Hothotレビュー

6万9,800円と手頃で使い勝手も十分。14型2in1「ASUS Chromebook CM14 Flip」

ASUS Chromebook CM14 Flip(CM1402F)

 ASUS JAPANは、360度画面回転型の14型2in1「Chromebook CM14 Flip(CM1402F)」を18日に発売する。

 Cortex-A76×2コアとCortex-A55×6コアによるオクタコアCPU、8GBメモリ、64GB eMMCストレージとスペックは抑えめだが、その分6万9,800円と手頃な価格を実現。また14型Chromebookとしては大きなディスプレイを搭載している点も視認性、操作性の点から有利だ。

 本製品の実機を借用したので、使い勝手にスポットを当ててレビューしていこう。

オクタコアのMediaTek Kompanio 520を搭載

 Chromebook CM14 FlipはOSにChromeOS、プロセッサにMediaTek Kompanio 520を採用。メモリは8GB LPDDR4X-3600、ストレージは64GB eMMCを搭載している。

プロセッサには電力効率を改善したMediaTek Kompanio 520を採用

 ディスプレイは14型フルHD光沢液晶(1,920×1,080ドット、ペンおよびタッチ対応)を採用。ディスプレイ上部には92万画素Webカメラとアレイマイクが内蔵されている。

 インターフェイスはUSB 3.0 Type-C×2、USB 3.0、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6、Bluetooth 5.1をサポートしている。

ボディは米国軍事規格のMIL-STD-810Hに準拠したテストをクリア
ステレオスピーカー(2W×2)は本体底面に配置。梨地の底面パネルは手脂が目立たない
ディスプレイは14型フルHD液晶(1,920×1,080ドット)とChromebookとしては大きめ
入力デバイスは78キー日本語キーボード
本体前面と背面
右側面には電源ボタン、ボリュームボタン、USB 3.0 Type-C(データ転送/映像出力/本機への給電対応)、スタイラスペン、左側面にはケンジントンロックスロット、USB 3.0 Type-C(同)、USB 3.0、3.5mmコンボジャック、microSDカードスロットを用意

 本体サイズは324.6×226.7×18.3~20.8mm、重量は約1.56kg。42Whのリチウムイオンバッテリを内蔵しており、駆動時間は約12.1時間、バッテリ充電時間は約1.7時間と謳われている。

 本製品には、スタイラスペンのASUS USI Penが同梱される「CM1402FM2A-EC0046」(価格6万9,800円)、スタイラスペンなしの「CM1402FM2A-EC0038」(価格6万9,800円)の2モデルがラインナップ。今回借用しているのはスタイラスペン付属の「CM1402FM2A-EC0046」だ。

本体の実測重量は1,554g
ACアダプタの実測重量は189.8g。ケーブル長は実測200cm
パッケージには本体、ACアダプタ、マニュアル類が同梱
ACアダプタの型番は「ADP-45EW B」。仕様は入力100~240V/1.2A、出力5V/3A、9V/3A、15V/3A、20V/2.25A、容量45W
【表1】「ASUS Chromebook CM14 Flip(CM1402F)」のスペック
型番CM1402FM2A-EC0046CM1402FM2A-EC0038
OSChromeOS
CPUMediaTek Kompanio 520
GPUArm Mali G52 MC2 2EE(CPU内蔵)
メモリ8GB(LPDDR4X-3600)
ストレージ64GB(eMMC)
ディスプレイ14型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、光沢、ペンおよびタッチ対応)
ワイヤレス通信Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1
WWAN-
インターフェイスUSB 3.0 Type-C(データ転送/映像出力/本機への給電対応)×2、USB 3.0、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャック
カメラ92万画素
サウンドステレオスピーカー(2W×2)、アレイマイク
キーボード78キー日本語キーボード
バッテリ容量42Wh
バッテリ駆動時間約12.1時間(Google制定測定方法)
バッテリ充電時間約1.7時間
本体サイズ324.6×226.7×18.3~20.8mm
重量約1.56kg
セキュリティケンジントンロックスロット
同梱品ACアダプタ、マニュアル、保証書、ASUS USI PenACアダプタ、マニュアル、保証書
カラーグラヴィティグレー
価格6万9,800円6万9,800円

内蔵型スタイラスペンの使い勝手は良好

 Chromebook CM14 Flipは360度画面回転型の2in1コンバーチブルChromebookだ。ディスプレイを回転させることで、ノートブック、テント、スタンド、タブレットモードなどさまざまなスタイルで利用できる。

 本製品で便利な装備が内蔵型スタイラスペンの「ASUS USI Pen」。プッシュポップ方式を採用したこの内蔵型スタイラスペンは、押すと頭が少し飛び出すので抜き差しが容易。またバッテリを内蔵しており、スロットに差し込めば自動的に充電がスタートする。15秒の充電で最大45分間使用できるので、バッテリが切れてもすぐに再充電可能だ。

