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17万円切りでセール中のRTX 3050搭載クリエイター向けノート、マウス「DAIV 5P」をレビュー

マウスコンピューター「DAIV 5P」。通常価格18万9,800円から(5月25日まで16万9,800円から)

 マウスコンピューターの「DAIV 5P」は15.6型のクリエイター向けノートPC。8コア/16スレッド、最大4.6GHz動作の「Core i7-11800H」と「GeForce RTX 3050 Laptop GPU」を組み合わせつつ、重量は約1.73kg。つねに携帯できるクリエイター向けノートPCとして仕上げられている。通常価格は18万9,800円だが、5月25日まで初夏セールとして2万円引きの16万9,800円で販売されている。今回はお手頃価格で手に入る本モデルの実機レビューをお届けしよう。

Core i7-11800HとGeForce RTX 3050 Laptop GPUが組み合わされており、クリエイティブワークに適したノートPCだ

標準構成は1モデルとシンプル、OS、メモリ、ストレージをカスタマイズ可能

 DAIV 5PはOSにWindows 11 Home(バージョン21H2)、CPUに第11世代(Tiger Lake)のCore i7-11800H(8コア/16スレッド、2.3~4.6GHz、45W)、ディスクリートGPUにNVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop GPUを採用。メモリは16GB(DDR4-3200 SO-DIMM、8GB×2、最大64GB)、ストレージは512GB PCIe 3.0 x4 SSDを搭載している。

 ディスプレイは15.6型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、60Hz、輝度非公表、sRGB比約100%、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)。ディスプレイ上部には100万画素Webカメラ、Windows Hello対応顔認証カメラ、デュアルアレイマイクが内蔵されている。

 インターフェイスはUSB 3.1 Type-C(USB Power Delivery非対応)、USB 3.1、USB 3.0×2、HDMI、2.5Gigabit Ethernet、microSDメモリーカードリーダ、マイク入力、3.5mmヘッドフォン出力を装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6、Bluetooth 5をサポートしている。

 本体サイズは約355.5×236.7×20.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.73kg。62,320mWh(Battery reportで確認)のバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間はJEITA2.0基準で約9時間とされている。

本体サイズは約355.5×236.7×20.6mm(同)
本体内を効率的に冷やすため、冷却口は底面の約半分のスペースが確保されている
本体前面と本体背面。背面には、USB 3.1 Type-C、HDMI、2.5Gigabit Ethernet、電源端子を配置
右側側面にはmicroSDメモリーカードリーダ、USB 3.0×2、左側面にはUSB 3.1、マイク入力、3.5mmヘッドフォン出力を用意
ディスプレイは15.6型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、60Hz、輝度非公表、sRGB比約100%、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)
キーボードは100キーの日本語配列
ディスプレイの最大展開角度は148度

 なお細かい点だがACアダプタが従来の「A15-150P1A」から「FSP150-ABBN3」に変更され、電源ケーブルを含めた合計重量が実測650gから実測568.5gへと81.5g軽量化されている。

 標準構成はこの1モデルだが、マウスコンピューターの直販サイトから購入する際はカスタマイズが可能で、OSはWindows 11 Home/Windows 11 Pro/Windows 10 Pro、メモリは16GB/32GB/64GB、ファーストSSDは512GB/1TB/2TB(PCIe 3.0 x4接続/PCIe 4.0 x4接続)、セカンドSSDは512GB/1TB/2TB(PCIe 3.0 x4接続)などから選択可能。マウスコンピューターは国内生産で、標準構成でもカスタマイズしても同じ短納期で出荷される。妥協のないスペックを選べるわけだ。

【表1】DAIV 5Pのスペック
製品名DAIV 5P
型番22045P-TGLBBW11
OSWindows 11 Home(バージョン21H2)
CPUCore i7-11800H(8コア/16スレッド、2.3~4.6GHz、45W)
GPUGeForce RTX 3050 Laptop GPU、UHD Graphics(350MHz~1.45GHz)
メモリDDR4-3200 SO-DIMM 16GB(8GB×2、最大64GB)
ストレージ512GB PCIe 3.0 x4 SSD
ディスプレイ15.6型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、60Hz、輝度非公表、sRGB比約100%、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)
ワイヤレス通信Wi-Fi 6、Bluetooth 5
WWAN-
インターフェイスUSB 3.1×2(うち1基Type-C)、USB 3.0×2、HDMI、2.5Gigabit Ethernet、microSDメモリーカードリーダー、マイク入力、3.5mmヘッドフォン出力
カメラ100万画素
バッテリ容量62,320mWh(Battery reportで確認)
バッテリ駆動時間約9時間(JEITA2.0準拠)
バッテリ充電時間非公表
本体サイズ約355.5×236.7×20.6mm(幅×奥行き×高さ)
重量約1.73kg
セキュリティWindows Hello対応顔認証カメラ
オフィスアプリオプション
同梱品ACアダプタ、電源ケーブル、説明書(製品仕様、ファーストステップガイド、サポートマニュアル、保証書)
価格18万9,800円から(5月25日まで16万9,800円から)

