Hothotレビュー
2万2,800円!新発売のコスパ重視スマホ「moto g13」の実力は?
2023年5月24日 06:14
モトローラ・モビリティ・ジャパン合同会社から4月21日に発売したAndroidスマートフォン「moto g13」。直販価格は2万2,800円と市場の中では「エントリーモデル」に相当する価格ながら、同社のラインナップではミドルレンジに位置付けされる「gシリーズ」として投入されている。
今回は実機をお借りし、moto g13の基本性能や特徴的な機能、カメラを確認しレビューをお送りする。
2023年ではエントリー寄りの性能だが、使用感に問題はなし
まずはmoto g13の基本仕様や性能から確認していく。
搭載されているチップセットはMediatek Helio G85(2GHz×2+1.8GHz×6)、メインメモリは4GB、内蔵ストレージは128GBだ。
ディスプレイは6.5型で解像度は1,600×720ドットのIPS方式の液晶ディスプレイで、リフレッシュレートは最大90Hzまで対応している。
ネッとワーク周りは5GやWi-Fi 6には対応していないが、本機の価格やターゲットを考えれば非対応なことで不便と感じる場面もないだろう。
moto g13の主な仕様 | |
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OS | Android 13 |
SoC | MediaTek Helio G85 オクタコア(2.0GHz×2+1.8GHz×6) |
RAM | 4GB |
ROM | 128GB |
外部メモリ | 最大512GBのmicroSDカードに対応 |
バッテリ容量 | 5,000mAh |
ディスプレイ | 約6.5インチ HD+ LCDディスプレイ(IPS方式/最大90Hz駆動) |
背面カメラ | 約5,000万画素 f/1.8 メインカメラ 約200万画素 f/2.4 マクロカメラ 約200万画素 f/2.4 深度センサー |
前面カメラ | 約800万画素 f/2.0 |
SIMカード | nanoSIMカード×2 (DSDV対応) |
対応ネットワーク | 2G/3G/4G |
対応バンド | 4G: B1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B20/B26/B28/B38/B40/B41 3G: W-CDMA B1/B2/B5/B8 2G: GSM 850MHz/900MHz/1,800MHz/1,900MHz |
無線LAN | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz ・5GHz) |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
GPS | GPS、A-GPS、LTEPP、SUPL、GLONASS、Galileo |
NFC | 対応 |
Felica | 非対応 |
防水・防刃 | 非対応 |
生体認証 | 指紋認証・顔認証 |
インターフェイス | USB-Type C (USB 2.0)、イヤホンマイクジャック3.5mm |
重量 | 約184g |
本体サイズ | 約162.7×74.66×8.19mm |
まずはmoto g13の基本性能を「GeekBench 6」「PCMark for Android Benchmark」「3DMark」の3つのベンチマークアプリを用い計測を行なった。
GeekBench 6はシングルコアで424、マルチコアで1403、PCMarkは8343、3DMarkはWild Lifeで737、Wild Life Extremeでは188となった。
ベンチマーク結果の通り、2023年発売の機種としてはエントリークラス程度の性能と思った方がいいだろう。
実際の使用感についても複数のタブが開かれているブラウザを立ち上げるような場面でワンテンポ待たされることもある。
しかし、アプリさえ立ち上がってしまえばその後の動作は意外とスムーズであり、90Hzの高リフレッシュレートのディスプレイも相まって、スクロール操作に引っかかりを感じるようなこともない。
ゲームなどの重たいアプリを日常的に使うには向かないが、電話やメッセージアプリ、ブラウザやマップなど用途がスマートフォンの基本的なことが中心であれば、そこまでストレスを感じることもないだろう。