 さらにスタイラスペンを抜き出すと自動的に「タッチペンツール」が立ち上がり、「スクリーンキャプチャ」、「メモを作成」、「レーザーポインタ」、「虫メガネ」などのツールを利用できる。スタイラスペン内蔵タブレットとしての使い勝手は良好だ。

ノートブック、テント、スタンド、タブレットモードなどさまざまなスタイルで利用できる
内蔵型スタイラスペンは押すと頭が飛び出してきて抜き差しが容易だ
スタイラスペンを抜き出すと自動的に「タッチペンツール」が立ち上がる
スタイラスペンの書き味は硬めだが、摩擦感はしっかりと与えられている。細かな文字も書きやすいペン先だ
バッテリを内蔵。15秒の充電で最大45分間使用できる
スタイラスペンの太さは7×5mm。手帳用のペンと同じサイズ感だ

堅牢性の高いボディが打鍵感向上にも寄与

 低価格ノートPCの中にはキーボードが少したわむものがあるが、Chromebook CM14 FlipはMIL-STD-810H準拠の堅牢なボディを実現しているだけに剛性が高い。キーピッチは実測19mm、キーストロークは1.5mmが確保されており、少し打鍵音が大きいものの、打鍵感自体は良好だ。

 「¥」とバックスペースキー、左の「alt」と「英数」キー、「]」とEnterキー、「\」と右Shiftキーなどの一部キーが密着しているが、配置自体は素直。密着しているキーにも段差が設けられているので、少し慣れれば快適にタイピングできる。

 なお本機のキーボードは防滴仕様で、かつ細菌の増殖を抑制する「ASUSアンチバクテリアガード」が施されている。安価な製品にも安全、安心に関わる装備を採用していること好印象だ。

キーボード面、パームレストの剛性は高い
キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは1.5mm
タッチパッドの面積は実測130×75mm

一般的な用途であれば実用上十分なディスプレイ画質

 14型フルHD液晶光沢ディスプレイ(1,920×1,080ドット)については細かなスペックは公表されていない。カラーキャリブレーション機器が対応していないので輝度や色域を計測できなかったが、画質比較用の画像をいくつか表示させたかぎりでは輝度はそれほど高くなく、色域も狭めだと感じた。とは言え6万円台のChromebookで色調整などの作業をする方は少数派のはず。一般的な用途なら十分こなせる画質を備えている。

 スピーカーについては2W×2が搭載されており、この価格帯のノートブックとしては平均以上の音質だ。それぞれの音がもう少し分離してくれていれば臨場感が高くなると感じたが、低、中、高域の音がバランスよく再生されている。部屋全体で聴くにはボリュームはやや小さいが、前に座って映画やミュージックビデオを鑑賞するなら十分な音圧だ。

高輝度ディスプレイのような眩しさは感じない
45度ぐらいの角度であれば明るさ、発色に大きな変化はない
ほぼ真横から見ると、さすがに大きく減光されてしまう。また光沢パネルのため映り込みも気になる
YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生した際の音圧レベルは最大82.0dB(50cmの距離で測定)

顔自動認証による露出補正機能で、明るく自然な発色のWebカメラ

 ディスプレイ上部には、プライバシーシャッター付きの92万画素Webカメラが内蔵されている。画素数自体は高いとは言えないが、本製品には顔自動認証による露出補正機能が搭載。室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。拡大すると少しノイズが目立つが、ビデオ会議用途なら物足りなく感じることはないはずだ。

上からカメラオフ、カメラオン、プライバシーシャッター有効。やはり物理的なプライバシーシャッターは安心感が高い
ChromeOS標準の「カメラ」アプリで撮影。室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる

電力効率を改善したMediaTek Kompanio 520。スタミナ性能は申し分なし

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回はCPUベンチマーク「Geekbench 5」とWeb版JavaScriptベンチマークスイート「Octane 2.0」を実施した。

 結果は、Geekbench 5のMulti-Core Scoreは1,319、Single-Core Scoreは470、Octane 2.0の総合スコアは21,285となった。ちなみにSnapdragon 7c Gen 2を搭載する「IdeaPad Duet 370 Chromebook」では、Geekbench 5のMulti-Core Scoreは1739だったので、Chromebook CM14 Flipはその約76%相当のスコアということになる。

 なおバッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度50%、ボリューム50%でYouTube動画を連続再生したところ、9時間5分37秒動作した。電力効率を改善した「MediaTek Kompanio 520」を搭載しているだけに、スタミナ性能はモバイル用途に申し分なしだ。

Geekbench 5のMulti-Core Scoreは1,319、Single-Core Scoreは470
Octane 2.0の総合スコアは21,285

瞬間的なパワーより使い勝手を重視する方に魅力的

 Chromebook CM14 Flipのスペックは決して高くない。しかしASUS最新のChromebookだけに、2in1コンバーチブル機構、内蔵型スタイラスペン、キーボード&タッチパッドなどの使い勝手はいい。Webカメラの画質はよく、防滴キーボードやASUSアンチバクテリアガードなどの装備も安心感が高い。

 瞬間的なパワーより、使い勝手を重視する方に、Chromebook CM14 Flipはぴったりのマシンと言える。