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1万5千円台と最安級のAndroidタブ「FFF-TAB10A1」。実用に耐えうるかアプリ/ゲームの動作具合をチェック

FFF SMART LIFE CONNECTED「FFF-TAB10A1」2万1800円(初回限定1万5,900円)

 FFF SMART LIFE CONNECTED株式会社は、初回100台限定価格1万5,900円、標準想定価格2万1,800円という低価格を売りにしたAndroid 11搭載10.1型タブレット「FFF-TAB10A1」を発売した。記事掲載時点ではまだ初回限定価格で購入可能だ。

 初回限定とは言え、10型超えのAndroidタブレットとしてはFFF-TAB10A1は最安クラス。そして価格が安くても「Googleモバイルサービス(GMS)」が含まれているのでGoogle Playなどを利用可能で、また「技術基準適合証明(技適)」が取得されており適法で日本で利用できる。

 とは言え、最安クラスの低価格を実現するためには、なんらかの「割り切り」が行なわれているはず。今回は基本的なスペック解説に加えて、実際にアプリケーションやゲームを動作させてみて、どのぐらいの実効速度を備えているのかもチェックしてみよう。

SoCは4コア、メモリは3GB、ストレージは32GB

 FFF-TAB10A1はOSに「Android 11」、SoCに「Allwinner A133」(Cortex-A53 1.6GHz×4)を採用。メモリは3GB、ストレージは32GB(eMMC)を搭載。メモリカードスロットを備えており、microSD(512MB~256GB対応)を装着可能だ。

 ディスプレイは10.1型WXGA IPS液晶(1,280×800ドット、16:10、光沢、5点マルチタッチ、フィルム貼り付け済み)。輝度、色域などは公表されていない。

 カメラはリアが500万画素(F2.0)、フロントが200万画素(F2.0)。静止画記録解像度はリアが2,592×1,944ドット、フロントが1,600×1,200ドットとなる。なお撮影した写真のexif情報をチェックしてみたが、「メーカー : AW」「カメラ : aw」「ソフトウェア : a50」「撮影日時 : 年/月/日 時:分:秒」しか記録されていなかった。

 通信機能はIEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)、Bluetooth 4.2に対応。インターフェイスはUSB Type-C、3.5mmイヤフォン端子を搭載している。

 筐体材質はプラスチック。サイズは約252×154×10.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約501g。6,000mAhのリチウムイオンバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は約4時間40分(輝度最大、音量40%でYouTubeを視聴した場合)、バッテリ充電時間は約4時間と謳われている。

 スペックで注意が必要なのが、生体認証非対応、USB Power Delivery非対応、外部ディスプレイ非対応、バイブレーション非対応、GPS非対応であること。これら機能が必須なら、FFF-TAB10A1は残念ながら購入対象外ということになる。

【表】FFF-TAB10A1のスペック
OSAndroid 11
SoCAllwinner A133(Cortex-A53 1.6GHz×4)
メモリ3GB
ストレージ32GB(eMMC)
メモリカードmicroSD(512MB~256GB対応)
ディスプレイ10.1型WXGA IPS液晶(1,280×800ドット、16:10、光沢、5点マルチタッチ、フィルム貼り付け済み)
カメラリア : 500万画素(F2.0)
フロント : 200万画素(F2.0)
通信機能IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)、Bluetooth 4.2
インターフェイスUSB Type-C、3.5mmイヤフォン端子
生体認証
バッテリ6,000mAh(リチウムイオンバッテリ)
駆動時間約4時間40分(輝度最大、音量40%でYouTubeを視聴した場合)
充電時間約4時間
サイズ約252×154×10.1mm(幅×奥行き×高さ)
重量約501g
カラーブラック
筐体材質プラスチック
同梱品USBケーブル(Type-A to C)、電源アダプタ、保証書
備考USB Power Delivery非対応、外部ディスプレイ非対応、バイブレーション非対応、GPS非対応、加速度センサー対応
ディスプレイは10.1型WXGA IPS液晶(1,280×800ドット、16:10、光沢、5点マルチタッチ、フィルム貼り付け済み)
筐体材質はプラスチック。サイズは約252×154×10.1mm(幅×奥行き×高さ)
本体上面に、USB Type-C、メモリカードスロット、3.5mmイヤフォン端子を用意。メモリカードスロットにはmicroSD(512MB~256GB対応)を装着可能
本体右側面にはボリュームボタン、電源ボタン、リセットスイッチを配置
パッケージには本体以外に、保証書、電源アダプタ、USBケーブル(Type-A to C)が同梱
技術基準適合証明はシールで貼られている
本体の実測重量は501.5g
電源アダプタ、USBケーブルの合計重量は実測77.7g
ディスプレイには、製造・運搬時保護用のフィルムが貼られている
製造・運搬時保護用フィルムの下に、もう1枚ディスプレイ保護フィルムが貼られている。このディスプレイ保護フィルムは、マニュアルなどに「タップが効きにくいなどの不具合の原因となるので、必ずフィルムを剥がしてからご使用ください」と記載されている。しかし、実際に感度を試してから剥がすかどうかを決めることをおすすめする
初回起動時のホーム画面
初回起動時のドロワー画面。プリインストールされたアプリは20本と少なめ
OSはAndroid 11を搭載
ストレージは32GB(eMMC)。初回起動時は6.05GB(19%)が使用されている