※5月14日時点

パッケージには本体以外に、ACアダプタ、電源ケーブル、説明書類(製品仕様、ファーストステップガイド、サポートマニュアル、保証書)が同梱
ACアダプタのコード長は実測180cm、電源ケーブルの長さは実測180cm
本体の実測重量は1,676g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は568.5g。従来のACアダプタより81.5g軽量化されている
ACアダプタの型番はFSP150-ABBN3。仕様は入力100~240V/2A、出力19V/7.89A、容量150W
システム情報
主要なデバイス
初回起動時のCドライブの空き容量は437.29GB
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITY、FULL CHARGE CAPACITYともに62,320mWhと表示された
「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

キーボードに可読性優れるユニバーサルフォントを採用

 100キーの日本語配列キーボードのキーピッチは18.75mm、キーストロークは約1.4mm。キーボード面の剛性はしっかりと確保されており、強く打鍵してもたわみなどは感じない。テンキー付きという点は好みが分かれるが、「」キー以外は等幅にそろえられている。Enterキーのサイズは大きいので、慣れれば高速タイピングが可能だ。

 なお4月13日に販売が開始された今回のDAIV 5Pは、キーボードの印字が「ユニバーサルフォント」に変更されている。ユニバーサルフォントは可読性、視認性、識別性に配慮された読みやすく、読み間違いしにくいフォント。今後マウスコンピューターは、新製品だけでなく販売中の製品も順次切り替えを行なっていく予定とのことだ。

 すべての人がタッチタイピングできるわけではないし、視力も人それぞれ異なっている。多くの人に使いやすいキーボードを提供するというマウスコンピューターの今回の施策はうれしい配慮だ。

キーピッチは18.75mm
キーストロークは約1.4mm
「F」キーの押圧力は0.51N
左が従来のキーボード、右がユニバーサルフォントを採用した今回のDAIV 5Pのキーボード。デザインは従来のキーボードの方がサイバー調だが、ユニバーサルフォントを採用した今回のキーボードの方が読みやすさは上だ
バックライトは4ゾーンRGB LED。各ゾーンの色、明るさは変更でき、エフェクトも用意されている
タッチパッドの面積は実測116×72mm(幅×奥行き)
【表2】キーボードの押圧力の一例
FキーEnterキーSpaceキー
DAIV P5(2022年モデル)0.51N0.5N0.48N
DAIV 7N(2021年モデル)0.56N0.53N0.53N
14インチMacBook Pro0.5N0.5N0.52N
13インチMacBook Air0.51N0.51N0.53N

 DAIV 5Pのディスプレイは色域がsRGB比100%と謳われている。カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率は95.5%、sRGB比は101.5%、Adobe RGBカバー率は74.0%、Adobe RGB比は75.3%、DCI-P3カバー率は74.8%、DCI-P3比は74.8%という値が出た。

 カタログスペック通りの色域を備えていることを確認できたが、クリエイター向けノートPCとしてはもっと色域の広いディスプレイを備えてほしいところだ。

 Webカメラは前モデルでは露出が高すぎる傾向があったが、今回のモデルでは調整が施されたようだ。ただし赤みがかなり強い。「HDR pro」を有効にすると赤みを少し抑えられるので、状況によってはHDR設定を変更するといい。

ディスプレイの発色には特に癖はない
実測したsRGBカバー率は95.5%、sRGB比は101.5%
Adobe RGBカバー率は74.0%、Adobe RGB比は75.3%
DCI-P3カバー率は74.8%、DCI-P3比は74.8%
ディスプレイ上部には100万画素Webカメラ、Windows Hello対応顔認証カメラ、デュアルアレイマイクが内蔵
Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)
Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDR pro)
視野角は上下/左右ともに170度。真横近くからでも一定の視認性が維持される

 DAIV 5Pのサウンドはデフォルトの設定ではかなり大人しめ。しかし、ユーティリティ「Sound Blaster Cinema 6+」を起動し、「サウンドエクスペリエンス」を有効にすると印象は一変する。プリセットは、ゲーム、ムービー、ミュージック、ストリーミングの4つが用意されているが、音楽を聴く場合でも個人的なオススメは「ゲーム」だ。

 もちろんクアッドスピーカーを搭載しているノートPCなどにはおよばないが、臨場感や広がりもありミュージックビデオなどの鑑賞用途であれば実用的な品質を備えている。

YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生した際の音圧レベルは最大81.8dBA(50cmの距離で測定)
「Sound Blaster Cinema 6+」を有効にすると、好みのサウンドに設定可能。プリセットは、ゲーム、ムービー、ミュージック、ストリーミングが用意されている

3Dゲームも実用的な速度でプレイできる性能を発揮

 最後に性能をチェックしよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2556」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.22.7358」
  • プロユーザー向けベンチマーク「UL Procyon v1.0.183」
  • CPUベンチマーク「Cinebench R23.200」
  • CPUベンチマーク「Cinebench R20.060」
  • CPUベンチマーク「Cinebench R15.0」
  • 3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
  • Adobe Lightroom Classicで100枚のRAW画像を現像
  • Adobe Premiere Proで実時間5分の4K動画を書き出し

