Hothotレビュー
1万5千円台と最安級のAndroidタブ「FFF-TAB10A1」。実用に耐えうるかアプリ/ゲームの動作具合をチェック
2022年2月7日 06:26
FFF SMART LIFE CONNECTED株式会社は、初回100台限定価格1万5,900円、標準想定価格2万1,800円という低価格を売りにしたAndroid 11搭載10.1型タブレット「FFF-TAB10A1」を発売した。記事掲載時点ではまだ初回限定価格で購入可能だ。
初回限定とは言え、10型超えのAndroidタブレットとしてはFFF-TAB10A1は最安クラス。そして価格が安くても「Googleモバイルサービス(GMS)」が含まれているのでGoogle Playなどを利用可能で、また「技術基準適合証明(技適)」が取得されており適法で日本で利用できる。
とは言え、最安クラスの低価格を実現するためには、なんらかの「割り切り」が行なわれているはず。今回は基本的なスペック解説に加えて、実際にアプリケーションやゲームを動作させてみて、どのぐらいの実効速度を備えているのかもチェックしてみよう。
SoCは4コア、メモリは3GB、ストレージは32GB
FFF-TAB10A1はOSに「Android 11」、SoCに「Allwinner A133」(Cortex-A53 1.6GHz×4)を採用。メモリは3GB、ストレージは32GB(eMMC)を搭載。メモリカードスロットを備えており、microSD(512MB~256GB対応)を装着可能だ。
ディスプレイは10.1型WXGA IPS液晶(1,280×800ドット、16:10、光沢、5点マルチタッチ、フィルム貼り付け済み)。輝度、色域などは公表されていない。
カメラはリアが500万画素(F2.0)、フロントが200万画素(F2.0)。静止画記録解像度はリアが2,592×1,944ドット、フロントが1,600×1,200ドットとなる。なお撮影した写真のexif情報をチェックしてみたが、「メーカー : AW」「カメラ : aw」「ソフトウェア : a50」「撮影日時 : 年/月/日 時:分:秒」しか記録されていなかった。
通信機能はIEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)、Bluetooth 4.2に対応。インターフェイスはUSB Type-C、3.5mmイヤフォン端子を搭載している。
筐体材質はプラスチック。サイズは約252×154×10.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約501g。6,000mAhのリチウムイオンバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は約4時間40分(輝度最大、音量40%でYouTubeを視聴した場合)、バッテリ充電時間は約4時間と謳われている。
スペックで注意が必要なのが、生体認証非対応、USB Power Delivery非対応、外部ディスプレイ非対応、バイブレーション非対応、GPS非対応であること。これら機能が必須なら、FFF-TAB10A1は残念ながら購入対象外ということになる。
【表】FFF-TAB10A1のスペック | |
---|---|
OS | Android 11 |
SoC | Allwinner A133(Cortex-A53 1.6GHz×4) |
メモリ | 3GB |
ストレージ | 32GB(eMMC) |
メモリカード | microSD(512MB~256GB対応) |
ディスプレイ | 10.1型WXGA IPS液晶(1,280×800ドット、16:10、光沢、5点マルチタッチ、フィルム貼り付け済み) |
カメラ | リア : 500万画素(F2.0) フロント : 200万画素(F2.0) |
通信機能 | IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)、Bluetooth 4.2 |
インターフェイス | USB Type-C、3.5mmイヤフォン端子 |
生体認証 | - |
バッテリ | 6,000mAh(リチウムイオンバッテリ) |
駆動時間 | 約4時間40分(輝度最大、音量40%でYouTubeを視聴した場合) |
充電時間 | 約4時間 |
サイズ | 約252×154×10.1mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約501g |
カラー | ブラック |
筐体材質 | プラスチック |