AnTuTu Benchmark V9の総合スコアは65,087

 前述の通り、FFF-TAB10A1はOSにAndroid 11、SoCにAllwinner A133、メモリに3GB、ストレージに32GB(eMMC)を搭載している。Allwinner A133は珠海全志科技股份有限公司(Allwinner Technology CO., Ltd)が製造しているSoCで、CPUに「Cortex-A53」を4コア、GPUに「PowerVR Rogue GE8300」を搭載したエントリー向けのプロセッサだ。

 今回、定番ベンチマークを実施したところ、「AnTuTu Benchmark V9.2.9」の総合スコアは65,087、「Geekbench 5.4.4」のMulti-Core Socreは305、「3DMark」のSling Shotのスコアは266という結果になった。記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングトップ「RedMagic 6」の総合スコアは860,559。FFF-TAB10A1はその約8%のスコアということになる。

 バッテリ駆動時間は簡易的にテストを実施した。ディスプレイ輝度50%、音量約51%でYouTube動画を1時間再生したところ、バッテリ残量は100%から88%に減っていた。バッテリ残量0%まで動作させた場合、FFF-TAB10A1は単純計算で約8時間20分動作することになる。

「AnTuTu Benchmark V9.2.9」の総合スコアは65,087。なお、AnTuTu Benchmarkで、FFF-TAB10A1が「AnTuTu 3DBench」を実行できなかったため、「AnTuTu 3DBench Lite」をインストールした上で実施している
記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングトップ「RedMagic 6」の総合スコアは860,559
「Geekbench 5.4.4」のMulti-Core Scoreは305、Single-Core Scoreは100
「3DMark」のSling Shotのスコアは266
ディスプレイ輝度50%、音量約51%でYouTube動画を1時間再生した時点のバッテリ残量は88%となった
AnTuTu Benchmark実行中の背面の最大温度は34.9℃(室温22.2℃で測定)
ディスプレイ面の最大温度は32.4℃

コンテンツビューワとしては許容範囲だがゲームは?

 AnTuTu Benchmarkのスコアで、FFF-TAB10A1は現時点ランキングトップのRedMagic 6の約8%に相当する65,087というスコアを記録したが、実際の動作速度はどの程度のものなのだろうか? Webブラウザ、「Kindle」「Crossy Road」「Minecraft」「PUBG Mobile」を操作する様子を動画で撮影したのでぜひご覧いただきたい。

 これらの動作が実用的かどうかは自身で判断してほしいが、個人的にはWebブラウジング、Kindleでの読書については許容範囲だと思う。アプリの起動、Webサイトや電子書籍の読み込みに時間はかかるが、いったん読み込んでしまえばそれほどストレスは感じない。

 問題はゲーム。Crossy Roadはプレイできなくはない。しかし実際に操作していると遅延が気になる。その遅延を織り込み済みで遊ぶのも楽しいと言えなくもない。だが、高性能なタブレットの方が有利なのは間違いない。

 MinecraftやPUBG Mobileは動画では早送りを入れざるをえなかったほど、アプリの起動に時間がかかった。またPUBG Mobileは処理が追いつかず不自然な動きが発生したり、オブジェクトが見えなくなることもあった。

 総括すると、動画の再生、Webブラウジング、電子書籍の読書、そしてCrossy Roadぐらいのカジュアルゲームなどであれば、多少待たされ感はあるものの実用的に利用できる。しかし、3Dゲームをプレイするのは相当厳しいというのが率直な感想だ。

PUBG Mobileを実行すると、グラフィックはクオリティが「スムーズ」、フレーム設定が「中」、演出が「CLASSIC」に設定されている。しかしこの設定でも本気でプレイするのはかなり厳しい

カメラは価格相応の画質

 FFF-TAB10A1には、リアに500万画素(F2.0)、フロントに200万画素(F2.0)のカメラが搭載されている。うまく撮影条件がはまれば比較的綺麗に撮れることもあるが、基本的には白飛びしやすく、色も転びがちで、正直に言ってトイカメラ相当の画質だと感じた。

 また今回撮影したような晴天の日には、太陽光下でディスプレイが見づらく、ピントが合っているのかどうか分かりにくい。リアカメラはメモ用、インカメラはビデオ通話用と割り切った方がよいと考える。

カメラはリアが500万画素(F2.0)、フロントが200万画素(F2.0)
リアカメラで撮影
リアカメラで撮影
リアカメラで撮影
リアカメラで撮影
フロントカメラで撮影

コンテンツビューワ用Android機をできるだけ低価格に入手したい方向け

 FFF-TAB10A1は低価格を売りにしたAndroidタブレットだ。正直、処理性能やカメラ画質という点ではかなりの割り切りが必要だが、「Googleモバイルサービス(GMS)」が含まれているという点では、Amazonの価格破壊タブレット「Fire HD 10」より使いやすい。

 3Dゲームなどはプレイせず、コンテンツビューワとして使うAndroidタブレットをできるだけ安価に入手したいという方には、検討する価値のある1台と言えるだろう。

【2月10日追記】

 2月10日にAndroid 11 Go搭載版でさらに安い「FFF-TAB10A0」が発売された。詳しくは以下の関連記事を参照されたい。