質感の高い背面に注目したいmoto g13の本体をチェック
続いてmoto g13の外観をチェックしていく。
今回お借りしたレビュー機の本体色は「マットチャコール」だ。
樹脂製だが金属感ある仕上げの高級感は高く価格の割には所有感を満たすことができるだろう。
ブラックなど濃色は指紋などの汚れが目立つが、moto g13はカラー名の通りマットな仕上げになっているため、汚れが目立ちにくいのは高く評価できる。
ディスプレイベゼルはフラグシップモデルには及ばないものの、特に左右は狭く6.5型と大きなディスプレイを搭載しながら本体幅を補足することに寄与している。
下ベゼルの太さは気になるが、ジェスチャー操作を利用する場合にはある程度太さがあった方が操作しやすいため、見た目と実用面のバランスを考えたら丁度いいとも言える。
moto g13はnanoSIMを2枚取り付けてのDSDVにも対応しているが、nanoSIMを2枚取り付けた状態で、2枚目のnanoSIMがmicroSDカードとは排他利用にならない。
スマートフォン本体だけでなく、通信料も2枚のSIMを使い分けグッと抑えたいユーザーにとって、microSDカードが利用できないといったことがないのは嬉しいはずだ。
苦手シーンもあるが平均的に優秀なカメラ
最後にmoto g13のカメラをチェックしていく。
moto g13のカメラは約5,000万画素のメインカメラに、約200万画素のマクロカメラ、そして約200万画素の深度カメラの3眼構成だ。
今回は特に記載しない限り、すべてメインカメラのオートモードで撮影を行なっている。
まずは屋外での作例をチェックしていこう。
撮影日は生憎の曇天で被写体が総じて暗くなりがちなのだが、日中の撮影であれば極端に暗く潰れてしまうこともない。
もちろんどんよりとした空の雰囲気も捉えることができているし、過度にビビッドな色作りもしないので見たままに近い写真を撮影することができる。
続いて花の撮影。これも花弁のグラデーションをしっかりと描写できていて、派手過ぎないナチュラルな写りといえるだろう。
2枚目の花の写真は約200万画素のマクロカメラを使っての接写だ。被写体との距離は約4cmと至近距離に固定されているため撮影には少しクセがある。普段はデジタルズームで2倍程度まで寄り、それ以上のズームでは荒くなってしまうよな場合にマクロ撮影を試すといった使い方がオススメだ。
そのマクロ撮影だが、試しに適当に転がしていたマザーボードを被写体に撮影を行なってみると、チップの刻印やボード上の印字もハッキリと確認することができた。
先にも書いたように約4cmという距離でないとピントが合わせづらいこと、また光源の位置によってはmoto g13の影が被写体を覆ってしまうといった弱点もあるが、拡大鏡のような使い方をしても便利だろう。
次は夜間での撮影を確認していく。
ある程度明かりのある場所での撮影はmoto g13の価格を考えれば検討しているといえるだろう。明るすぎる光源は白飛びしやすい点だけ気をつければミスショットは減らせるはずだ。
だが、夜間での撮影において真っ暗な場所だけは苦手なようだ。頑張って明るく撮ろうとはしてくれるものの、その分ノイジーな写真になってしまう。これでも周りに少しは街灯があるから撮れたようなもので、さらに暗い場所での撮影は諦めた方がいいかもしれない。
最後のテストは「メシ写真」だ。
飲食店も照明は暗い場所が多くカメラの踏ん張りどころなのだが、moto g13のカメラはいい方向に頑張ってくれる。
元々色作りがナチュラルなこともあって、多少は全体的に白っぽくなるがメシマズにはならない。シズル感も失われていないため、十分に美味しそうな写真を残すことができる。
価格を優先しても普通に使える1台
moto g13は性能からすればgシリーズよりもエントリー向けの「eシリーズ」に近い1台だが、実際に使ってみると高リフレッシュレートのディスプレイのおかげでスクロールがなめらかに感じられたり、カメラも一部の苦手シーンを除けば十分に納得のいく写りの撮影が行なえるなど、2万円台前半のスマートフォンにしては満足度の高い1台だ。
今でこそ少なくなったが、値段を優先し安価な機種を選ぶと使用感に不満を感じるスマートフォンは2023年になった今も市場には多く存在している。
そうした機種と価格だけで並べられることも多いmoto g13だが、普通に使える安価なスマートフォンとしては太鼓判を押せる。