同梱品 | USBケーブル(Type-A to C)、電源アダプタ、保証書 |
備考 | USB Power Delivery非対応、外部ディスプレイ非対応、バイブレーション非対応、GPS非対応、加速度センサー対応 |
AnTuTu Benchmark V9の総合スコアは65,087
前述の通り、FFF-TAB10A1はOSにAndroid 11、SoCにAllwinner A133、メモリに3GB、ストレージに32GB(eMMC)を搭載している。Allwinner A133は珠海全志科技股份有限公司(Allwinner Technology CO., Ltd)が製造しているSoCで、CPUに「Cortex-A53」を4コア、GPUに「PowerVR Rogue GE8300」を搭載したエントリー向けのプロセッサだ。
今回、定番ベンチマークを実施したところ、「AnTuTu Benchmark V9.2.9」の総合スコアは65,087、「Geekbench 5.4.4」のMulti-Core Socreは305、「3DMark」のSling Shotのスコアは266という結果になった。記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングトップ「RedMagic 6」の総合スコアは860,559。FFF-TAB10A1はその約8%のスコアということになる。
バッテリ駆動時間は簡易的にテストを実施した。ディスプレイ輝度50%、音量約51%でYouTube動画を1時間再生したところ、バッテリ残量は100%から88%に減っていた。バッテリ残量0%まで動作させた場合、FFF-TAB10A1は単純計算で約8時間20分動作することになる。
コンテンツビューワとしては許容範囲だがゲームは?
AnTuTu Benchmarkのスコアで、FFF-TAB10A1は現時点ランキングトップのRedMagic 6の約8%に相当する65,087というスコアを記録したが、実際の動作速度はどの程度のものなのだろうか? Webブラウザ、「Kindle」「Crossy Road」「Minecraft」「PUBG Mobile」を操作する様子を動画で撮影したのでぜひご覧いただきたい。
これらの動作が実用的かどうかは自身で判断してほしいが、個人的にはWebブラウジング、Kindleでの読書については許容範囲だと思う。アプリの起動、Webサイトや電子書籍の読み込みに時間はかかるが、いったん読み込んでしまえばそれほどストレスは感じない。
問題はゲーム。Crossy Roadはプレイできなくはない。しかし実際に操作していると遅延が気になる。その遅延を織り込み済みで遊ぶのも楽しいと言えなくもない。だが、高性能なタブレットの方が有利なのは間違いない。
MinecraftやPUBG Mobileは動画では早送りを入れざるをえなかったほど、アプリの起動に時間がかかった。またPUBG Mobileは処理が追いつかず不自然な動きが発生したり、オブジェクトが見えなくなることもあった。
総括すると、動画の再生、Webブラウジング、電子書籍の読書、そしてCrossy Roadぐらいのカジュアルゲームなどであれば、多少待たされ感はあるものの実用的に利用できる。しかし、3Dゲームをプレイするのは相当厳しいというのが率直な感想だ。
カメラは価格相応の画質
FFF-TAB10A1には、リアに500万画素(F2.0)、フロントに200万画素(F2.0)のカメラが搭載されている。うまく撮影条件がはまれば比較的綺麗に撮れることもあるが、基本的には白飛びしやすく、色も転びがちで、正直に言ってトイカメラ相当の画質だと感じた。
また今回撮影したような晴天の日には、太陽光下でディスプレイが見づらく、ピントが合っているのかどうか分かりにくい。リアカメラはメモ用、インカメラはビデオ通話用と割り切った方がよいと考える。
コンテンツビューワ用Android機をできるだけ低価格に入手したい方向け
FFF-TAB10A1は低価格を売りにしたAndroidタブレットだ。正直、処理性能やカメラ画質という点ではかなりの割り切りが必要だが、「Googleモバイルサービス(GMS)」が含まれているという点では、Amazonの価格破壊タブレット「Fire HD 10」より使いやすい。
3Dゲームなどはプレイせず、コンテンツビューワとして使うAndroidタブレットをできるだけ安価に入手したいという方には、検討する価値のある1台と言えるだろう。
【2月10日追記】
2月10日にAndroid 11 Go搭載版でさらに安い「FFF-TAB10A0」が発売された。詳しくは以下の関連記事を参照されたい。