世代超解像技術「FSR 3」の登場が待ち遠しい。

【グラフ19】Microsoft Flight Simulator (v1.32.7.0)「フルHD (1,920×1,080ドット)」
【グラフ20】Microsoft Flight Simulator (v1.32.7.0)「WQHD (2,560×1,440ドット)」
【グラフ21】Microsoft Flight Simulator (v1.32.7.0)「4K (3,840×2,160ドット)」

Forza Horizon 5

 Forza Horizon 5では、画質プリセットを「エクストリーム」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。

 Radeon RX 7600の平均フレームレートは全体2番手で、GeForce RTX 4060 Tiを25~28%下回る一方、GeForce RTX 3060を5~13%、Radeon RX 6600を13~24%上回った。

【グラフ22】Forza Horizon 5 (v1.583.19.0.HV)

フォートナイト

 フォートナイトでは、グラフィックプリセット「最高」をベースに、アンチエイリアスを「TSR最高」にした場合や、NaniteとLumen(およびハードウェアレイトレーシング)を有効にした設定でフレームレートを計測した。テスト時のグラフィックスAPIは「DirectX 12」。

 アンチエイリアス「TAA」でNanite/Lumen無効時のRadeon RX 7600は全体2番手のフレームレートを記録しており、GeForce RTX 4060 Tiを27~29%下回る一方で、GeForce RTX 3060を3~9%、Radeon RX 6600を28~36%上回った。

 Nanite/Lumenを無効にしたまま、アンチエイリアスを超解像の「TSR最高」に設定した場合でも、Radeon RX 7600は全体2番手のフレームレートを記録した。GeForce RTX 4060 Tiを約29%下回る一方で、GeForce RTX 3060を11~13%、Radeon RX 6600を33~37%上回っている。

 アンチエイリアス「TSR最高」でNanite/Lumenを有効にした場合でも、Radeon RX 7600は全体2番手のフレームレートを記録。GeForce RTX 4060 Tiを29~32%下回る一方で、GeForce RTX 3060を4~6%、Radeon RX 6600を31~150%上回った。

【グラフ23】フォートナイト (v24.40)「フルHD (1,920×1,080ドット)」
【グラフ24】フォートナイト (v24.40)「WQHD (2,560×1,440ドット)」
【グラフ25】フォートナイト (v24.40)「4K (3,840×2,160ドット)」

エーペックスレジェンズ

 エーペックスレジェンズでは、描画設定を可能な限り高く設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度でフレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは300fps。

 Radeon RX 7600の平均フレームレートは全体2番手で、GeForce RTX 4060 Tiを19~27%下回る一方、GeForce RTX 3060を10~18%、Radeon RX 6600を26~33%上回った。

【グラフ26】エーペックスレジェンズ (v3.0.32.18)

オーバーウォッチ 2

 オーバーウォッチ 2では、グラフィックプリセットを最高の「エピック」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは600fps。

 Radeon RX 7600は、フルHDでGeForce RTX 3060を約2%下回る一方、WQHD以上では逆に2~3%上回った。そのほかのGPUとの比較では、GeForce RTX 4060 Tiを20~22%下回り、Radeon RX 6600を33~38%上回った。

【グラフ27】オーバーウォッチ 2 (v2.4.1.1.113004)

モンスターハンターライズ:サンブレイク

 モンスターハンターライズ:サンブレイクでは、画質プリセットを「高」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。

 Radeon RX 7600の平均フレームレートは全体2番手で、GeForce RTX 4060 Tiを18~20%下回る一方、GeForce RTX 3060を6~7%、Radeon RX 6600を22~35%上回った。

【グラフ28】モンスターハンターライズ:サンブレイク (v15.0.1.0)

エルデンリング

 エルデンリングでは、画質プリセット「最高」をベースに、レイトレーシング無効時と有効時の平均フレームレートをフルHD~4Kまでの画面解像度で計測した。ゲームの上限フレームレートは60fpsで、自動描画調整は無効にしている。

 レイトレーシング無効時のRadeon RX 7600は、WQHD以下では上限フレームレートの60fpsに達しており、4KではGeForce RTX 4060 Ti(38.7fps)に次ぐ全体2番手の36.5fpsを記録した。

 レイトレーシングを「最高」設定で有効にした場合、Radeon RX 7600の平均フレームレートは全体3番手で、GeForce RTX 3060を4~11%、GeForce RTX 4060 Tiを41~44%下回った。

 一方、前世代のRadeon RX 6600はレイトレーシングの有効化で大きくフレームレートが低下しており、Radeon RX 7600は108~206%も上回っている。RDNA2からRDNA 3への設計変更でレイトレーシング性能が大きく向上したことが分かる結果だ。