 下記が検証機の仕様とその結果だ。

ベンチマークは、「Control Center」で動作モードを「パフォーマンスモード」に設定し、「ターボモード」を有効にして実施している
【表3】検証機の仕様
製品名DAIV 5P(2022年モデル)
CPUCore i7-11800H(8コア/16スレッド、2.3~4.6GHz)
GPUGeForce RTX 3050 Laptop GPU、UHD Graphics(350MHz~1.45GHz)
メモリDDR4-3200 SDRAM 16GB
ストレージ512GB PCIe 3.0 x4 SSD
ディスプレイ15.6型、1,920×1,080ドット(141ppi)
TDP45W
OSWindows 10 Home
サイズ約355.5×236.7×20.6mm
重量約1.73kg
価格18万9,800円
【表4】ベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2556
PCMark 10 Score5,965
Essentials9,472
App Start-up Score11,690
Video Conferencing Score7,718
Web Browsing Score9,422
Productivity7,892
Spreadsheets Score9.666
Writing Score6.445
Digital Content Creation7,705
Photo Editing Score8.696
Rendering and Visualization Score9,519
Video Editing Score5,527
PCMark 10 Modern Office Battery Life6時間52分
3DMark v2.22.7358
Time Spy Extreme2,499
Time Spy5,433
Port Royal326(※非互換)
Fire Strike Ultra3,134
Fire Strike Extreme6,215
Fire Strike12,317
Wild Life Extreme10,294
Wild Life32,138
Night Raid38,274
UL Procyon v1.0.183
Photo Editing Benchmark score6,698
Image Retouching score6,379
Batch Processing score7,034
Video Editing score4,358
Cinebench R23.200
CPU(Multi Core)9,292pts
CPU(Single Core)1,483pts
Cinebench R20.060
CPU3,614pts
CPU(Single Core)568pts
Cinebench R15.0
OpenGL170.70fps
CPU1466cb
CPU(Single Core)225cb
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン11,172(とても快適)
1,920×1,080ドット、標準品質、フルスクリーン7,440(快適)
SSDをCrystalDiskMark 8.0.4で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード3,552.378MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト3,004.502MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード2,412.509MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト2,207.145MB/s
4K Q32T1 ランダムリード391.008MB/s
4K Q32T1 ランダムライト358.392MB/s
4K Q1T1 ランダムリード73.170MB/s
4K Q1T1 ランダムライト135.467MB/s
「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像
7,952×5,304ドット、カラー - 自然3分33秒48
「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps1分32秒16

 まずPCMark 10を見てみると総合スコアは5,965となっている。PCMark 10の指標「Gaming laptop 2020」が4,515なので、DAIV 5Pはその1.32倍のスコアを記録したことになる。

 一方、3DMarkのTime Spyは5,433、Fire Strikeは12,317、Wildlifeは32,138を記録した。Time Spyのゲームパフォーマンス予測値(1080p)を見てみると、「Battlefield V」で70+ FPS、「Apex Legends」で90+ FPS、「GTA V」で55+ FPS、「Fortnite」で70+ FPS、「Red Dead Redemption 2」でLess than 30 FPS(30FPS未満)となっている。Red Dead Redemption 2以外なら実用的な速度でプレイできる。

 実際のアプリでも、Lightroomで100枚のRAW画像を現像するのに3分33秒48、Premiere Proで実時間5分の4K動画を書き出すのに1分32秒16で処理を終えている。このぐらい短い所要時間で高負荷な処理を終えられれば、クリエイティブアプリも快適に利用できる。

 バッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度50%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、6時間52分動作した。一般的なアプリであればモバイル用途にも活用できるバッテリ駆動時間を備えていると言えよう。

Cinebench R23実行中、CPU温度は最大75℃までジリジリと上がっていったが、クロック周波数は平均3,032.61MHzと安定して推移していた
アイドル時の消費電力は17.28W前後、Cinebench R23実行中の消費電力は109.26W前後
FINAL FANTASY XV BENCHMARK実行中のキーボード面の最大温度は34.3℃(室温23.2℃で測定)
底面の最大温度は36.1℃
ACアダプタの最大温度は37.0℃

クリエイティブワークに活用できるマシンを低価格で入手したい方にオススメ

 今回のDAIV 5Pは1世代前のCPU Core i7-11800Hを搭載しているとはいえ、GeForce RTX 3050 Laptop GPUが組み合わされており総合的な性能は高い。ディスクリートGPU搭載ノートPCの中では約1.73kgと軽く、バッテリ駆動時間も6時間52分とモバイル用途にも活用できる。USB Power Deliveryに対応していない点は残念だが、ACアダプタは軽量化されている。

 クリエイティブワークに活用できるマシンを低価格に入手したいという方に、DAIV 5Pはぜひ購入候補に加えていただきたい1台だ。