【グラフ29】エルデンリング (v1.09.1)「レイトレーシング無効」
【グラフ30】エルデンリング (v1.09.1)「レイトレーシング有効」

Blender Benchmark

 Blender Benchmarkでは、標準で用意されている3つのシーン(monster、Junkshop、classroom)をテストした。テストに用いたBlenderのバージョンは「3.5.0」。

 Radeon RX 7600のパフォーマンスは全体3番手で、GeForce RTX 3060を44~53%、GeForce RTX 4060 Tiを67~71%下回る一方、Radeon RX 6600を25~37%上回った。

【グラフ31】Blender Benchmark 3.1.0 (Blender v3.5.0)

システムの消費電力とワットパフォーマンス

 ワットチェッカーを使ってシステムの消費電力を測定し、アイドル時の最小消費電力と、ベンチマーク実行中の平均消費電力および最大消費電力をグラフ化した。

 Radeon RX 7600搭載システムのアイドル時消費電力は50.1Wで、この数値はRadeon RX 6600搭載システムの49.5Wに次ぐ2番目に低い消費電力だった。

 ベンチマーク実行中の平均消費電力に関しては、Radeon RX 7600搭載システムは218.6~281.3Wを記録しており、これはテストによってGeForce RTX 4060 Ti搭載システムと順位が入れ替わるが、比較製品中2~3番目に高い消費電力だ。

【グラフ32】3DMark実行中とアイドル時のシステムの消費電力 (平均/最大)
【グラフ33】ゲームテスト実行中のシステムの消費電力 (平均/最大)

 ベンチマーク実行中のシステム平均消費電力で、ベンチマークスコアや平均フレームレートを割ることによって「ワットパフォーマンス」を算出した。また、Radeon RX 6600搭載システムのワットパフォーマンスを基準に指数化したグラフも用意している。

 Radeon RX 7600搭載システムのワットパフォーマンスは、Radeon RX 6600搭載システムを1~11%上回っており、全体ではGeForce RTX 4060 Ti搭載システムに次ぐ電力効率を実現している。ただし、GeForce RTX 4060 Ti搭載システムはRadeon RX 6600搭載システムを23~81%も上回っているため、Radeon RX 7600との間にも大きな差が存在する。

【グラフ34】各GPU搭載システムのワットパフォーマンス(スコア/平均消費電力)
【グラフ35】GeForce RTX 3060 搭載システムのワットパフォーマンスを100%とした場合

ベンチマーク実行中のモニタリングデータ

 モニタリングソフトのHWiNFO64 Pro v7.46を使って取得した、FINAL FANTASY XVベンチマーク(4K/高品質)実行中のモニタリングデータをまとめてみた。なお、GPUの温度と消費電力については、動作リミットの対象となるパラメータをまとめているため、異なるメーカー間での比較はできない点に注意してほしい。

 Radeon RX 7600のGPU Hotspot温度は最大82.1℃(平均86.0℃)で、温度リミットの105℃を下回っている。メモリ温度は最大92.0℃(平均86.5℃)と高い数値となっているが、メモリの温度リミットは不明だ。GPU消費電力は最大130.2W(平均129.8W)で、テスト中は常に電力リミットの130Wに達している。

 テスト実行中は電力リミットが作動していることもあり、GPUクロックは最大2,822MHzの平均2,550MHzと負荷に応じて変動している。一方、メモリクロックについては常に2,238MHzで安定していることから、動作温度は高かったもののメモリのサーマルスロットリングは作動していないことが伺える。

【グラフ36】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中のGPU温度 (平均/最大)
【グラフ37】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中の消費電力 (平均/最大)
【グラフ38】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中の動作クロック (平均/最大)
【グラフ39】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中のGPU使用率 (平均/最大)
【グラフ40】Radeon RX 7600 のモニタリングデータ
【グラフ42】Radeon RX 6600 のモニタリングデータ
【グラフ42】GeForce RTX 3060 のモニタリングデータ
【グラフ43】GeForce RTX 4060 Ti のモニタリングデータ

旧世代GPUからのアップグレードにも好適なミドルレンジGPU

 Radeon RX 7600は前世代のRadeon RX 6600から3割前後の性能向上を果たしており、2023年5月時点での実売価格が4~5万円程度のGeForce RTX 3060 12GBを上回ったゲームも多かった。フルHD解像度でのゲーミングを目的とするなら十分な性能を備えていると言える。

 また、Radeon RX 7600はメディアエンジンがAV1のエンコードに対応したほか、カードベンダーの実装次第とはなるもののDisplayPort 2.1をサポートするなど、先進的な機能やインターフェイスを備えている点も注目に値する。

 これらの性能と機能を269ドルで実現したRadeon RX 7600は、新規に購入するエントリーゲーマーだけでなく、Radeon RX 5000シリーズやGeForce GTX 16シリーズ以前の旧世代ミドルレンジGPUからの乗り換えにも好適だ。円安の影響や消費税の上乗せがあることは承知しているが、国内でも魅力ある価格で登場することを期待したい。